五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

五高記念館の建物と史料

2011-05-04 04:43:38 | 五高の歴史

5月3日憲法記念日の記念館



昨日五月二日であったか漱石のお孫さんが熊本を訪問して記念館を訪れたことが新聞紙上に掲載してあった。大学は学長が記念館を案内していらした。 

五高記念館の建造物や史料は熊本の文化遺産である。正門・本館・化学実験場及び新設の時の設計図面は国の重要文化財に指定されている。学内の一般公開の担当者として史料整理からその準備、開設に携わってきた者として、熊本の歴史観光の発信基地として発展して行くことを見極めてみたい。既に報告もしたと思うが五高記念館は昨年末博物館相当施設に指定されている。
 
日本の近代歴史を知る上でこの記念館は大切な存在で、嘉納治五郎、小泉八雲(ラフカジィオ・ハーン)夏目漱石等を始めとして歴史的に著名な人物が五高で教鞭を執り地域の文化発展に大きな影響を与えた。
 
五高の歴史は60余年であるが、校長は14名に及び各人ともそれぞれに個性豊かで、五高の生徒に「質実剛健・剛毅木訥」の教育精神を校風として多大の影響を与えている。

この建物は熊本の明治期の著名な建造物としての価値も大きい。建築物の遺構も多く残されているので、このことは明治の西洋建築のすばらしさをは伝えている。

建物の天井は高く館内にはもちろん冷暖房装置は設置されていない、しかし見学者は一端、館内に入れば柱がないこと、外から見えていた煙突も館内には見あたらない。その上冬期は外気より暖かく反対に夏季は涼しく、湿気、乾燥も殆ど感ぜられないことに驚かされるだろう。天井板が約5ミリ間隔の隙間を造って貼ってあることで、見学者は昔の空調の設備である事を知ることになる。この高い天井を支えている分厚い壁は五高の建造物の特徴であるし見る人を圧倒する。


記念館に所蔵されている大量の史料には一貫した解説資料は少ない。別の機会に紹介したい。
 
歴代校長の履歴書をはじめとして、記念館が所蔵している関係文書等の史料を出来る限り転載し調査確認して来た。五高の60余年に亙る関係史料を検討するだけでも明治以降の五高を中心とした日本の世情が伺われる。五高の建造物ともども後世に残したい史料である

五高記念館はこのようなことから熊本の歴史文化の情報発信地として後世に残して伝えて行きたい場所である。




5月3日の記念館