注目のFOMCは、声明文、参加者による経済見通し、パウエル議長の記者会見合わせて、総じて硬軟混在する内容で各マーケットごとに受け止め方にも温度差があり、金市場については初期反応としては方向感をつかめずという結果となった。一言で表すならば、FRBが発したメッセージの解釈に“戸惑う市場”といったところか。
もっとも、通常取引(清算値確定)が午後1時30分で一度区切るコメックスの金については、その後のFOMCの結果に反応は見せるものの、本格的な反応は翌営業日のNY時間という“癖”がある。つまり、今夜20日のNY市場を見る必要がある。
政策金利の25ポイント(0.25%)引き上げ、2019年の利上げ回数の下方修正は予想通りで織り込み済み。2020年が消えると思ったら1回のまま残った。金市場に限らずマーケット全体は世界的な株安やこのところの原油の急落に映し出される世界景気の減速懸念の高まりから、ハト派的なスタンスへの転換を織り込んでいた。しかし、声明文の内容はタカ派的な印象のものとなった。
声明文では、経済状況の現況評価にほとんど変更はなく、「労働市場は引き続き力強さを増し、経済活動は力強く拡大した。雇用増はこの数カ月平均すると力強く、失業率は低水準を保った」と、この部分だけで“strong”が3回登場する強気のスタンスを維持した。経済に対するリスクについても前回同様に「ほぼ均衡している」とし、後のパウエル議長の発言の方がリスクの高まりを認識という内容だった。どっちを取ればイインデスカ?という感じ。この点は、「引き続き世界景気や市場動向を注視し景気見通しへの影響を分析する」との文言が加えられたことで、カバーしたとうことか。
市場がタカ派的と捉えたのは、「更なる段階的な引き上げ」という文言に、「いくらかの(some)」が加えられ、「いくらかの更なる段階的な引き上げ」となった部分。この部分が今回は削除されるという見方が多かった。維持されたことで、一定のペースでの利上げの可能性を残したものと受け止められ、予想したほどにはハト派化はなかったということに。つまり、利上げ見通しは引き下げられハト派的ではあるものの、声明文はタカ派的なトーンが維持されるという内容に。
今後の展開についてパウエル議長も「経済指標次第」との意向を明言しており、今回の政策見通しについても流動的との解釈となる。もっとも、今回、指標となる金利水準(≒中立金利)が3.0%から2.75%に引き下げられたことから、金利水準が利上げ打ち止めの域に接近していることも確かで、これは11月のパウエル議長の発言と整合性のある内容となった。
FOMCを挟んだ19日の金市場の値動きは、始めに書いたが初期反応という位置付けになる。
19日のNY金は、ドル相場に沿った値動きだった。発表を前にハト派的内容を予見する動きからドル売りが加速、ユーロは1.14ドル台半ばに上昇。このタイミングで金は1262.20ドルの約5ヵ月半ぶりの水準まで買われることになった。その後、さすがに売りが出ていったんは、前日比2.80ドル高の1256.40ドルで通常取引を終了。FOMC後は、一転してドルが買われユーロは1.13ドル台半ばに下落すると、金も売られ1250ドル割れの水準に低下。その後は1250ドル手前での推移となった。
一方、米国株市場は全面水浸し状態に。直近の高値からの下げが20%以内に留まっているので修正局面とはいうものの、センチメントはベア相場入りの印象。それを表すのが米債市場で、さらに買われ19日は2.778%で終了。本日のアジア、欧州の時間帯は2.751%まで低下。本日、アジアで日経平均の下げが一番大きいのは、資金の受け皿になる市場が東京なので止むなし。この時間帯、欧州の午前の株式市場は、それぞれ1%±α売られている。
金市場は約2時間後からの値動きがどうなるか。昨日は最後に、今回の利上げは金にはプラス材料とした。
もっとも、通常取引(清算値確定)が午後1時30分で一度区切るコメックスの金については、その後のFOMCの結果に反応は見せるものの、本格的な反応は翌営業日のNY時間という“癖”がある。つまり、今夜20日のNY市場を見る必要がある。
政策金利の25ポイント(0.25%)引き上げ、2019年の利上げ回数の下方修正は予想通りで織り込み済み。2020年が消えると思ったら1回のまま残った。金市場に限らずマーケット全体は世界的な株安やこのところの原油の急落に映し出される世界景気の減速懸念の高まりから、ハト派的なスタンスへの転換を織り込んでいた。しかし、声明文の内容はタカ派的な印象のものとなった。
声明文では、経済状況の現況評価にほとんど変更はなく、「労働市場は引き続き力強さを増し、経済活動は力強く拡大した。雇用増はこの数カ月平均すると力強く、失業率は低水準を保った」と、この部分だけで“strong”が3回登場する強気のスタンスを維持した。経済に対するリスクについても前回同様に「ほぼ均衡している」とし、後のパウエル議長の発言の方がリスクの高まりを認識という内容だった。どっちを取ればイインデスカ?という感じ。この点は、「引き続き世界景気や市場動向を注視し景気見通しへの影響を分析する」との文言が加えられたことで、カバーしたとうことか。
市場がタカ派的と捉えたのは、「更なる段階的な引き上げ」という文言に、「いくらかの(some)」が加えられ、「いくらかの更なる段階的な引き上げ」となった部分。この部分が今回は削除されるという見方が多かった。維持されたことで、一定のペースでの利上げの可能性を残したものと受け止められ、予想したほどにはハト派化はなかったということに。つまり、利上げ見通しは引き下げられハト派的ではあるものの、声明文はタカ派的なトーンが維持されるという内容に。
今後の展開についてパウエル議長も「経済指標次第」との意向を明言しており、今回の政策見通しについても流動的との解釈となる。もっとも、今回、指標となる金利水準(≒中立金利)が3.0%から2.75%に引き下げられたことから、金利水準が利上げ打ち止めの域に接近していることも確かで、これは11月のパウエル議長の発言と整合性のある内容となった。
FOMCを挟んだ19日の金市場の値動きは、始めに書いたが初期反応という位置付けになる。
19日のNY金は、ドル相場に沿った値動きだった。発表を前にハト派的内容を予見する動きからドル売りが加速、ユーロは1.14ドル台半ばに上昇。このタイミングで金は1262.20ドルの約5ヵ月半ぶりの水準まで買われることになった。その後、さすがに売りが出ていったんは、前日比2.80ドル高の1256.40ドルで通常取引を終了。FOMC後は、一転してドルが買われユーロは1.13ドル台半ばに下落すると、金も売られ1250ドル割れの水準に低下。その後は1250ドル手前での推移となった。
一方、米国株市場は全面水浸し状態に。直近の高値からの下げが20%以内に留まっているので修正局面とはいうものの、センチメントはベア相場入りの印象。それを表すのが米債市場で、さらに買われ19日は2.778%で終了。本日のアジア、欧州の時間帯は2.751%まで低下。本日、アジアで日経平均の下げが一番大きいのは、資金の受け皿になる市場が東京なので止むなし。この時間帯、欧州の午前の株式市場は、それぞれ1%±α売られている。
金市場は約2時間後からの値動きがどうなるか。昨日は最後に、今回の利上げは金にはプラス材料とした。