エンド揃いの原色ロクヨン1000番台をオーソドックスに編成写真

6883レ撮影後は追っかけて北上しカット数を稼ぐのが常ですが、この日は北ほど晴天でこの先順光ポイントはあまりいところがない事、8084レに無事原色重連が充当されたことが判明し、本命に向けてじっくりと場所取りと決め込みます。
慌てて追いかける撮影者を見送りつつ、ゆっくりと後続のしなのまで撮影すると、目指すポイントへ。この日は雲の流れが速く、北アルプスが撮影時に雲隠れしないかいまいち読めません。アルプスバックで編成撮りとなると野尻駅発車が真っ先に浮かびますがベストポイントのキャパが極端に少なく、縦構図限定。しかも雲がかかれば撃沈です。雪山バックはあきらめ、編成撮り可能なお気に入りストレートへ向かいます。

この1週間後の6883レに原色コンビがそのまま入った際は相当な混みようだったようですが、この日は朝の天気が悪かった事や運転があるかどうかなど不確定要素が重なった事が幸いし、撮影者は想定範囲より少ない状態でしたが、それでも早く場所をとっておかなければ安心できません。通常は6883レ、8084レとも追いかけつつも最悪手持ちで何とか滑り込み撮影となる事が多いのですが、今回はそれでは撮れない可能性も考えられました。西線撮影では経験したことのない3時間前に現地着でしたが、最前列にはすでに置きゲバあり、2列目からアイレベルで場所をとり、流れる雲に一喜一憂しつつ、行き来する列車を撮りながらのんびりスタンバイ。
列車撮影のいいところの一つは、あくせく追いかけるのもそれはそれで良いのですが、自然の中でのんびり深呼吸をしながら日頃の心の汚れを洗い落としつつ列車を待つ時間にもあるように思います。気持ちよく過ごしつつ列車を待ちますが、周囲を見渡せばスギの木々は花粉満載で濃いオレンジ色。私は幸い花粉症はなく、このような環境にいくらいても平気ですが、花粉症の方は写真を見ただけで目がかゆくなりそうですね。

場所取りは5つほどでさらなる撮影者も現れず、時間が過ぎていきます。皆さん余裕があるとふんで追いかけコースを選択されたようで、列車通過20分ほど前から集まりだし、最終的に10名ちょっと。十分この場所でこなせる人数に収まりました。
通過時間が近づきますが雲がしっかり抜けるか怪しい状況。曇りも覚悟のなか、露出全開には程遠い状態でしたがなんとか光は差した状態を維持。ちょっとだけ入れた空も白ぽくなってしまいました。そんな中、時間になると奥のカーブから原色に塗り分けた釜が顔をだし、近づいてきます。塗装はまだまだキレイなほうですね。メインは全パン抜きで仕留めます。架線が思いのほか高めでパンタが良く伸びており存在感を出していいのですが、前パンを切らさないように構図を作るのには一苦労。前走りは電車ばかりであまり参考にならず、練習なしの一発勝負状態でしたが、何とか想定通りの構図で仕留める事が出来ました。13時が近いため太陽はかなり正面に回ってしまい、側面はぬるい状態。あと1時間早ければ完璧光線ですが、ここがそこまで混まないのはそういったことも関係しているかもしれません。でも十分順光写真です。3時間じっくり用意した甲斐があったというものです。

今回のメインが無事撮影でき、ホッと一息機材をかたずけると、木曽路での撮影は終了。たった2か所と、これまでとはスタイルを変え、どうしても押さえたいカットのみ集中の撮影行でした。

2019.02.16. 野尻 - 十二兼 8084レ
Nikon D700 AiAF NIKKOR ED 80-200/2.8D