足元で話題のユーロ圏の債務問題。日曜日のスペインの地方選挙で与党社会労働党が大敗を喫したことが、今後の財政赤字削減策の行方に不安を投げかけている。選挙が終わった今でもマドリードの広場をデモ隊が占拠している様子を今朝テレビで見かけたが、“財政支出の削減=一般国民の負担増”がどこまで続くのか見えにくい状況では不満が溜まろう。したがって、削減策の先行きを案じて国債が売られるというのは、わかる。笑ってしまったのは、今回の選挙で与党が大敗したことで、「隠れた(政府)負債が表面化するリスク」があるという指摘だった。いやはや、確かにギリシャ危機のきっかけは政権交代で負債を洗い直したら、赤字額は発表より多かったということだった。そこまで考えねばならぬなら、足元の前提がゴロっと変ることがあることになるのだが・・・・よもや。不確実性の時代ではある。
本日ここまでで発表されたデータで取り上げておきたいのは、2010年末の日本の対外純資産が251兆4950億円になったというもの。
最近は個人的にセミナーなどで毎回この対外資産の話を為替に絡めて取り上げて来た経緯がある。先週末の名古屋でも取り上げた。その新しいデータが出た。主に円高の影響で前年比で5.5%減少したものの、それでも前年(2009年末)に次ぐ過去2番目の規模となった。世界最大の債権国で、そのトップを20年連続で維持となった模様。模様というのは、2位が中国なのだが、そのデータがまだ出ていないため。しかし前年の2位中国が約167兆円なので、抜かれることはない。ちなみに3位はドイツで前年の約118兆円から約114兆円となっている。
この資産の厚みに加え、経常収支の黒字が足元のドル円相場を支えている。その経常収支の大きな基盤が対外資産からもたらされる所得収支だが、先に発表された2010年のデータでは年間11兆6414億円となっていた。これでも3年連続の縮小の数字。昨年は貿易黒字が前年比倍近くに伸び約8兆円近かった。サービス収支は1兆5000億円ほどの赤字となるので差し引き経常収支は約17兆円の黒字となった。
大震災で日本の貿易黒字は雲散霧消し円安などとされ、その貿易収支だけ見ればナルホドというシナリオに乗りドル買いを仕掛けた人々よ。所得収支は無視するのデスカ。前年の所得収支の黒字は貿易黒字の2倍ほどあった。世界トップの対外資産に加え、経常収支の黒字。一方で米国は2009年のデータだが、対外純負債国すなわち世界最大の借金国。その総額は約314兆円。その中で毎年続いている経常収支の赤字。2010年は約4700億ドル(約38兆円)にのぼった。これでもリーマン前に比べ大幅に減った結果の数字(それだけ世界景気は悪化した・・・ともいえる)。
ユーロ圏で問題となっているのは、経常収支が赤字の中で過大な借金を抱えている国々。
今夜は米4月の新築住宅販売のデータが発表される。ユーロ圏のゴタゴタで先週末そして昨日と金ETFに資金流入が目立っている。ちょうど1年前に、ユーロが売られ(その反対側でドルが買われ)ドル高の中で金が上がったが、欧州系の保険会社と見られる買いがETFに大量に入った。無国籍通貨として金を認知し、資産に取り込む動きだった。
当時、ロイターのコラム「Insight」に「金価格、過去最高値更新の意味すること」と題して書いたのだが、小見出しは
○ドル相場を離れ金独自の動きに
○金ETFを通じた資金流入
○ソブリン・リスク上昇の中で「無国籍通貨=金」という選択
○ユーロ圏の防衛策、金市場は不信任
○高まる金の通貨性への認識、債券相場の転機
というものだった。構図は1年前と大きくは変っていない。
アメリカは長年個人の金保有が禁止されてたという文をどこかで読みましたが、そのタガが外れてもう一度見直され始めたということなんでしょう。上記の州は農業州ですし
また話が変わりますが、江草トレードですか。。。ヤクルトが欲しかった。。。江草と鬼崎の交換トレード 同一リーグ故無理なんですよね。。。