亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

伸びきった(ストレッチ)相場

2006年02月08日 15時00分44秒 | 金市場
(14:41)地政学的リスクを材料にしての買いは脆(もろ)いから気をつけようと昨日書いて更新したのが16:20のこと。「イラン核開発問題を安保理に付託」などと騒いでいる割には、原油の動きもイマイチで金以外のメタルもパッとしなかったので、これは?と思って書いたのだが、早くもNYで崩れた。後は上げの余韻を楽しんでいた金の久々の大幅な下げに共鳴するように各メタル相場が崩れたという様相。そして見渡せば商品市場全般が売られている。550ドルを突破し560ドル台に乗せたタイミングで、「いつ反落があってもおかしくはない」「モメンタム相場の一種のストレッチ相場と呼ぶことにした」と宣言したのが1月17日(「ストレッチ相場」)のことだった。1月19日にも「560ドル台の水準を妥当化する材料は今のところ見当たらないのが実情」とした。したがって、昨夜からの急落に驚きはない。ただし、この間の金ETFとりわけNY証取の「streetTRACKS」の残高急増を見せられて、モメンタム(勢い)の持続を感じたのも事実だった。正直に書くと、ファンドの銘柄比率の見直しや新規設定など1月中は強含むものの、2月にはさすがの堅調展開も持続は難しかろうと思っていた。ところが2月になっても(まだ5営業日しか経過していないが)、その予想を吹き飛ばすような上値追いが続いた。「振り子」と同じで振り切れるところまで行かないと戻ってこないという側面をどんな相場も持つ。したがってテクニカル上584ドル、あるいはこのまま600ドル挑戦もありか、とも考えた。仮にそこまで行ったとすると、その後の調整は深かろう・・と。“cautiously bullish(警戒しながらの強気)”との表現も使ったが、区切りのつかないストレッチ相場に違和感を感じながら相場を眺めてきた。そして、やっと訪れた調整局面というわけだ。

ここからの見所は、今の相場がどの水準で折り合いをつけられるかということ。具体的には、現物の買い引き合いが、どこで入ってくるかという点だが、それにより足元の需給の均衡点も見えてくる。金ETF(上場投信)の動向もどうなるか要注目。こちらは、下げ局面で残の増加が見られれば、その後が大いに期待できることになる。どちらにしても今回の調整(下げ相場)で、相場本来のリズムが戻りそうだ。金投資に乗り出したくとも乗り入れられなかった方々の相談ももらっていたが、具体的な検討に着手できる状況になりそうだ。そういう意味で歓迎すべき下げ局面だが、手仕舞いたくても手仕舞いできない売買システムも困ったもんだが、こうした折にドルベースで外との取引機会をもたない(短期狙いの)個人投資家というのもハンデ戦のようなものだね。まぁ、一般は腰を据えて取り組みましょう。

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2 コメント

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こけました (ささやか)
2006-02-09 10:08:19
昨日、富士登山でこけちゃいました。

道連れのヘッジ氏が飛び降りたので…

下山時間なんでしょうか?

迷子になるのかナ~

最近日経ダウ氏が一緒に来ているような気がしますが…

のんびり行きます。Let it go♪~
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そうですね ()
2006-02-09 10:53:19
いいところをご覧になっていますね。



東京株式市場の値動きは要注意と思います。この段階で株価は反発、TOCOMも反転。このまま強含めば、楽観論は海外に波及しそうですが。日銀の動きにも関心が高まっているのです。一体化してるんですねぇ。
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