ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

金曜日の川柳~樋口由紀子・編著

2020-12-17 07:07:07 | 本の少し
 ☆☆☆☆☆
 
サラリーマン川柳しか出会わない私にとって、これだけまとめて川柳を目にするのは初めて。面白いです、落語のオチのようであり、はたまた哲学的です。短歌と違って、17文字、言葉少ない分尻切れ蜻蛉的でみなまで語らず、奥になにがあるのかさらに深く考させる部分が多く、哲学的に・・・・。
 
ああ川柳にはまりそう、もう一冊「はじめまして現代川柳」という本が手元にありますので、早速読み始めようと・・・。
 
全333句なので、その中で気になった川柳を書きとめておきます。
 
拾われる自信はあった桃太郎、ひとすじの春は障子の破れから、噛んであるから鉛筆は君のもの、寂しさに大根おろしをみんなすり、楽しいに決まっているさ曲がり角、炎天に出てみてみゝずそれつきり、この日閑か椿が雨を嚥んでいる、時々覗いてあげる古い井戸、雨ぞ降る渋谷新宿孤独あり、涙とは冷たきものよ耳へ落つ、どんな日になるのか靴の紐が切れ、わけあってバナナの川を持ち歩く、なんぼでもあるぞと滝の水は落ち、おや降って来ましたまでの立話、大雪のため初夢が送れてる、恋せよとうす桃色の花が咲く、菊貰う菊より美しいひとに、恋人と陶器売場で見る夕日、スタートライン棒一本ですぐ引ける、あぶらあげあるとあんしんしてしまう、つぶ餡のままで消えようかと思う、ほんものの息子は電話してこない、院長があかん言うてる独逸語で、闇ばかり見て来たじゃがいものかたち、犬小屋の中に入ってゆく鎖、蜘蛛の巣をかぶって猫はあらわれた、夕暮れのキリンの首や象の鼻、五十歳でしたつづいて天気予報、上燗屋ヘィへィへィとさからはず、こうすれば銀の楽器になる蛇口、なにもなき街  なにもなく風通る、転がったところに住みつく石一つ、父の部屋に父の平均台がある、平凡な孫の名前にホッとする、雪降れば雪雨降れば雨に濡れ、茹で玉子きれいにむいてから落し、人間を取ればおしゃれな地球なり、骨は拾うな  煙の方がぼくなんだ、男皆阿保に見えて売れ残り、命まで賭けた女てこれかいな、ペンギンに似ている昼という漢字、ついて来たはずのキリンが見当たらぬ・・・・・。
 
42句あります。
 
 
 

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