ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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実力のトリ・かい枝さん~浪切落語ワールド

2009-05-02 22:09:12 | 浪切亭・せんしゅう亭・落語
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・立派な・浪切小ホール・・・・・・・・・・・・・・・・


恒例の浪切亭落語ワールド、今回で14回目。
ここ3回程、小ホールに移って、座席指定で、
じっくりと落語を楽しむ雰囲気で溢れている。

今回は、三金、都んぼ、かい枝、文鹿、染弥さんの五名。
吉弥さんは、欠席なので、ちりとてちんの若いファンはパスか。

米紫襲名が決まった、都んぼさんが、楽しみですな。
お天気もよく、嫁さんと仲良く出かけますわ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前回のホールとは違い、本格的ホール。
300人の席でほぼ満席。落語ファンが増えたこと万歳ですな。


一、林家染弥・・・・・・・・・・・・・・・「千早ふる」

「千早ふる神代も聞かず竜田川、唐紅に水くぐるとわ」、在原業平の作

私の席の隣のご夫婦の旦那が、落語の説明を入れられる。
ああ、千早太夫の話をしている時に説明入れられたら台無し。

気が気ではない・・・・・。

しかし、途中から染弥さんの噺に聞き惚れたのか、静かに。
客を黙らすのも、噺家の実力ですな。

そういう意味で、立派にトップバッターの役目を果たした、
染弥さんの、千早ふる、でおました。


二、桂三金・・・・・・・・・・・・・・・・・「温泉旅館望洋楼一泊」

いつもの自己紹介なしで、いこうと思いましたが、
今日、私、三金を初めて聞く人・・・・・・五分の一手を上げる。
何度も聞いているという人・・・・・・約五分の二手を上げる。
残りは、じゃまくさい人か。

初めての人も多いので、いつものキャッチフレーズ。
「元銀行員の三金。どちらも、こうざ(高座、口座)を大事にします」

落語は、秘境の温泉に行くが、その年寄夫婦がやる温泉旅館の
サービスの悪いこと、悪いこと。

三枝師匠の創作落語で、「鯛」「忘れ物承り所」「くもん式学習塾」
など、どれもようできた噺と感心も得心もしていたのに・・・。

これなら、三金さんの、奥野君シリーズの方がよかったのに。
200以上もある、師匠の創作落語から選択するところから、
噺の出来不出来が始っていますで。

もっと、ええ噺、紹介、期待してまっせ。


三、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・「代書屋」

「代書」イコール、春團冶師匠もしくは、枝雀師匠、あるいは千朝さん
文鹿さん、どのタイプを狙っているのか、私も聴いたことのない

原作者の、米団冶、風なのか・・・・元、代書屋さん。
普段は陰気で、写真を見てもいかつい顔立ちですが。

文鹿さん、その原典版狙いなのか、・・・飾り気のない
あいそなしのなかに、ボソッとした、おもしろみがある。

文鹿さん、案外、この噺、ニンにおうてるかもしれませんな。

「儲かった日も、代書屋の同じ顔」これも米団冶師匠の作とか。


四、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」

この会は、出番も演目も一切決めて無くて、すべて当日。
極端に言えば、高座に上がってから決めているぐらい。
まあ、各自がネタも増え、実力揃いになった証拠でしゃろ。

今日のトリは、かい枝さんですが、これも単に遅れて来ただけでして
・・・・・・あとで言いますが、いいや違う。

噺は、おごろもち盗人、

算盤をハジク音に、何度も客席沸く。
細かいところでの笑いうれしいですな。

全体に、商家の主と女将さんは、どっしりと構えているのに
どろぼうは、いつもの都んぼさんで、ドタバタ劇。

ひょっとすると、この噺、どろぼうもしっとりと演じてくれた方が
もっと、どろぼうの豹変する科白の一つ一つが、生きるのでは。

勢い先行の都んぼさん、たまにゆっくりと変化球を交えると・・・
そんな期待を抱かせる「おごろもち盗人」でござりました。

でも、おもしろさでは、群を抜いていましたな。


五、桂かい枝・・・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」

本日の大ヒット、大ホームランでっせ。

堪忍袋をつくるきっかけになった、夫婦喧嘩、言い争い、よろしいな
塩こんぶ、梅干であれだけの、大喧嘩。

障子のサンをなぞって、「きたないなぁ」、
「甚兵」衛はん、これは嫌味だっか」
「これを見て、きれいやなぁ、これは嫌味でっせ」
このセリフ、亭主族には、嬉しいですな。

前の若い夫婦の兄ちゃんも頷いている。
そうか、若うてもいっしょや。・・・・・・思わず納得。

女房の言い分、亭主の言い分・・・・、かい枝さん、凄い。

たまたま、遅刻してのトリとかですが、
いや、実力でも、トリに相応しい、かい枝さんの「堪忍袋」でした。

良い噺、良いトリの落語会は、
会場をあとにしてからの余韻が最高。

今日の、浪切亭、最高の落語会でしたな。


次回は、7月4日(土)14:00開演・
そのかい枝さんは欠席。替りに吉弥さん参加。


浪切亭落語ワールド・VOL、14
2009年5月2日(土)午後2:00開演
岸和田市立浪切ホール・小ホール

一、林家染弥・・・・・・・・・・・・・・・「千早ふる」
二、桂三金・・・・・・・・・・・・・・・・・「温泉旅館望洋楼一泊」
三、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・「代書屋」
仲入り
四、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」
五、桂かい枝・・・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」

09-32-136

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