近鉄線で急行運用につく京都市交通局10系初期型車を撮る

最近はたまに近鉄線も含めた私鉄も撮るようになりました。記事には出していないものもいくつか溜まって来ています。
近鉄に関しては、特急の塗装変更が進んでおり、子供のころから慣れ親しんだ塗装がそのうち消滅の危機という事もあり、撮影する気になってきたのだと思います。

そんな消滅の危機のうちの一つが、近鉄線に乗り入れている京都市営地下鉄の車両（10系）です。まだ北大路と京都の間を行ったり来たりしていたころから長きに割って生活の脚としてお世話になっている車両ですが、近鉄と乗り入れるようになって車両バリエーションが増えたものの、開業以来変わらぬいでたちで現在も走っています。そんな10系も長いものは40年近くになって来ており、ついに新車導入の話が出てきたようです。置換えの対象は開業時から走る1次型と2次型の計10編成との事ですが、継続使用する3次型以降の車両は更新工事が施されていっているようです。

10系運用の中でも私が勝手に花形運用と位置付けているのは、奈良まで乗り入れる急行運用ですが、近鉄線の他の列車同様にオレンジの急行幕を掲げて日光を浴びてステンレスのボディー輝かせ走る姿は、なかなかいいものです。ところが、今後も走る10系はどんどん流行のLED幕化されており、従来の方向幕を撮りたければ、初期型車が走っているうちに撮らなければならないという状況になってきてしまいました。わざわざ撮りに行くのもというものでもあり、なんかのついでとか少し時間が開いた隙の天気が良い日に・・なんて考えているとどんどん日が過ぎて行ってしまいました。

1/13に3時間ほどぽっかり時間が空いたのですが、天気も良く、この機会に10系急行運用をとにかく1度狙ってみる事にしました。それほど注目もされていないため運用見たままの情報もありません。また、時刻表から推察するに急行運用は決まった編成がその日1日こなすのではなく、順繰りに回って行くようですので、撮り逃がしても待っていれば帰ってくるという事は期待できません。毎回毎回運試しの撮影になります。せめて3次型以降の出来れば幕車が来てくれればいいのですが、近鉄車両がやって来る可能性もあります。チャンスは1時間に1度。この日待てるのは2本だけです。

撮影地で展開すると良い天気。奈良行特急は順光の中、従来塗装の12200系で通過。幸先の良いスタートです。


ところが、しばらくすると大きな雲が接近したいように近づいてきてしまい、目的の列車の少し前にやって来る、橿原神宮前＋奈良行特急のあたりから日差しが消えてしまいました。せっかくの旧塗装コンビで「吉野連絡」副票付きだったのにかなりショックな結果。


そしてこのまま日差しがない状態で1本目の地下鉄から直通の急行奈良行の時間となってしまいました。遠く見える姿はステンレス（陽が当たっている・・）で、アタリだったのですが、振り返ってどう確認しても太陽が顔を出してくれる様子は無し。結局ドン曇りのまま通過となってしまいました。


やって来た車両は後期型。もちろん幕はLED化されています。初期型との大きな違いは正面の貫通扉窓の存在と、頭にヒサシがないつるっとした形状ですね。近鉄車両が来るよりははるかにましですが、残念な結果となりました。
気を取り直してもう1時間待つ事にします。だいぶ寒さがこたえてきますが、幸い列車の往来は多く時間はつぶせます。しばらくすると晴れてきて今度こそはと待ち構えます。すると、知人より8000系の3両編成で残った最後の2編成を連ねた（B78+B79）編成がやって来るとの報が入りました。8000系はまだたくさん残っているけど3両編成で走っているのはこれだけという事でかなり貴重な編成のようです。待っていると、晴れた中を急行天理行でやって来ました。私は全然詳しくないのですが、これもそれなりのネタのようです。


ところが、本命1本前の列車でまたもや曇り。大きな雲の端に太陽が呑み込まれたり這い出したりの攻防を始めています。2本続けて10系が来るとも思えず、天気もダメかと1時間待たずに帰ればよかったと思いつつ待っていると、列車が遠く見えてきました。今回は曇っており、どの車両がやって来たか遠目ではわかりませんでした。しかし、近づいてくると2本連続のアタリ。しかも、近づいてくるにつれ徐々に日射しが回復し、バリ順とはいかないまでも合格点の光線は降り注いでくれました。しかもやって来たのは初期型である2次型の最終編成！もちろん幕車です。ステンレスの車体をまぶしく輝かせて通過して行く姿を見送り、新年初撮りは満足して撤収する事が出来ました。

2018.01.13. 狛田 - 新祝園
Nikon D700 AF-S NIKKOR 70-200mm ED VR II/2.8D