ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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色を求めて、ナオユキさん~繁昌亭昼席

2009-02-23 23:35:20 | 天満天神繁昌亭
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・繁昌亭・表看板・・・・・・・・・・・・・・・・・・

入場整理番号、140番と141番でしたが、席も開いており、
余裕で、1階のき列正面に坐れた。ほっとしていると、
そのとき、「何々さんここもあいてるで」、と大きな声。
四、五人の団体。・・・ちょっと、悪い予感を感じたのだが・・・・。


一、笑福亭鉄瓶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「平林」

おばちゃんが、ドアの閉まりかけの電車に無理やり乗込むマクラ
客席のおばちゃんたち、我事なのに、大うけ。

噺は、「平林」、読み違えるたび毎に、後ろのオッサン。
連れの方に「たいらばやしや」、「ひらりんや」
「いちはちじゅうのもくもくや」と説明。

誰も、クイズ番組に出てんのと、違いまっせ。
落語を聴きに、来てんのに。

鉄瓶さんには、悪いが、イライラしているまに終ってしまった。
今度、稲田観音落語会で、ゆうくり聴かせてもらいますわ。


二、桂歌之助・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸賽」

これも、狐が騙す、狸が騙すと歌之介さんが言うと
「狸や、狸や」と後ろから、大きな声。
それを言うなら「狸賽やろ」と思わず、心で突っ込む自分が情けない

歌之助さん、ええとこのぼんぼんみたいで、博打うちの匂いが無く
しゅとしすぎて、狸の化けたものより、狐の化けたみたい。

これもなんとなく終ってしまいました。


三、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「替り目」

良かったですな。

酔いっぷりといい、特に家に入ってからの奥さんとの絡みは絶品。
おっさん、奥さん、大好きなのが、ありありと。
怒られながら、会話を楽しんでいる。

おでんを買いに行かせてから、手を合わせ「カアチャンかんにんやで」
都んぼさん、この台詞を言いたさにこの噺、選んだのと違う。

この噺、噺家が若くても、充分楽しめるというのを実証した
都んぼさんの、「替り目」でした。


四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「漫談」

実は、今日は、ナオユキさん目当てに、嫁さんと繁昌亭に。

出てくるなり、客席が引いているのがわかる。
その凍った客を、あのナオユキさんのボソボソが溶かしていく。

くすっという笑が、ほんの微少ずつだが、増えていく。
まぁ、ほんの少しずつ。耳掻きに一匙ずつ。
この匙かげんがよろしいな。
「ははは」という大爆笑とは違う。「ふふふ」という笑。

最後には、全員、ナオユキさんの笑の虜に、ヤッタ。

不思議な芸風に。何故か、はまってしまう。
案外へそまがりの私。

まあ、嫁さんも喜んでいたので、ナオユキさんは我家公認ですな。

続報・・・・・・・・・・・・・・・・・・
火、水、木、と出張してましたので、遅れて申し訳ございません。

五、桂枝光・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「相撲場風景」

小つぶちゃんが、ふっくらと、中つぶちゃんに。
吉本芸人だけに、大きな声で、客席捉えるのが上手。

噺は、「相撲場風景」・
相撲とりは出てこず、実際出てくる客には、体つきは関係ないのに
笑福亭の体力勝負の「相撲場風景」を見慣れているだけに、
体つきからか、かわいく、小粒に見えしまう。

、客をみて、ネタを決めると言うが、
今日の客は、「どんなんて、こんなんて、あんなん。」
じょんじょろりん、じょんじょろりん、と、
おしっこ風景で、客を喜ばす。


番組の組み方から、客筋が反対に見えてくる。
各噺家が、演じるネタに注目ですな。


六、桂春若・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「京の茶漬」

なんとも、味のある高座。
客筋にそぐわない、地味な舞台。

でも、大トリの仁智さんが、創作落語をされるのが予想されるだけ
ましてや、今日の客席を見た時に、
あえてちょっとした気持の機微で描く
しっとり感のある「京の茶漬」を演じるのは
本当は、反骨精神の表れとみたが深読みし過ぎか。

