ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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新宿末廣亭・九月上席・夜席

2011-09-11 23:54:41 | 江戸落語

新宿・末廣亭・・・・・都心のど真中なのに、昭和の匂いが。


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六時前に、飛び込むと、三分の入り。
両端の桟敷席も魅力だが、腰のことを思って椅子席へ。


一、桂歌春・・・・・・・・・・・・・・・「ウダウダ」

入ると丁度出てきたのが、歌春さん。昼席と入れ替っての代演とか。
客席はいつも通りの、3割の入り。ゆったり感もあり、客席は居心地良いが、
高座からは、笑いがもう少し・・・笑ってくださいよ。・・・協力してくださいよ。
洒落ではなく、・・・なぜか・・淋しさが漂う。笑わぬ客が悪いようなハナシをしておしまい。
あとで調べると、大ベテランさん。笑いたいのはこちらも同じでっせ・・・。

二、江戸家まねき猫・・・・・・・「物まね」

ぽんぽ娘さん風の顔立ち、体型。猫八さんの娘、子猫さんの妹。
秋にちなんだ、虫の声にはじまり、鹿、馬、と本格、正道の芸。

大阪人が末廣亭に期待するのは、このような粋な芸でおます。
急いで来た汗が、ようやく治まる。・・・・拍手。


三、桂南なん・・・・・・・・・・・・・「鰻屋(素人鰻)」。

また、客が少ないとか、笑いが少ないとか・・・・お噺は「鰻屋」
鰻の逃げる様をたっぷり仕草でやる訳でもなく、やはり江戸風
蒸してあるのか、上方ほど油っぽくなく、あっさりのさっぱり味のうなぎでおました。


四、三遊亭左遊・・・・・・・・・・・「金の大黒」

羽織あるか、家主さんが呼んだはるで、皆で挨拶にいかんと・・・「金の大黒」かと思っていると、
朝からの仕事の疲れがでてきたのか、不覚にもウトウトと。
大黒さんが、でてきたのか、でてこなかったのか・・・・知らぬままに終了・・・残念。


五、東 京丸・京平・・・・・・・・・「漫才」

味があるような、無いような・・・。
入ってきた客をイジリ。携帯がかかっかてきて退席する女性をイジル。
本筋の漫才のおもしろさが薄いだけ、その他の脱線は、
単に諦めてしまったように感じるのは、私だけか、
東京は、色物の出番が多いだけにその役目は重要ですな。

六、古今亭寿輔・・・・・・・・・・・「釣りの酒」

派手な衣装で登場。顔立ちは谷村シンジ。独特の雰囲気の語り。

噺は創作なのか、掛取りと同じように、人間好きなものには目がない。
「釣り好き」の人のところへ行き、煽てあげて、一杯の酒にあずかろうと、
釣りは一切知らないだけに、とんちんかんの答えの連発。・・楽しめる。

あと、どんな創作落語があるのか、後を引く・・・一席でおました。

七、三笑亭夢太朗・・・・・・・・・「星野屋(五両残)し」

仲トリで登場、やっとマクラもそこそこに即、噺に「五両残し」いや東京でも「星野屋」か。
上方では、偽の心中の仕方を教えたりする、妾のお花の母親のしたたかさが目立つのだが、
夢太朗には、それほどでてこない。 まずは夢太朗さんの「星野屋」、じっくりの落語を堪能。

仲入り

八、瀧川鯉朝・・・・・・・・・・・・・「反対俥(いらち俥)」

代役の鯉朝さん。昨年の暮、大阪で聴き、今月の彦八まつりにも、江戸代表で参加。
お江戸の方で、顔を見て名前の解る数少ない人の中のおひとり。
瀧川一門のハナシから、前回に続いて同じの「反対俥」・・大阪では「いらち俥」。

座りながら、飛び跳ねて向きを変えるアクロバットまじきの「反対俥」
拍手喝采をおくりたくなる。やはり今回も、勢い余って・・・北朝鮮まで。

次回の出会いでは、是非違う噺を期待しまっせ。

九、松乃家扇鶴・・・・・・・・・・・「俗曲」

都々逸、粋でおますな・・・。ぽつり、ぽつりの言葉に、思わず聞き耳を立てる。
最後には、相撲横綱、歴代の69人の全ての名前を読み上げる。
凄い、芸人さんの暗記力はいかほどのものか。

私は、江戸のこんな芸、好きでおますな。

十、春風亭柳橋・・・・・・・・・・・「代脈」

どっしりとした、真打が演じる「代脈」。お菓子を食べるところもなく。
なぜか、今回演じられるすべての落語が、ダイジェスト版みたいで、筋立てだけで、何か物足らなさが漂う。
常設小屋での落語は、この様なものなのか。(繁昌亭ではマクラはもっと少なく、落語中心であるが)


十一、桂米助・・・・・・・・・・・・・「看板の一」


nプログラムを見ても、ピンとこなかったですが、でてきた顔を見てビックリ、あの隣の晩ごはんのヨネスケさん。
見なれた顔に、ほっとするが、噺は「看板の一」・・「勝負は壺の中」、「壺の中が勝負」など、上方とは違う言い回しに
ちょっとした、違和感を感じる。笑い満載で聴きなれた噺だけに、「あれぇー」「あれぇー」の連続で、またしても残念。


十二、北見マキ・・・・・・・・・・・「奇術」

マジック、北海マキさん、今は北見マキさん。
見なれた、奇術を次から次へと披露。古典的で、言葉は一言たりとも発しない。

でも、その高座中、舞台の袖から大きな笑い声が続く、楽屋が近いのは解ったが、あまりのも非常識。
あれれ・・・末廣亭に抱いていた神聖なる舞台が、崩れていく。

それにもめげず、淡々とすすめるマキさんに、プロを感じましたな。

十三、三遊亭遊雀・・・・・・・・・「井戸の茶碗」

最後に大トリの遊雀さんの登場に、掛け声がかかる。
この一席だけで、今日、末廣に来た価値ある一席「井戸の茶碗」
清貧の武士の粋と品格が滲み出ている。

遊雀さん、小遊三の弟子とか、滑稽な部分も随所に出て、噺と演者のバランスがよく。
まさに、トリ、主任の一席。こんな落語、大好き・・・この一席で、良い落語を聴いたという満足感でいっぱい。

こんな噺が、沢山聴けると期待しての、末廣亭でおましたが
じっくりたっぷりの落語への出会いは本日は少なくて、がっかり。

でも、次は休日の昼席なんぞにこちらもゆとりの中で、ゆっくり聴きたいもんですな。



新宿末廣亭・九月上席・夜席
2011年9月9日(金)
新宿末廣亭


一、桂歌春・・・・・・・・・・・・・・・「ウダウダ」
二、江戸家まねき猫・・・・・・・「物まね」
三、桂南なん・・・・・・・・・・・・・「鰻屋(素人鰻)」
四、三遊亭左遊・・・・・・・・・・・「金の大黒」
五、東 京丸・京平・・・・・・・・・「漫才」
六、古今亭寿輔・・・・・・・・・・・「釣りの酒」
七、三笑亭夢太朗・・・・・・・・・「星野屋(五両残)し」
仲入り
八、瀧川鯉朝・・・・・・・・・・・・・「反対俥(いらち俥)」
九、松乃家扇鶴・・・・・・・・・・・「俗曲」
十、春風亭柳橋・・・・・・・・・・・「代脈」
十一、桂米助・・・・・・・・・・・・・「看板の一」
十二、北見マキ・・・・・・・・・・・「奇術」
十三、三遊亭遊雀・・・・・・・・・「井戸の茶碗」

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