
本日は、さん喬・松喬二人会。

大阪市立こども文化センター、地下鉄西長堀駅すぐ上。

落語には丁度良い、350人規模の会場。
体調の悪い松喬さんが、どんな高座を聴かせてくれるのか。
一席でも十分なので、お元気なお声が聴きたいものだ。
早めに行って、隣りの図書館で本でも借りようと、2時前に着いて
西長堀駅の改札を出れば、前に女性と話されている、さん喬さんと出会う。
ピンクのギンガムチェックのシャツにメガネ、お洒落なおじさん風。
軽く会釈をして通り過ぎる。
さすがに、大阪市立図書館本館、落語の本はたっぷりあるが、
上方では、未読のものはあと少し。・・・本、二冊、借りる。
会場に入ると、松喬さんの会らしく、年齢層の高い上品なお客さん。
日本髪を結った、芸子さんの姿も・・・。
一、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・「時うどん」
先月、北海道へ師匠と師匠の奥さんと三人で、車の旅へ。
今迄の師匠の仕事先を、引き継ぎ兼ねてか、各弟子と共に巡業。
16日間で13カ所の公演。走行距離6000kmのハードな旅。
それをすべて運転したのは、闘病中の松喬師匠、えらいこちゃ。
その時、各所でネタを変えると翌年行った時に困るので、ひとつのネタで通せと、
師匠に言われて、今回13間明けても暮れても毎日「時うどん」。
この洗練された「時うどん」をお聴き願いたい・・・と。
さすが、噺上手な生喬さんの「時うどん」、
洗練されていて米朝一門風の「時うどん」
「ひっぱりな」の声もどことなく、澄まして聴こえる。
二、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・「大安売り」
アルテでの挨拶以来。久しぶりいに見る松喬さん。
先月の27日に入院、昨日の27日までガン治療の為に入院されていたとか。
喋ることは心配していないが、歩く為の筋肉が落ちているのが心配。
医者に言わすと、今こうして元気に高座で落語をされること自体「奇蹟」であると。
「体力」、「気力」・・・・・・いかに生きる。
いかに、落語と向かい合うのか・・・ヒシヒシと伝わってくる。
噺は「大安売り」・・・の「勝ったり、負けたり」
この関取ではないですが、人生、前向きに生きなければいけませんな。
三、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・「船徳」
7月10日にお詣りさえすれば、「四万六千日、お暑い盛りでございます」と、
四万六千日分参詣した功徳があると、結構な日。
「船徳」・・・しぐさ、たっぷりの噺。
竿で舟を出し、櫓を漕ぐ・・すべて力の入ったさん喬さんの仕草。
乗っているお客二人も、揺れることこと揺れること。
思わず見ている、私たちまで、「船酔いしてしまいそう」・・・。
「船」宿に居候の若旦那の「徳」さんで・・・鮒徳。
ほんと、落語の演目名は、適当というか、おもしろいもんですな。
四、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・「たがや」
丁度、本日27日で、東京では両国の川開き、隅田川の花火大会の火。
「たまや―」、「かぎや―」と夏の風物詩。
夏らしい噺をと依頼があったので引き受けたが、さん喬さん、本日がネタおろしとか。
「玉屋」と「鍵屋」が合わさって「たがや」、先ほどの「船徳」同様、いい加減なもんですな。
花火でごった返す橋の上の見物人が侍に対するレジスタンスというか、
たがやとの喧嘩を野次馬として楽しむ。
侍の首が飛んで、「上がった、上がった・・たがや―」と無責任極まりない群衆ですな。
五、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
この噺の登場人物で、一番好きなのが、作次郎。
脳天の熊の荒くれ者が、作次郎の言葉で中和される。
だが、今日の松喬さん、この作次郎の無邪気さというかアホさ加減が薄くて、
なんとなくおかしい・・・。声の大きさとか勢いとか、力の入ったところとは逆に、
力の抜けた作ぼんに、元気のなさを感じてしまう。
でも、松喬さん、得意の「道~具屋」、「道~具屋」、「ちょっと開けて」、「道~具屋」、の
名調子が聴けて、大満足でおます。
エアコンの調整が悪いのか、客席も一緒になっての汗だくだくの、40分の大熱演。
秋から、新プロジェクトの落語会を始められるらしいが、
たっぷりではなくても、じっくり聴かせてもらいますので、
ゆっくりと、お体を大切に・・・・・・・私たちも、ゆったりと楽しませて貰いまっせ。
第6回さん喬・松喬二人会
2012年7月28日(土)午後3:00開演
大阪市立こども文化センター
一、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・「時うどん」
二、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・「大安売り」
三、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・「船徳」
仲入り
四、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・「たがや」
五、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
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