わあわあと笑いの中で、ざわついていた客席を、
シャーベットのごとく、口直ししていただいた、一席でした。

仲入り


七、川上のぼる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「腹話術」

84才、すごいなぁ。年令でいう国宝が手で触れるよう。
小学生の時、テレビでみたそのままが身近でみれる。

今日は、人形は女の子の「さちこ」ちゃんが出ているが、
何度も、「ボウヤ」と声を掛けてしまう。

60年も、「ボウヤ」とやってきただけに、
自然に出てしまうのか、それをギャグにしたくての、
「さちこ」ちゃんの登場か。
高齢者の芸人さん、計算づくのボケなのか、自然の呆けなのか
わかりませんな。・・・・それが、豊醇な、まろやかさに。

芸を愛し続ける為の、大切な事は、
演じる方も、見る方も、「長生き」が一番の条件ですな。


八、林家花丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「千早振る」

着物の柄、良かったですな。
いやいや、落語そのものも、凄く良かったですな。

「千早振る」、喜い公が、それほどのボケでもなく、
甚兵衛さんも、年老いたというわけでも無く。

ただ、「千早太夫が振る、妹の神代太夫もいう事聞かず、
竜田川の関取、おからくれなくて、井戸に、水くぐる、とわ」
客席から、言われたら、台無しなので、要注意しながら・・
淡々とすすむ。

「百人一首」、「いや、五人一緒でしたで」
とか、随所にクスグリが入り、おもしろい。

「千早振る」、最初に福笑さんで、出合ったネタだけに、
奇想天外なのか、ベーシックなのか、基準が解らない、
この噺、いたってアレンジのし易い噺なのか。

でも、今日の「千早振る」。
着物の柄と同様、粋さが映える、花丸さんでした。


九、桂勢朝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「勘定板」

米朝師匠の話で、ひとしきり。
「80才ですが、虫歯一本もありません。」
「総入れ歯です」とか、

米団冶さんの襲名公演に、各地に口上だけ出演。
昨日は金沢、今日は、岡山、明日は松山と。
飛行機と車であちらこちらの会場ヘ。

忙しすぎて、楽屋で、米朝師匠「ここは、どこや」と。
すると、前のおばはんが、「呆けとんのやろ」と大きな声。
まぁ、しゃれの、わからんお方。

再三のチャチャに、勢朝さん、「うるさい、静かにせい」と
・・・そのあと「思わず言ってしまいました。」と反省の言葉も
続けて言っていましたが、イライラが爆発。

噺は「勘定板」、まさに、今日の客に合わせた、
「くそくらえ」という選択か。


十、笑福亭仁智・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「源太と兄貴」

仁智師匠も、マクラを言うと、前のおばはん「そらないやろ」と
ツッコミ。「やりにくいなふぁ」と仁智師匠もにが笑い。

噺は名作、「源太と兄貴」。頭に残っているのは、
兄貴の「源太ぁ・・どないなっとんや」のフレーズのみ

「はと」、「ぞろ目」「かねがある」など、源太の失敗談が続く。
その他、豊富あった噺は、四日も経てば、思いだせない。
ああ、ボケが、始まっている。

「ごまめ・・どないなっとんや」。

昼席は、でもおもしろいですな。
開口一番から、大トリまで全てが、ワンセット。
先週の上品な客の日は、全員のネタの組み合わせ如何なるものか。

ぼちぼち、繁昌亭の昼席のネタ帳の開示して欲しいですな。




天満天神繁昌亭・昼席
2009年2月22日(日)午後1:00 開演
天満天神繁昌亭

一、笑福亭鉄瓶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「平林」
二、桂歌之助・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸賽」
三、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「替り目」
四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「漫談」
五、桂枝光・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「相撲場風景」
六、桂春若・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「京の茶漬」
仲入り
七、川上のぼる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「腹話術」
八、林家花丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「千早振る」
九、桂勢朝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「勘定板」
十、笑福亭仁智・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「源太と兄貴」

09-14-62
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2 コメント

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うわ! (つっち~)
2009-02-22 21:08:13
ええな、ええなナオユキさん聴けて!!
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良かったでっせ。 (ごまめ)
2009-02-22 21:49:28
出てくるとあのふいいき。
客席が引いているのが、あからさまに分かる。

でも、あのボソボソがじわりじわりと、
浸透していく、嫁さんも笑っていたみたい。

まあ、あの笑いが好きだと言うと、
チョット、変態とはいいたく無いが、マイナーか。
でも案外へそまがりの私は、とってもはまっています。

次回、機会をみつけて、御一緒しましょう。
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