また餓死者が出た。２８歳の若いお母さんと３歳の幼子だ。２００７年「おにぎりが食べたい」日記に残し餓死した事件は、この「豊かな」日本で、「なぜ」と大きな反響を起こした。難民でも戦地でもない、「平和で豊か」な日本で起きた事件だった。
それから餓死事件はあとを絶たない。なぜSOSを発信しない？「他人に迷惑を掛けられない」、それ以前の問題があるように思う。他人を信じることができない。分断された社会のなかで他人は他人であり、助けを求める相手ではないのかもしれない。助けを求めるのは行政しかないのかもしれない。しかし、その行政も水際作戦で「申請」はきわめて困難だ。
人を人として認めること。対等な人として接する事。先ず私たちが、私たちの周りから、このような社会を築いていかなければ人は変わらないし、社会も変わらないだろう。人を信じることができる社会にするために、隔離、分断、競争社会に立ち向かい、われわれの和を築かなければならない。