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ぽれぽれ百綴り

犬好きおばさんのんびり雑記。

白馬岳登山-3-

2017-09-17 10:25:26 | ラン&クライム
白馬岳登山も3日め。

今日の行程は、
村営頂上宿舎→白馬山荘→白馬岳山頂→三国境
→小蓮華山山頂→船越ノ頭→白馬大池山荘

となります。

書くと長いですが通過点が多いだけ。

距離もそんなになく、高低差も少なく、
今回の登山でいちばんラクな日だそうです。

だったらゆっくり寝かせてくれたらいいですのに、

(テントの灯りがホタルのよう)

午前4時、
シロクマ相方に叩き起こされます。

6:30、遅めの出発。
ガスが濃く、小雨のように体が濡れるので、
撥水加工のパーカーとレインウェアのボトムスを着用。

まずは宿舎の休憩所に入って気象情報を入手します。
9時半から1時間ほど晴れ間が見えるらしい。

20分も歩くと白馬山荘に到着。

(標高2,840m。1906年開設の日本ではじめての山小屋)

登山道をはさんで左右にある建物は要塞のように巨大です。
収容人数800人の規模は日本どころか世界有数だそう。

そこから15分ほど緩やかな道をゆくと山頂です。

7:20、白馬岳山頂。

(スイマセン、山頂標識だけの写真を撮り忘れました。
背あぶらののったおばさんの後ろ姿もご堪能ください)

2,932mの頂とはいっても、
最後の追い込み的な登りもないし、
あたり一面ガスに包まれて視界は真っ白だし、
なんだか達成感に欠ける登頂でした。

晴れていたら、
杓子・鑓、剱・立山、朝日岳、頸城山塊と、
朝日に輝く360℃の大パノラマが楽しめましたのに。

まあ水が豊富ってことは、
こういう天気の日が多いってことなんでしょうね。

ここからは白い岩屑の稜線をたどって進みます。



ライチョウの散歩道だそうですよ。
会えるかな?

点在するお花畑に心が洗われます。(って汚れてるのか?)


(密度濃く咲くピンクが美しいイブキジャコウソウ。
白い小花はタカネツメクサとシコタンソウ)


(ガスで前をゆくシロクマ相方もかすみます)

時々雲が切れます。


(晴れると絶景なのに)


(コマクサの群生。なぜこの花はこんな砂礫を選んで咲くんでしょうな)



(白馬大池を目指して歩みます)

三国境付近。

(晴れ間が…!標高2,563mの鉢ヶ岳です)


(シロクマ相方、雲の上を歩くかのよう)


(とか、のんきに眺めてたら見えなくなってきましたよ。待ってー!)

ずいぶん晴れてきました。


(この晴れ間を白馬岳山頂にほしかった)

9:22、小蓮華山の山頂に到着。

(山頂?なだらかなんだけど…)

2007年に三角点が置かれた山頂部は崩落したそうです。


(リンドウみたいな花を咲かせるチシマギキョウ)


(あちこちに群生するハクサンイチゲ)

あっ!

ライチョウさん、いたー!!

(まんなかより左上。夏なので痩せてます。
わかりにくいですが赤いアイラインくっきりの男の子)

今回出会ったのはこの子1羽だけでした。
5年前の北岳では、
白い羽に生えかわり始めの子が6羽もいて、
私の足元をちょろちょろと
平飼いのニワトリのごとく無防備に歩き回ってくれたのに、
あれは奇跡だったみたいです。
知らないから値打ちも感じなかったわ。

10:33、船越ノ頭、到着。

(ちょっと休憩)


(たぶんミネウスユキソウ…エーデルワイスの仲間です)

本日の目的地、白馬大池が見えてきました。


ハイマツのしげる雷鳥坂をテンポよくくだって。


最後はお花畑をめでながら。


(チングルマの大群生。ピンクはイワカガミ)

11:30頃、白馬大池のテント場に到着。
後ろに大きな池、前に花の咲き乱れる湿原と最高のロケーションです。

今日も早い到着でした。
湿原をまん前に眺められる絶好の位置にテントを張って、お昼ごはんです。


(よそさまのテントにアゲハ蝶のお客さま)


