亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金1850割れ

2023年02月15日 20時52分59秒 | 金市場

注目の1月米CPI(消費者物価指数)は、総合指数が前年同月比6.4%上昇と伸びは7カ月連続で鈍化し、2021年10月以降で最小となったものの、市場予想の6.2%を上回った。

前月比では0.5%上昇で、12月(0.1%上昇)から伸びが加速した。(変動の大きい食品とエネルギーを除く)コア指数は、前年比5.6%、前月比0.4%上昇と予想の範囲内に収まった。 前月は前年比5.7%、前月比0.4%の上昇になっていた。 もともと結果の上振れを警戒する見方も多く、その通りということに。米国のインフレは鈍化しているものの、そのペースは緩やかで、FRBに利上げ打ち止めなど政策転換を促すには不十分との見方が強まった。

この内容を受け市場では、確実視されている3月に続き、5月の政策会合(FOMC)での利上げに加え6月の利上げも視野に入れる動きが見られ始めている。

 

発表直後からNY金は乱高下した。

警戒感が強く前日までに売り込まれていた反動もあり結果判明直後に一時1881.60ドルに急伸し、1870ドル台で上下した後に一転し反落状態に。高値から約1時間後には一時1852.50ドルの安値を付ける荒れた展開だった。上下動の中で材料を消化し、終盤には前日終値近辺での取引となり、前日比1.90ドル高の1865.40ドルで終了した。

CPIの結果を受けたFRB高官の発言内容もタカ派的内容となったこともあり、米国債利回りは全般的に上昇。10年債利回りは一時3.793%と1月3日以来の高水準を付けた。より金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは一時4.656%と昨年11月以来の水準に上昇し、4.643%で終了。

こうした中で、前日比プラス圏で終了したNY金だが、本日ロンドン時間に1850ドル割れまで売り込まれ推移している。米債先物が6月の利上げを織り込みにかかっていることが、NY金の売りにつながっているとみられるが、1850割れから1800ドル接近したところは押し目買いゾーンと思う。

本日は、1月の小売売上高とNY連銀製造業景況指数に注目。NY連銀景況指数は振れ幅が大きいのでどうなるか。

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