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気に入った歌集を読みすすめるのは、どれだけたのしいことか。
先週買った、今橋愛さんの「O脚の膝」、愛しむように読みました。
今橋愛さんは、ひらがなを多用し、行間を変えたり、字余りもかまわず、いっけん自由詩のようなものもある。
でもそのしゃべりコトバで語る歌は、自然で柔らかく、私のが目指す短歌と共通するところがある。
選んだ歌も多いが、特に気にいったのと分けときました。
◎
わかるとこに かぎおいといて ゆめですか わたしはわたし あなたのものだ
もちあげたりもどされたりするふとももがみえる せんぷうき 強でまわってる
ああこれをしっとというのかだとしたらどこにおけばいいのですか
たくさんのおんなのひとがいるなかでわたしをみつけてくれてありがとう
過去にだれともであわないでよ 若いきすしないでよ 今 産まれてきてよ
すうっとするためだけになめたあめだまのように生きていきそうこわいよ。
うすむらさきずっとみていたらそのようなおんなのひとになれるかもしれない
ゆれているうすむらさきがこんなにすべてのことをゆるしてくれる
やわらかくこころがゆれてるふりをして紅茶の味がわかりません
あのふゆに あのひととみた あの花は きれいだったな 甘やかされて
○
ゆめみても こいをしても ふかづめは いつもわたしとつながっている
おめんとか 具体的には日焼け止め へやをでることはなにかつけること
まいちゃんのたてぶえなめたさかいくん谷町線でぐうぐうねてた
けいたいを忘れた午後。 は だれからも肩をつかまれていない感覚
せつめいのつかないこころひとつありまよなかしめじのふさをさいている
こくごの本 そらでとなえる少女らに しあわせ ふつうの二倍あげて
らいとのした まだどきどきしていますきすするまでがいちばんきれい
よじはんにじてんしゃのぺだるゆるゆると こぐときのこころ とってもきれい
はっさくのすすけたの口にうす甘いいつかこういうかんじになりたい
うしろから みみにくちつけていいですか? 夕日のまえでね そうしてみたい
おもいでを どんどんすてていったので いまの ぼくは にもつがすくない
くつのなかに小石はいってあるくたび違和感があるが ぬぐときがない
とりにくのような せっけんつかってる わたしのくらしは えいがにならない
はやく このようなうた よみたいですな。
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