ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

オーロラのお針子~藤本玲未

2019-06-06 06:06:06 | 本の少し
 ☆☆☆☆

この歌集、私と波長があったのか、付箋つけた数の多いこと・・・。
なんと、28歌・・・・急いで、うつさなければ。

学校をサボってたべるナポリタン紙ナプキンが水でふやける
仲直りするよりははやく焼けるからホットケーキミックスひとつ
あたしすぐ死にたくなるから網棚の上でお願い寝かせておいて
点滴のそばに置かれたあじさいが僕の代りに月見をしてる
縁側で濃いめのカルピス飲み干した入道雲がゆっくりほぐれる
飴玉をガリッと嚙み砕くように終わりにしたい君をみる癖
真夜中の路上で売ってたとちおとめ「傷ものだからもってけ」と云うな
桜ふるお寺で飲んだ烏龍茶これとわたしが荷物のすべて
定食をひとりで食べてもう箸を噛んでもひとり なんでも出来る
曖昧な定規で君を測るとき「嫌いじゃない」が定点となる
人生ではじめて捨てたものに呼び寄せられ あした海へ行くだろう
人見知りだからといって抜け出した花見の席にきみはいなくて
あのひとのキャベツを剝いて心臓にふれそうになるお元気ですか
シャンパンの泡はきちんと上に行く ここまで来たら戻れないのか
あっ 恋の加速装置がショートした あなたのいない世界もきれい
ことばなら殺してくれることばなら愛してくれるあのひとが、 すき
いいことが起きたら強い風が吹くあなたのことがだいすきでした
燃えるとか燃えないとかがわからないポリ袋のなかの性欲
また雪が降り出しそうでこのひとと電話ボックスから出られない
ひそやかに頬ずりをしたわたしたち青く放電したらいっしょね
この愛をやまとことばで何という抱えるひざに蝶は止まらず
歩くときほどかれてゆくてのひらの自由がいつかさみしくなるの
保険証見当たらなくてあのひとが何線で帰るかも知らなくて
恋だって弱火のときがありまして各停でわたしを帰らせる
犬の真似するからみてて空はまだ灰色だからわたしをみてて
おめでとう花に降る雨やわらかな / そんなことより告白したい


普通の言葉を使いながら、優しい情緒感が堪らないです。

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