(池にはクロサンショウウオがわらわらいます。
8cmくらい。ぬめっとした触感←さわってみた)

お昼ごはんも食べたし、天気も回復してきたし。

(と、シエスタのシロクマ相方)

「日差しがきつい。暑いよ」

あっちにお花畑と残雪がきれいな場所がありますよ。


「ここはいいねー」

(日よけに傘を立ててあげるよくできたツマ)

でもここ、ぶんぶんと蚊がやってくるのです。
蚊がいるのは池があるから?標高が2,380mと低いから?
昨日の村営頂上宿舎のテント場(2,730m)にはいませんでした。

ここのテント場は広く、高校や中学主催と思われる団体さんもいて、
どんどんテントが張られてゆきます。

(ここからさらに増えてスキマなくびっちりに)

そういや今日は8月11日、山の日でした。

山の日に山にいる私たち。
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」、
この祝日の使い方として正しいです。

テントは最終的に200張り近くいったんじゃないかなあ。
ぎゅうぎゅうで、水はけの悪い場所にまで張られてました。

「ほらね、早く来て正解だったでしょ」と誇らしげなシロクマ相方。

午後3時くらいかな、お天気が崩れだしました。
雨が降ったり止んだり。
テントに打ち付けるように激しく降ることも。
カミナリの音も聞こえます。

登山パトロールの方が登山道入り口に立って、
登山者さんに話しかけ、いまからの出発を踏みとどまらせたりしています。


いわく、
「カミナリは特に危険です。
山のカミナリはね、横から来るんですよ。
遮るものもないし、
下界と違って逃げようがないんです」と。

横から来るカミナリ!
そうか、山は雲の上、雲の中なんだ。
確かにそれは怖そうです。

「そうだよ、こんな天気でいまから登るなんて自殺行為だよ。
知らないとどれだけ危険かわからないんだね」
と、シロクマ相方。

知識がなくて体力に自信があったら、
「いまから急げば山頂の山小屋へ着ける!」とか行っちゃいそう。
怖っ!

この山は登山パトロールの方がたくさんいらして、
あちこちで素晴らしい働きをしています。

16:30、晩ごはんです。

(お花畑を眺めつつ食べるカップヌードルはオツなもの)

日が落ちてからどしゃ降りになって、
場所によっては巨大な水たまりが。
水上生活者か?って水に浮いたようなテントも出現しました。
みんなで協力して場所移動したもよう。
テント場に早くに到着することがいかに大切か、よくわかりました。

明日は下山です。
さすがに3日めともなると、
アタマを洗いたい衝動を抑えるのが大変。

涼しいとはいえ、
このカラダはきっと匂いを放ってるんだろうなあ、と気になります。

私が登山を真に楽しめるのは3日めまでですね。
明日はお風呂を楽しみに下山をがんばります。


ご覧いただきありがとうございました。

白馬岳登山-2-

2017-09-15 12:22:38 | ラン&クライム
白馬岳登山、2日めです。

今日の行程は、

白馬尻→大雪渓→葱平→村営頂上宿舎

ってところ。

今回の登山のハイライト、白馬大雪渓!
標高差600m、距離2キロの雪渓を約2時間半かけて登ります。

起床は4時。

台風5号の豪雨で流されたという大雪渓より上の岩場にかかる橋、
それが復旧されたことを確認してからの出発です。

テントを畳んで、朝ごはんを食べて。

歯磨きしたり、ハイドレーションをセットしたりしてると、


バラバラバラ…


バラバラバラバラ



バラバラバラバラ

と、上空から轟音が。

資材をぶらさげたヘリが橋の復旧に向かってるもよう。

ガンバレー!

この音が近づくとアレですね。
私の世代は脳内でワーグナーの『ワルキューレの騎行』が響きだします。
何度も映画を観たわけではありませんのに。


轟音は度々響き、
ヘリが上空を行ったり来たり。

最後のヘリが余った資材だか壊れた橋だかをぶらさげて、
朝焼けの向こうに消えていきました。

(復旧作業にあたってくださったみなさん、ありがとうございます!
登山にしか使わない橋でこの高速復旧。日本、サイコー!)

