芸人という生き方-渥美清のことなど (文春文庫)矢野 誠一文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
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「長生きも芸のうち」という言葉がある。
作家の吉井勇が、名人八代目文楽にあたえたものとか。
この言葉、一方で、芸に生きる人間がそのピークで世を去ることのむつかしさをも
語っているので、「死に方も芸のうち」にも通じると書いている。
この本は、昭和の個性豊かな、芸人さんを列挙しているが、
一番多くの枚数をとっているのは、表紙のイラストにもある、渥美清さんである。
渥美清の役者としての才能や技術が、最高に活かされたのは、車寅次郎ではなく、
田所康雄であったと、自分自身を演じるという一番難しい課題にいどみ、
見事、演じきってたのではないか・・・。
田所康雄、渥美清、車寅次郎の三つの人格を同時に使い分けた人生。
あと、35名程の、昭和の芸人さんが書かれているが、どれも数ページであり
落語家では、古今亭今輔、春風亭枝雀、三遊亭円、馬橘家円太郎、松福亭松鶴
林家正蔵、などが登場しているが、すべて物足りなさを感じる。
ただし、第三章の、芸人の本、芸の本には、ほぼ55冊が紹介されており、
まだ、5冊程しか読めてないので、追々、探し出して、読みたいと思う。
果たして、本屋にあるのか、それとも、図書館巡りの方が近道か・・・。
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