「すごい北欧家具の店がある」
いつもドイツでの研修でお世話になっているN社長からご紹介いただき、
GWの半ばに、高山市にあるキタニ本社を訪れた。
キタニ
高山市内から少し離れた山里にある本社敷地内には、
家具の彫刻家と呼ばれたフィン・ユールの自宅が再現されている。
残雪が残る連峰を臨むように設計したくなりそうだが、生活を優先すれば西向きが必然となるそうだ。
予約をすれば見学も可能。コンサートなども時々開催されている。
本社ショールーム内で、一番目に留まったのがこの部屋。
北欧家具と「和」が、これほど合うとは。
N社長曰く「この部屋をそのまま欲しい!」と。
同感。
キタニの竹淵会長から約2時間、丁寧な説明をいただいた。
キタニの歴史、キタニの思想、
家具に対する想い、仕事に対する情熱がひしひしと伝わってきた。
上記の写真
ショールーム内で紅茶をいただいたのだが、
テーブル、ソファ、カーペットの総額を頭に浮かべると、
ロイヤルコペンハーゲンのティーカップを持つ手も震える……。
ハンス・J・ウエグナーの名作、ベアチェア。
「このイス、おかけになられました?」と会長から尋ねられる。
恐れ多くてためらっていると、「せっかくですからぜひぜひ」と勧められる。
圧巻の座り心地。
単にデザインが良いだけでなく、椅子としての機能がきちんと備わっている。
問題があるとすれば、座り心地が良すぎて、立ち上がりたくなくなることだろうか。
このイス、実はいま令和元年記念として、オークションに出されている。
そのスタート価格、なんと2,800,000円!
ここ数年、ベアチェアの価格はどんどん上がっているそうだ。
北欧では、経年で価値が下がるのではなく、上がる。家具も建物も。
本物のものづくりに徹している証である。
無論、それだけの値段も当然するわけで、気軽に購入できるわけではないが、
せめて、その北欧家具の精神が反映されたキタニオリジナル家具を、
いつか購入できるように精進したい。