6:00、通行止めは解除されています。
白馬尻出発です。

木々の間を15分も歩くと視界がひらけ、眼前に大雪渓が。


(どこまでも続く大雪渓!青い空とのコントラストの美しさ!
このスケールは実際に見て感じてほしい)

ここでアイゼンを装着し、
ストックは先端のキャップを外します。

私のは6本爪の軽アイゼンです。
何度も練習した甲斐あってスムーズに装着。


(シロクマ相方のアイゼンは12本爪。
見てください、つま先から突き出てる大きな爪!
垂直の氷壁でもコレを突き刺しながら登れるとか。
絶対挑戦したくないレジャーです)

日焼け止めのクリームやリップをしっかり塗って、
飲む日焼け止めも飲んで、サングラスをかけて、
準備が整ったら植物を傷つけたりしないよう、
速やかに雪渓におり立ちます。

ざくり…。

ざくざくざく。

心地よい音、アイゼンが刺さる感触、

この快感は体験したものにしかわからない。


(大雪渓を歩く人々の列が点々とアリのよう)

落石が多く、雪の薄いところを踏み抜いたりしてもアカンので、
「このあたりを歩くのですよ」と登山パトロールの方があらかじめ赤土を撒いて、
印をしてくださってます。


(赤土を撒いてる最中のパトロールさん)

ありがたいことです。

ずんずん進みます。


(シロクマ相方の背中を追って進みます。
先頭を歩かせてもらってたんですが、ペースが遅い!と交代させられました)

コレはアレですね。
難関と思っていたけれど、装備さえそろっていれば、
岩場を登るよりずっとラク。
自分の歩幅、自分たちのペースで着々と進めます。

平たんに見えるけれど、振り返ればこんな感じ。

(結構な傾斜なんですよ)

汗だくになるところを雪の上だから涼しいし、
こりゃいいですな。

けど、落石の名所(?)らしく、
両側の岩場からしょっちゅう岩や石ころが落ちてきます。
カラカラカラ…と乾いた音が響いて落ち着かない。
過去には4トントラック大の岩が落ちてきたこともあったらしい。(死者が出てます)

そりゃここじゃのんびりできません。
休憩するとこちゃいますわ。

8:20、
そろそろ終着点。


(雲が下に見えるところまで登ってきました)

アイゼンを外してストックもしまって、しばし休憩。

ここからは約2時間、急な岩場です。

この岩場がしんどかった。
葱平ってとこなんだけど、全然たいらじゃない!
結構な斜面でひとつひとつの岩が大きいのです。
雪渓よりずっとキツかったですよ。
余裕がないので写真もない。

あ、今朝できたてほやほやの橋です。
こんなカンタンな橋だったなんて!
そら、豪雨で流されもします。
今日は水量もぐっと少ないです。


(この斜面を昨日、腰まで浸かりながら進んだ猛者って…!
私なら流されて奈落の底、ですよ)

今回の登山では約6時間という今日の行程がいちばん長い。

疲れないよう、高山病にならないよう、
しっかり水分補給はしなくちゃいけないし、
トイレに行きたくならないか、とっても心配でした。
念のため『レディガードコーワ』というお薬も飲んでいたのですが、
なんとか大丈夫そう。

あ、飛行機雲だ!


(この空の青さはどうでしょう!)

岩場が終われば両側に百花繚乱のお花畑

爽快です。
楽しんでいきましょう。


(ぬけるように青い空、しかも近い)


(ずいぶん高いところまで登ってきました)


(一面に咲く黄色い小花、シナノキンバイ。
白いのはハクサンイチゲ)

今日の目的地、村営頂上宿舎が見えてきました。

(右下に咲くのはハクサンイチゲ)

11:38、
宿舎を越えて、テント場へ。

テントを張ったらお昼ごはんです。

(ネギとしめじ入りカレーうどん)

気持ちいいくらいに晴れてたのに午後に入るとガスで真っ白。
小雨がテントを濡らします。

(ご近所のちびっこ情報によるとテント数は80張り以上)

