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1985年の奇跡

2006年11月03日 | 本・雑誌
ブックオフで購入
1985年を舞台に、ダメ野球部が超高校級のエースを得て輝きを放つ… という、「がんばれ!ベアーズ」タイプの話。
高校があるのは吉祥寺、ストーリーには直接関係しないが、重要な役目を果たすのがおニャン子、その他当時の
流行のフレーズがあちこちに散りばめられ、主人公たちと同世代の自分は一気に引き込まれてしまった。
当時の知識がある人・当時の感覚を再体験したい人・あるいは全然知らない人、それぞれがそれぞれの視点から
楽しめるのではないかと思う。

主人公たちは、練習を早々に切り上げて「夕ニャン」を見るのが至上の楽しみなのだが、自分の記憶をさかのぼると、
'85年4月スタートの「夕ニャン」に、物語のスタート時である5月以前から注目していた者は、クラスにはあまりいなかった。
「セーラー服を~」のほうが圧倒的に知られているが、“世間”というものに本格的に認知され、盛り上がりを見せるのは、
時期としてはセカンドシングルの「およしになってTEACHER」以降だったように思う。もうちょい早かったか。
主人公たちはそれなりに早くからチェックしていたわけだ。
山本スーザン久美子という名前が早く出すぎなのではないか、など時系列的にちょっとおかしいと思える箇所があったりするが、
「なんとなくクリスタル」的に、当時の流行・風俗をカタログのようにあちこちに織り交ぜる、というのがこの作品の
目的の一つなのだろうし、読む側もそれを見つけるのが楽しいのだから、そんなことはどうでもいいのだ。
ネタバレになるのでボカして言うが、個人的にはあそこでスパッと終わったほうが、余韻が残ったのではないかなあ。

この話は野球部がテーマだったが、今ほど対ヲタに特化せず、萌えだけをターゲットにしたアニメがあったわけでもなく、
一方では「OVA」(オリジナルビデオアニメ。バンダイエモーションが作った「ダロス」は'83年、「メガゾーン23」は'85年など)
というものがいくつか生まれたりもしていた、当時のアニヲタをテーマにした物語も読んでみたいと思った。


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1 コメント

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読書が追い付かない秋 (如月 流雪)
2006-11-05 17:22:20
 五十\嵐氏の作品も振り幅がとても広いですね。

ミステリ&ホラー畑の読者が多いは思いますが、

世の中の認識としてはどうなのかわかりません。

 本作については全く同感であります。

一部で的外れな批評も眼にしましたが、

年数の粗齬なんてどうでも良いのです。

懐かしもの探しを楽しめれば良いです。

過去を振り返る意味では『ラン&ランド』シリーズに通ずる魅力があるかと。

YMOに特化した楽しみを得たい人には迷わず『浦賀和宏殺人事件』ですね。
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