平成徒然草~つれづれなるままに日暮里~

酒とギャンブルとストレスの日々

試飲会

2010年10月16日 | Weblog
ようやく体調が少し良くなって、M酒店の試飲会に行く。
全国各県のひやおろし10銘柄を試飲。

やはりそれぞれに特徴がある。
違いは分かる。しかし、どれが旨いかと聞かれると困る。
結局は人それぞれの好みだ。

感覚として、違いを感じるのは甘味、酸味、鼻に抜けるフレーバー、喉から舌へと戻ってくるキックバックといったところか?
苦味を感じるものもある。
これだけ比較すると、特徴が少ないものは平板に映るが、平板と言っても水に近いか、酒らしいかといった違いがあるのではないかと思う。

少量ずつ飲み、順番を変えて飲んでも、3巡目ともなると比較するのが少々覚束無くなる。
次第に頭の中がこんがらがってきた。
ウイスキーは舌に含んだときにチリチリしてキックバックのフレーバーがいいが、酒は返しの方が舌がチリチリするようだな、などと思い始め、思考が怪しくなる。

結局、ベスト3としては、山形、長野、新潟の酒を上げたが、試飲に訪れていた人たちの話を聞く限りは、新潟の酒は評判が良くない。
越乃寒梅や雪中梅などが持て囃されていた時期があったので、その反動ではないかと思う。
もっとも、こういうところに集うような酒飲みである。一般的ではない旨い酒を探し当てたいという魂胆がないとは言えないだろう。

もっと言えば、この酒はどんな肴に合う、というところまで考えるとベスト3という言い方自体正しいはずがない。
前回、オータ教授の本のことを書いたが、「各酒に合う肴をカッコ内に記せ」などという設問があったとすれば、またさらに想像が膨らんで、よりファンタジックな試飲会になっただろう。
もちろん洒落で、つれ日としては、そこまでするワインアドバイザーのような飲み手にはなりたくない。

難しい試飲の中から上記3県の酒を選んだのは、もちろん只の個人的な好みだが、しかし他にも何か理由がありそうで、思いつくこととしたら、それらの県人のDNAを実は持っているのではないかということだ。
あながち間違っていないような気がするが、どうだろう。

再び酒場ガイドの真実

2010年10月05日 | 酒場
今年の夏は、真夏日の日数が過去最高を記録したとか、とにかくたいへんに暑かった。とうとう8月後半に入って体調を崩してしまい、未だに本調子に戻らない。

9月もかなり暑かったのだが、雨も多く、急激な気温の変化が何度もあって崩してしまった体調が元に戻る間もなく、風邪までひいてしまって散々だった。
そういうわけで、又ひと月以上、ブログの更新が滞ってしまった。

熱中症で倒れる人の数も今年は半端じゃないので要注意、というアナウンスも始終聞こえてきたので、その間は医者通い以外に外出することは少なかった。そういうわけで酒場に通うことも減ってしまったわけだが、飲みに出ない日は家で酒場ガイドを読んでいた。

今回紹介する2冊は、「オータ教授の居酒屋ゼミナール」と「吉田類の酒場放浪記2杯目」。
つれ日でもお馴染み、居酒屋と言えばこの人、というべき太田和彦氏と吉田類氏の本。

とはいえ、執筆しているのは、当人たちではない。というところはまずはっきりしておきたい。

「オータ教授の―」は、タイトルにゼミナールとあるように、「居酒屋ではこうあるべき」という客としてのマナーの基本中の基本を語るもの。オータ氏が3人の若者(女2、男1)と対話しながら「居酒屋五カ条」を教えていく。理屈っぽいのが難点だが、酒場ガイドとしても使える。

あえてこの本は、理屈っぽさは多分にシャレであると思える人におすすめしたい。相当な酒場の体験者で、既に何軒か出入り禁止になったことがある人には当たり前のことが書かれている。
はっきり言ってしまうと全編洒落で、ゼミナールの修了試験では、最後に俳句を詠ませる。

「吉田類の酒場放浪記―」は、同名のテレビ番組で紹介した店のガイドブックで、2杯目とあるようにその第2弾。
テレビ映像での酒場の雰囲気が、文章でも結構うまく伝わってくる。放送を見逃した酒場もあるが、見ていた気にさせる。
番組最後に詠まれる吉田氏の俳句は、もちろん全店掲載されている。

つれ日では以前に、居酒屋を「太田系、吉田系」と分類したことがあるが、2冊読むとあらかた伝わってくるはず。
酒と肴とそのマッチングにかなりのこだわりを持つ太田氏の本の巻末グラビアは、爪楊枝片手にグイ呑みをあおるオヤジで、これなど本編とは見事に対極にあるキャリアの飲み手だろうとしか言いようがない。
「気分よく飲めればいいんじゃないか」と語りかけてくるような写真だ。

いい本を読むと、やはり酒場に出かけたくなる。というわけで、前回のブログ以降は、こんな店で飲みました。
小岩(JR南口)「一力」(カウンターのもつ焼き屋。キリン秋味に煮込みとガツ刺しで疲労回復。もつ焼き1本90円)
小岩(JR北口)「立呑み処 くら」(オールスタンディング現金払い。1000円で1050円分のチケットを買うとお得。マグロの刺身をつまみに酎ハイ。店内にとても古い雑誌があって刺激された)
東京(八重洲北口)「やきとり博多手一本」(博多でとりあえずの定番という酢もつにホッピー。東京駅の近くでホッピー500円、中200円。串焼き、すじ煮込みもいい)
野方「おがわ屋」(安くておいしい生姜焼き丼にアサヒスタイニーのスッキリ感がなんともいえん)
野方「すっぴん酒場」(カウンターで立ち飲みの店。サッポロラガーから黒ホッピー。レバ刺しや串焼きがおいしい)
三ノ輪「ドラゴンファウンテンカズン」(エビスの黒生=エビススタウトクリーミートップを飲む)
三ノ輪「まんてん」(アサヒスーパードライにすじ煮込み。BGMが昭和風の店内に合わないのが残念)