毛越寺庭園は極楽をイメージした有名な名園と言うことは聞いていました。天台宗は千日回峰行とか、密教的祈祷術とか激しい修業をする感じでした。毛越寺を拝観して少し感じが変わりました。奈良のお寺とは感じがずいぶん違うようです。この池を中心にした庭園は立派の一言。どんな庭師の方が設計施工したのかしら。奈良の都から呼ばれて工事をしたんだろうなあ、などと考えをめぐらせた一時でした。
毛越寺庭園の池に流れ込んでいる「鑓水」と言われる小川のほとりで、古式豊かな「曲水の宴」が開かれました。その一部始終を拝見させてもらいました。好天に恵まれ、大勢の方々が見守る中、厳かに、華やかに開かれました。平安の貴族はこのようなことをして日々を送っていたのかしら。雅楽をかなで、舞をまい見物客はウットリ。十二単の姫様はにこやかに、歌を作る先生?方は悠然とかまえ、助手を務める稚児さんはお行儀良く、完全に別世界でした。宮内庁から和歌や雅楽の専門家がきて古式豊かに執り行っていました。見学の観衆もそんなに多くなく、静かに見守っていました。お寺の境内とは思えない雅の世界でした。
千年前の奥州藤原一族は、本当に豊かだったんだなあ、と感心しました。平安の時代に都と同じようなことをしていたのかしら。中尊寺にしても、ここ毛越寺にしても立派の一言。当時の貴族の文化を体験させていただきました。