磐越西線・只見線で蒸気と583系を追いまわす6 只見川第１橋梁を見上げて撮る

せっかく会津若松まで戻ってきたのに空振りに終わってしまいましたが、次は再び只見線へ戻って復路の列車を迎え撃ちます。もともと、追いかけは難しいダイヤなので、一発勝負になります。そこで今回は数ある名撮影地の中でも、第１橋梁を目指すことにしました。午前中の俯瞰撮影が大変有名ですが、午後は対岸から撮影すると光線具合がよく、これまでの作例を見ていると、上り勾配であるようで煙が期待できる撮影地である事が何よりの決め手となりました。最近は、こちら側も有名になってきたとの事。狭い撮影地は混雑が予想されるため、少しでも早く現地に着いておきたいところです。

高速を経由して、数時間前に撮影した会津坂本駅を過ぎて奥へ向かいます。会津桧原駅を過ぎて、細い九十九折の道を下っていくと、長く伸びた縦列駐車が見えてきました。帰りの事を考え、速やかに離脱できるように方向転換したうえで、駐車列の先頭に加わり停めると急いでカメラを抱えて、撮影地へ急ぎます。ざっと数えて40台以上は停車しています。現地はどうなっているのだろうか…。不安に思いながら橋が見える現場に到着してみると列車通過の1時間ほど前にもかかわらず、誤って足を滑らせれば川まで転げ落ちてしまうような場所ですが、足場の悪い斜面にびっしり三脚が並び、カメラマンも待機しています。

それでも諦める訳にはいかないので、何とか隙間を見つけて、周囲に邪魔にならないか確認を行います。特に邪魔だとの声が上がらないため、この場所で開店準備をすることに決めた途端、普通列車が橋の左手からやってきたのであわてて手持ちで撮影を行いました。急な事だったため、左手前の岸の茂みが目立つ構図になってしまいました。しかし、水面は何とか水鏡になっており、本番でも期待できそうです。


列車が通り過ぎると準備再開。恐る恐る三脚を立ててみます。脚の長さを調整して何とかバランスを取って立てられました。続いてカメラを2台セット。ただでさえ安定が悪い場所ですが、根性で2台設置完了。1台は引いて水面を入れ、もう1台は橋をアップにしてみました。2台設置用のバーを購入してだいぶ経ちましたが、ようやく活躍の場を与えてやる事ができました。前列に並ぶ方に声をかけて撮影時の体勢を確認、画面に写りこまない事も確認し、あとは列車を待つばかりです。
そうする間にも次から次に撮影者が現れます。最終的には天然の雛壇（5段程度）になった10メートルほどの長さの川のほとりの土崖にざっと数えて60名程度は集まっていました。対岸の鉄塔からの俯瞰撮影地にもたくさんの人がゴマ粒の様に見えています。

列車の時間が近づくにつれ、川面に風が出てくるようになり、小波が立ち始めました。するとみるみるうちに水鏡が崩れてしまい回復の兆しがないため、望遠で橋を大きく入れていた方は水鏡を諦めて、列車が画面の中央にくるように構図を調整することにしました。列車の汽笛が聞こえて来るようになり、次第に近づいてくるのがわかりますが、列車は橋の右手から突然現れてくるため、露出の補正をしながらその時を集中して待ちます。

そして、ようやく列車が顔を出したのですが…、期待していた煙は目を凝らさなければわからないほど薄く、一同がっかりしながらシャッターを切ったのでした。
上り勾配じゃなかったの？



2011.05.21 15:16 会津宮下 - 会津桧原 9425レ
Nikon D700 ED AF NIKKOR 28-70/2.8D 70mm f6.3 1/800sec ISO 500（上）

2011.05.21 14:34 会津桧原 - 会津宮下
Nikon D700 ED AF NIKKOR 28-70/2.8D 70mm f7.1 1/640sec ISO 400（中）

2011.05.21 15:16 会津宮下 - 会津桧原 9425レ
Nikon D300 ED AF NIKKOR 80-200/2.8D 110mm f8.0 1/800sec ISO 400（下）