モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

ユキツバキ咲く白木峠へ。(2018年5月16日)

2020年05月01日 | 西和賀・女神山

本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。

白木峠なんて言ってもご存じないと思うが、
岩手秋田県境にある高さ602mの低山(「白木山」とも言う)で古い峠道が走っている。
今回は岩手県側(西和賀町)から登っているが、カテゴリー上は「秋田県南の山」に含めさせて頂いた。

岩手県側の登山口(案内板付近)




案内板




今回歩いたコースは赤い破線。
 


白木峠は、以前の山と渓谷社・刊、新分県登山ガイド「岩手県の山」にも載っていた。
変哲の無い里山だろうと思っていたが、当時、盛んと登山情報を仕入れていた
東北の山岳関係fbグループにも幾つか投稿があり、意外に花も豊富で眺めも良いとのこと。
しかもユキツバキに関しては、
国内でも屈指の群生地と聞き、今回の訪問となった。
春の低山はカタクリやシラネアオイなど草花を目当てに歩くことが多いが、
木の花、ユキツバキを見るのも一興かなと思った。 

ユキツバキ



 


峠道を歩き出してほどなく、それは咲いていた。
とにかく量が多い。場所によっては椿のトンネルになっていた。









ユキツバキの落花                                                                                          ヒメアオキ(実) 

 




更に進むと、気持ちの良いミズナラ林に変わる。
 

                                                                                                            一本杉
 


ここの一本杉はとても立派だった。

この杉の少し手前、左側にミズバショウが群生する湿原が現れる。
少し盛りを過ぎていたが、それはみごとな群生。



草花は・・・



濃色のスミレサイシン。


カタクリやキクザキイチゲなどのスプリングエフェメラルは盛りを過ぎていた。

オトメエンゴサク(エゾエンゴサク)?とカタクリ



オトメエンゴサク(エゾエンゴサク)?   

 


ここでオトメエンゴサク(エゾエンゴサク)?について、ひとくさり。
北東北で見られるエゾエンゴサクについては、2010年頃に気づいたのだが、
オトメエンゴサク Corydalis fukuharae と呼ぶ傾向があった。
私自身、北海道に野生しているエゾエンゴサクをこの目で見たわけではないが、
以前から北東北のものとは違う印象を抱いていた。
偶々、いがりまさしさんのホームページを見たところ、
北東北のものをオトメエンゴサクとしていたことから、私自身もその仰せに従い、
ここ数年はオトメエンゴサクと呼んでいた。
ところが昨年(2019年)、或る方から、以下(『』内)のようなご指摘を頂いた。


『1996年にLide`nが本州のエゾエンゴサクをオトメエンゴサクとして新種としました。
タイプ標本は山内村黒沢(現在の横手市)のものです。
しかし、このオトメエンゴサクについては多くの疑問点があり、
大仙市の沖田氏が北海道産のものと秋田県産のものを花の形態、蜜腺の形態、距の形態について調べました。
その結果は明確に区別できなかったことを秋田自然史研究に2015年に発表しています。
望月陸夫氏の植物分布図(2017年)でもエゾエンゴサクとなっています。
以上のことからエゾエンゴサクとした方が適切かと思います。いかがでしょうか。』


更に「山渓ハンディ図鑑2、増補改訂新版 山に咲く花 DNA分類体系準拠」と
「平凡社、日本の野生植物(APG3-4対応)」を見たところ、
北東北のものもエゾエンゴサクに含める(オトメエンゴサクを認めない)立場だった。
私自身、植物学者でもないので、どちらとも言えず、いまだに迷っている。
その結果、2019年以降はオトメエンゴサク(エゾエンゴサク)?などという曖昧な表現にしている。

なお白木峠はオトメエンゴサクのタイプ標本が見つかった
山内村黒沢(現在の横手市)そのものなので、今回、あえてこの話をさせて頂いた。


オトメエンゴサク(エゾエンゴサク)? 赤味の強いタイプ。                         ミヤマスミレの斑入りタイプ 

 


ミヤマスミレの斑入りタイプ



スギ林を抜けたら、峠の頂上だった。

白木峠頂上



天気はよく晴れていたが、低空にはカスミが立ち込め、遠くの景色はよく見えない。

このカスミ、実は四月中旬からずっと居座っている。
正体はシベリアの森林火災由来のpm2.5のようだが、こんなに長く続くとは驚きだ。 

西側(横手方面)を望む。カスミが無ければ真っ白な鳥海山が見える筈だが・・・。

 


南西方向には南郷岳、大日向山の重なり。



南東方向の眺め。
南東方向には三森山や焼石岳、南には栗駒山などが見える筈だが、今日は視程が悪く、さっぱりだった。



この後、女神山を訪ねた帰り道、視程がやや回復。
県境(国道107号線)から三森山だけは見ることが出来た。 

県境(国道107号線)から見た三森山


この日はこの後、女神山に向かった。

新緑の女神山」へ続く。

 


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