ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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新作「ないもん買い」~ないもの、あるもの

2009-02-18 23:15:26 | 本の少し
ないもの、あるもの
クラフト・エヴィング商会
ちくま文庫・900円
☆☆☆☆☆


素適で、お洒落、それでいて面白い。

店主よりの御挨拶、そのまま写すと。

よく耳にはするけど、一度としてその現物をみた事がない。
そういうものが、この世にはあります。
たとえば、《転ばぬ先の杖》。
見たことはないけれど、名前から察するに、そうとう「いいもの」
であることが想像されます。
~略~
でも、どこへ行ったら手にはいるのだろう?
このような素朴な疑問とニーズにお応えするべく、わたくしども
クラフト・エヴィング商会は、ここに新しい看板を揚げることに
しました。 題して、「ないもの、あります」。

といい、古今東西より取り寄せたと27の商品が紹介される。

「堪忍袋」、「舌鼓」、「相槌」、「思う壷」、「鬼に金棒」、「他人のふんどし」
など、ほんと解っていながら、目にした事がないものばかり。

商品番号・第3号の「左うちわ」のカタログの説明には、

一見、ただのうちわのようですが、正真正銘の《左うちわ》です。
当然ながら、左手のみの使用が可能です。右手であおぎますと、
一切の効果は得られず、ただの「暑苦しい人」になってしまいます。
また、左ききのの人は、もともとからして。《左うちわ》なので
残念ながら効果は保証できません。平にご容赦を。

なんと素適な、解説書でしょう。

一つ、一つが、落語のサゲに使える。

「冥途の土産」、この題だけで、ワクワクするでしょう。
何をもって行ったら、良いのか。いつから準備するものか。

「大風呂敷」、「金字塔」、「おかんむり」、「一筋縄」、
「自分を上げる棚」、など、ほんま買いに行ったら
創作、「ないもん買い」ですな。

只、勉強不足で、作者がクラフト・エヴィング商会になっているが
何者ですか。吉田浩美・吉田篤弘さんの共作か。
誰かお教えくださいな。
作者はどうであれ、中味は、刺激的で、熟したニタリがいっぱい。

お値段は900円。ちくま文庫、少々高めですが、
このほんは、落語ファンの方、買いですな。



マクラのヒント集。
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