磐越西線・只見線で蒸気と583系を追いまわす２ C11の映る水田

只見線は会津若松を出ると大きくU字を描いて途中の西若松で会津鉄道を分けて会津坂下へ向かいます。そこで、会津若松からまっすぐ突き切ると、U字の反対側へショートカットすることが可能です。
新鶴駅手前の小川の土手からは、田圃の築堤を直線でじわりと登ってくる列車が撮影可能な煙期待ポイントです。ナビを頼りに現地に着くとすでに10名ほどがスタンバイされていますが、まだまだ撮影場所には余裕があります。手早くセットしていると、植えられたばかりの濁った田圃ですが、風もなく築堤がきれいに映っています。空や周囲の山は曇ってだめなので、水鏡アングルとすることにして列車を待ちました。
会津高田駅を出発するあたりから汽笛の音は聞こえてきますがなかなか姿を見せません。しばらく待っていると煙が近づいて来るのがわかるようになり、坂にかかるだいぶ手前からSLは期待通りの煙をあげながらゆっくりと近づいてきました。しかし、少し早めからの煙だったため、皆が待ち受けるポイントまで煙が持つかわかりません。すると、並んで構えていた方の一人がカラフルな傘を広げて振り回し、「ここで撮っているよ！」と猛アピールを始めました。その効果があってかどうかはわかりませんが、それなりに煙を残して撮影ポイントまでやってきました。非常にゆっくりした速度で、自転車でも併走できそうなぐらいですが、その分じっくり通過を堪能することができました。
もう少し側面からとらえれば3両目の最後まできっちり映ったのでしょうが、初挑戦でこれだけ映れば上出来です。煙もきっちり映っており、撮影の滑り出しとしてはとても順調でした。

待っている間に、ご一緒した撮影者の方とお話していると、やはり地域柄から原発の話題になりますが、福島県東部（中通り）から来られた方もおられ、時間当たりの放射線量がこのあたりは幾等と教えてくれました（自分の住んでいるところはもっと高いんだと苦笑いされていましたが）。そんな話を聞きながら、植えられた稲がしっかり育ってお米として我々の所まで届いてくれるようにと願いながら植えられたばかりの苗を入れて撮影した1枚でした。

気に入ったので今回はちょっと大きめサイズで。

2011.05.21. 09:38 根岸 - 新鶴 9425レ
Nikon D700 AiAF NIKKOR ED 28-70/2.8D PL