12系・14系客車の東武譲渡甲種を撮る

東武鬼怒川線でJR各社の協力でかき集めたSL関連の資材を用いて短距離ではありますが、SL牽引列車が復活しようとしています。
機関車は一足先に北海道から現地へ搬送されましたが、新幹線共用が問題なのかなんなのか甲種輸送ではなく陸路＋航路での輸送となっていました。
一方のJR四国でしばらく眠っていた客車たちは鉄路で運ばれるとの情報が入ってきました。関西地区は臨時スジでおなじみの8862レのスジなので出勤前の朝練が可能です。

天気が良ければ3170レを以前よく写したかつての定番の踏切から仕事前に撮影したいと思っていたのですが、無情にも天気予報は雨。今回は国鉄色にお色直しされたPF2139号機が抜擢されるとあって、中の人たちも色々とネタを仕込んできてくれます。ところが、少し前からついていた広島公開PFのカンが外されて吹田へ送られてきました。こうなると滋賀県では北びわこ客車回送と瓜二つの列車となってしまいます。更新色PFの方がこちらではむしろ新鮮で興味をそそられます。雨濃厚で朝練のきつい秋分を過ぎた時期・・・撮影はパスの予定でした。ところが、出発前の四国の目撃情報から特製HMが付くとのこと。そうなるとまた話は別です。雨を考慮して駅で撮影する事にしました。

通過30分程前にホームへ入ると、先端の屋根のない部分に撮影者が群がっているほかは撮影者の姿は無し。ホーム米原よりで乗車口にならない位置に場所を決め列車を待ちます。雨脚は強く、まだまだ薄暗い状態であり、駅の灯りを期待しますがそれほど戦力にはなりません。ISOアゲアゲも仕方なし。D7200を選んで持ってきたのでD700よりはある程度マシになるでしょうが、とにかく記録写真と割り切って手持ちでスタンバイします。そのうちに吹き降りの豪雨になり、ホームで待つ人々も傘を差さないといけない状況になってしまいました。

荒天でしたが遅れることなくPFと分かるヘッドライトが見えてきました、お目当ての列車接近が確認できます。見送るだけも覚悟したのですが、奇跡的に通過数分前から雨脚が弱まりISO 2500で何とか撮影しました。しかし、ヘッドライトでピンが迷うのを嫌って手持ちで簡易置きピンとした事もあり相当眠たい画になってしまいました。


とりあえず編成でおさえると、適当にパーツ撮り。まずはHM周辺を大きく撮影。四国から関東への列車だけに「瀬戸」をモチーフにしたデザイン選択はなるほどと思わせます。甲種輸送と漢字で書かれ、関係各所のロゴが下に小さく書かれています。編成自体は懐かしのムーンライト高知・松山ですが、HMがあるためパッと見はちょっと短いブルートレインです。HMの威力は大したものです。その後は通り過ぎる傷みの激しい車体を適当にスナップ。普段の北びわこ用客車と違い、優等列車として使われていた名残のカーテンが窓についています。


錆錆の状態からお化粧直しして本運転に備えるものと思われますが、願わくばパレオエキスプレスのような独自塗装ではなくて国鉄時代を忠実に再現した塗装で活躍して欲しいですね。今回6両のうち、何両が実際に使用されて、何両が部品取りとなるのかはわかりませんが、最低でも4両以上で走ってもらいたいですね。

最後はバックショットを撮影して終了。貫通路にもHMと同じステッカーが貼られている念の入れよう。関係各社の情熱が感じられる装飾でした。


日中のJR東海の線路を堂々と走る「客車列車」はまさかの復活劇であり今後もう二度とないのではないでしょうか。可能であれば、そんな東海地区で撮影したかったのですが、平日朝練で記録できただけでも良しとしなければいけませんね。

2016.09.29 近江八幡 8862レ
Nicon D7200 AiAF NIKKOR ED 28-70/2.8D