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「夜の街関係」にモヤモヤ ホストクラブは責めるが風俗は放置という現実

2020年07月28日 | 社会・経済

連載「おんなの話はありがたい」

  AERAdot北原みのり2020.7.28

    作家・北原みのり氏の連載「おんなの話はありがたい」。今回は、新型コロナウイルスの感染が再び拡大する中でよく耳にする「夜の街関係」という言葉について。その言葉が覆い隠す現実に、もやもやするという。

*  *  *

    “いわゆる夜の街関係”。ここ数週間で、一日何度も見聞きする言葉になっているが、何度聞いてもなじめず、違和感は日増しに大きくなる。このもやもやを、ここでいったん、整理したい。

 そもそもこの言葉が出てきたのは、緊急事態宣言解除後の感染者に「接待を伴う飲食店の従業員や客」が多くを占めていたことからだ。ホストクラブが名指しされ、フツーの人とは関係ない “別世界”を強調するために作られた言葉のようだった。案の定、水商売に対する差別だ!という批判もおきている。そりゃごもっともよ……と思いつつ、ちょっと待った。そもそも、1日300人を超える感染者を出している東京で、「夜の街が問題」とか「夜の街のせいにするな」とか、そんなやりとりをしている現実こそがモヤモヤの原因でもある。

 いったいCOVID‐19関連で、これほど「夜の街」がここまで騒がれる国は、ほかにあるのだろうか。そもそも「接待を伴う飲食店」は、コロナ前もコロナ後も、非常に日本的なものだ。女性を隣に座らせ、お酒をつがせ、男たちの絆を深めるホモソーシャルな社交の場が商談や密談の場になっていることも、そしてそれが一般的なサラリーマン男性(職種を問わず、地位を問わず、国会議員であろうがなかろうが)の日常的な夜の習慣であり、「あるのが当たり前」であるらしいことが、コロナが暴いた日本のリアルだ。海外の友人が「日本のサラリーマンって、仕事帰りに風俗やキャバクラに行くのか!」と驚いていたが、「驚かれるようなこと」なのだと思う。

 この原稿を記している最中、NHKのニュースが流れてきた。7月27日、港区では六本木の高級クラブで男性を接待する際のアドバイスを感染対策の専門家を招いて行い、その動画を区のホームページで公開するという。動画では食べる時はセンスで口を隠すなど、高級クラブ“らしい”仕草を提案していた。これは本当に今、税金を使って、そして区のHPで公開するようなことなのだろうか。

シングルマザーの女友だちは、「大切なことが、昼の会議ではなく、夜の街で男たちで決まる」と嘆いていた。50年前の話ではなく、少し前、のことだ。マスコミ勤務の男性の友人は、「いまだに地方に行くと接待で風俗の誘いを受ける」と言っているが、これも100年前の話ではなく、今、のことだ。先日、若い力士が女性に接待される店に仲間と遊びに行ったと報道され休場したが、力士、というより20代の男性でも今はキャバクラに行く時代なのだということを突きつけられた。

 もう一つのもやもやは、接待を伴う飲食を非難する一方で、“性的サービスを伴う接待”である性産業に関しては、ほぼ放置ということだ。海外の報道をみていると、オランダやドイツなど、セックス・トレードを合法化している国は、政府が営業を止めている。飲食店やマッサージ店が営業を開始している中、なぜ性産業は営業できないのか、コロナを機につぶそうとしているのではないか?という議論が今、起き始めている。

 日本の場合は、“性的サービスを伴う”業種で店舗を持たないデリヘルなどは、緊急事態宣言中も営業を続けていた。デリヘルのホームページをみると「清楚な現役女子大生、お貸しします」という広告で、18歳、19歳、という年齢を表示した女性たちが「貸し出され」「売られている」のが分かる。男性の需要には超寛大な一方、働く女性を守る法律はない。自己責任でコロナ対策し、自己責任で性感染症も、妊娠も、さまざまな危険から身を守らなければならない。

 性産業に関しては、ジェンダー平等が国策になっている北欧諸国にならい、性産業の需要自体を少なくするための取り組みが主流になっている。それは日本の現実とは真逆の方向である。

「夜の街」という言葉から見えない現実がある。「夜の街」という言葉からすら、はじかれる女性たちがいる。自分なりのもやもやは整理はできたが、さらにもやもやは深まる。

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表


 ミニトマトを収穫する際、膝を深く曲げられないのでスクワット状態。散歩は取りやめた。

 セミが転がっていた。羽にクモの巣のようなものが付着して先端が折れている。まっすぐに伸ばしてやって草の上に置いた。


 昨日はシマリスが道路の真ん中で死んでいた。



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