久しぶりに落語を聴きに、岡崎へ。
演者は、立川談笑。
生で聴くのは初めて。
以前、レンタルCDで「イラサリマケー」という噺を聴き、大爆笑した覚えがある。
談笑が得意とするのは、こうした古典落語をベースにして、そこに独自のスパイスを効かせるネタだ。
これがよく効く。
今日の仲入り前の一席も、そんなスパイスたっぷりのネタだった。
前座噺として知られる「金明竹」の津軽弁バージョン。
オリジナルは上方なまりだが、津軽弁だとこんなにもオモシロくなるのかと。
仲入り後の2席目のネタも期待したのだが、これがちょっと……。
演じたのは、人情噺の名作「芝浜」。
以前に、CDで同じく人情噺の名作「紺屋高尾」の談笑版、
「ジーンズ屋ようこたん」というネタを聴いたことがあるが、
そのとき受けた感覚と同じような感じ。
やはり、スパイスはスパイスであって、素材の味を消してしまっては、元も子もない。
ちょっと残念。
名作と呼ばれる人情噺に、新たな解釈を加えるのは難しいなと感じつつ、
談笑の師匠の談志は、三代目桂三木助によって完成されたといわれる芝浜に、
異なる解釈で演じてみせて、2007年の伝説の高座を生み出したのだから、やっぱりスゴイ。
で、結局、この日の一番の収穫は、談笑ではなく、この人。
講談師 神田松之丞
しばらく、この人に注目していきたい。