人の集まるところ

断酒会って、何なのだろう。お酒を止めたい人が集まるところ――っていうのは、安直に過ぎる――そのまんまじゃん、っていう感じ。
私が行っているのは、入院していた病院がやっている、アルコールリハビリテーションプログラム、というヤツ。
これは、保険適応で、若干費用がかかる。
だから、断酒会というのも、何かのお金集めの団体なのかとも思ったりした。でもどうやら違うらしい。
断酒会によっては、神がどうしたとか、一種の新興宗教っぽいお話も出てくるのだけれど、これも宗教とは一線を画しているようだ、ということが分かってきた……実際に宗教がらみの所もあるようだけれど……集まるのがキリスト系の教会だったり。
でも考えてみれば、お金になって怪しい宗教を布教できるのなら、もっと怪しい団体がいっぱい有るはずだとも思う。
実際、社会生活からはみ出しちゃったアル中を更正させるなんて、よほどの物好きじゃなくちゃ出来ない、とも思っている。
ホントの所、せっかくお酒を止めさせて、仕事も世話して立ち直ったと思ったら、また飲んで姿をくらませる、なんて日常だし。
実際、断酒会を支えているのは、自分も「底つき」を経験して立ち直った人達だったりする。
社会生活から抜け落ちた人に、立ち直れることを教えることが出来るのは、同じような経験をしてきた人だけなのかもしれません。医者にはわからないだろうなぁ――予断だが、アル中で死んだ精神科の医者を知っています。
アル中っていうのは、誰でもなるものなんですね。そういえば薬中で捕まる医者も時々いるよね。医者なら薬なんか、どうにでもなるんじゃないかと思うのだけれど、そうでもないらしい……
それはそれとして、断酒会というものも、そこは人の集まるところ、しかも一癖も二癖もあるような人が集まってる。
だから、病院以外の断酒会にはなかなか足が伸びない。病院の断酒会にも時々、他の断酒会の人が来てお話していくんですが、皆様なかなか雰囲気のある、というか、正直率先してお友達になりたいとは思わない感じの人が多いです。それがますます、断酒会に行きづらくなっている部分かな。
ま、断酒して半年以上経ってるし、そろそろちょろっとのぞいて見てもいいかな、とは思っているのですが……
個人的に人の集まりは嫌いです。それがために、一人で出来る仕事を選んだわけだし。今の病院の断酒会が居心地良過ぎるのかな。まあ、行ってみて雰囲気が嫌だったら、行くのを止めればいいだけだもんね。
ま、行ったとしても、中でのお話は、他言できないお約束なので――これ基本です――ここじゃ書けないんですけれどね。
いやホント、先輩方のお話は、面白いんですよ。ああ、お話し出来ないのがうらめしい！
私の断酒が続いているのは、病院の断酒会に行っているから、他には色々と自分自身を省みる――それも断酒会で聞いた話しが参考になっています――ことがプラスになっているかな。
断酒会に頼らずに自分で断酒しようとしている人もいるみたいですが、辛いと思いますよ。
仲間、というほどのものじゃないけれど、ぶっちゃけたお話が出来る知り合いがいるのは心強いです。
時々スリップする人がいるけれど、それでも来ていいんだ。っていうことを知るだけでも、気持ちが楽になる。