2月6日(土)・7日(日)に、新城市中心部のかつてのにぎわいの様子を写真展示した
「新城中部 今昔物語」が開催された。主催は、しんしろ城下町の会。
昭和30年代頃の、新城駅前のにぎわいが伝わってくる。
駅前には運送会社の日通の事務所があり、地元資本が経営するレストランがあり、劇場もあった。
また、旧151号線は銀座通りと呼ばれ、各種商店がひしめき合うように軒を連ね、
現在、本町にある東海典礼の葬儀場には、映画館があった。
ともするとこうした展示は、「昔は良かった」と後ろ向きになってしまいがちだが、
この「にぎわい」というところに、この新城中部地区、すなわち新城自治区の地域ビジョンがある。
主催者であるしんしろ城下町の会は、平成24年度に「新城中部地区計画」を策定している。
その際に掲げたキャッチフレーズが、「新城城下に華やかさと賑わいを!」というものである。
http://www.city.shinshiro.lg.jp/index.cfm/7,32144,c,html/32144/20131210-190540.pdf
また、平成26年度の「新城大茶話会2014」におけるアンケートでは、
将来への不安や課題に対し、「子どもが少ない」「若い人が少ない」「商店がなくなってきた」と、
かつての「にぎわい」が失われつつあることを危惧する声が多い。
一方で、中部地区に暮らし続けたい理由として「便利」「不自由なく暮らせる」などの回答がみられる。
http://www.city.shinshiro.lg.jp/index.cfm/7,32144,c,html/32144/20141202-095305.pdf
市でも、平成20年度に「都市計画マスタープラン」を立てており、
そこで、新城地域の将来像として「生活利便性の高いまち、人が集う賑わいあるまち」と掲げている。
そして、その実現に向けて、定住促進や利便性向上をはかるインフラ整備を方針として定めている。
http://www.city.shinshiro.lg.jp/index.cfm/7,32144,c,html/32144/20131210-183023.pdf
この「にぎわい」をいかに維持していくのかが、今後の新城自治区のカギとなると考える。
かつては、山湊馬浪とうたわれたように、にぎわいの源は商業であった。
しかし、郊外にバイパスが整備され、商業の中心がそちらにシフトしていく中で、
これまでとは異なる視点での「にぎわい」をいかに創出していくか。
先のアンケートにて、新城中部地区に暮らし続けたいと、77%の方が答えている。
その理由の中には、「生まれ育ったまちだから」、「地区の人柄が好き」との答えがある。
これまで同様に人とのつながりを大事にし、住みたいと思う人が住める場所を確保する、
このあたりが重点課題になってくるのではないだろうか。