トリックスターから、空へ (新潮文庫) | |
太田 光 | |
新潮社 |
トリックスターから、空へ・・・爆笑問題・太田光が、道化(トリックスター)として、色物として、世の中を見すえる。空へは、羽ばたきたいという作者の願望か。
前書きと後書きがすべてを語る・・・何が言いたいのか、解るようで、よく解らない。・・・・・いや、理解できない。
当時の小泉政権に不満、テロに対する不満、日本という国に対する不満、歴史感に対する不満、アメリカに対する不満、大きなモノ、力のあるモノには、屈しないという作者独自の反骨精神がくどいぐらい繰り返される。
目立つ為には、一般の者とは違う事を言わなければ、違う発想をしなければ、受けないという。芸人のネタづくりで得た発想法がそのまま、呟き、不満になった様な本。
ライブドアの堀江氏は、「価値を取り損ねた人」といい、発想はそれ自身が価値あるもので、例えばその本がベストセラーになって、莫大なる財産を築いたとしても、本当の価値はその著者の発想であり、その人の脳の中にあり続けることだと、金ではないと・・・・作者が、今月、小説を発表したが、ベストセラーになった時、中身に価値あると断言できるのか。
あらゆることに興味を持ち考えるということは、大事なこととは思うが、すべてのことにまずは疑ってからではの発想は如何なものか、そこが私と一番違うところか。・・・・商売には醍醐味がある。金を回して増やすことは、商売人として快感である。しかし、経済には人格がある。その人格を親しみやすいものにすることが、プロの腕だと。
「騙さないよ」と云いながら、常に騙す事を考えている、詐欺師の匂いを感じるのは、私だけか。
まずは、読んで、考えるというだけで、元はとれる本ですが。
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