山のお天気は夜明け前から午前中が安定しています。
「だからテント場にはお昼まで、
遅くても午後2時くらいまでには着きたいんだよね」とシロクマ相方。

今日からずっとごはんはインスタントとフリーズドライ中心。

16:45、晩ごはん。

(糖質オン糖質。登山だから許されること)

新鮮な野菜はネギとプチトマトだけ。


(ちょっとでも贅沢感を、と増えるワカメを入れすぎました。
フタが押し上げられたインスタントそば)

それでも山で食べるごはんは美味しい。

あと、お水が無料っていうのはいいですね。

下界から運ばなくていいんですもん。(←決して買わないケチ)

明日は白馬岳山頂を目指します。

ご覧いただきありがとうございました。

白馬岳登山-1-

2017-09-13 15:21:22 | ラン&クライム
8月の話です。
いつになったらリアルタイムの記事を書けるのか。

シロクマ相方のお盆の休暇が前倒しで取れたので、
白馬岳に登ってきました。

今回はザックが重くて大きいテント泊
3泊もするのですよ。

日本3大雪渓のひとつである白馬大雪渓を登ります。
あとのふたつはどこ?とか聞かない。

白馬大雪渓は標高差600m、約2キロ!
2時間半もかかります。
しかも落石・崩落が多いからおちおち休憩もできない。

ということで、シロクマ相方がハイドレーションを買ってくれました。


(アメリカ製、4,500円くらい。高い!)

これで立ち止まらずにお水が飲めますよ。


さあ、得意の夜行バスに乗って出発です!(自虐的だなあ)


今回の行程です。

1日め:猿倉→御殿場→白馬尻
2日め:白馬尻→大雪渓→葱平→村営頂上宿舎
3日め:村営頂上宿舎→白馬山荘→白馬岳山頂→三国境
→小蓮華山山頂→船越ノ頭→白馬大池山荘
4日め:白馬大池山荘→乗鞍岳山頂→栂池山荘
→自然園駅→ロープウェイで栂池高原まで一気に下山

夜行バスを早朝に降りたら、徒歩で白馬駅へ。


(駅構内にて。今回は60Lの大型ザック。左にシロさんの遺品首輪と遺毛)

持ってきたパンと野菜ジュースで朝食を取って、
スーパーの開店時間を待ち、生鮮食品を調達します。

路線バスに乗って猿倉へ。


(標高1,240mに立つ猿倉荘)

空気がひんやりしています。

10:20、
さあ、登山スタートです。




今回はのんびり屋の台風5号の通過を待って、
神戸出発を1日遅らせました。

が、5号があまりにのろまだったため、
ああ、不覚にも追いついてしまいました。

だから、途中、雨が降ったり止んだり。


(ガスがこんなに下までかかってます)


(登山道両脇に咲くヤマアジサイが美しい)

しかも、下山する登山者さんたちの情報によると、

大雪渓のさらに上にかかっていた橋が、

昨日の豪雨で流されてしまったというではありませんか。

出会った登山者さんたちは、
すでにもっと下まで下山していたので被害にあわなかったらしい。

迂回ルートナシ。

腰まで浸かって激流を渡った猛者もいたらしいのですが、
相手は岩場の急斜面に流れる川、
私のような中高年の小ぶとりおばさんがマネできることではありません。

「いや、女のひとや子どもさんは絶対やめた方がいいですよ」

登山ガイドと思われる慣れた感じの男性がおっしゃいました。


シロクマ相方、どうするの?

「今日はそこまで登るつもりはないからこのまま進もう。

明日には状況が変わるかもしれない」


今日は大雪渓の手前の白馬尻まで。


(手前の実を食べながら進むシロクマ相方。
それは森の動物たちの貴重な食料なのでは?)

11:50
白馬尻到着です。


(標高1,560m、収容人数150人の白馬尻山荘)

ここからもう大雪渓が見えます。

(川の上部、白いのは雪!大雪渓のはしっこ)

明日はあれを登るんだなあ。

今日はここでテントを張ります。

(張るのはシロクマ相方。私はお手伝い程度)

一番のりでした。
テント場に早く着いて良い場所を確保することはとても重要。
(テント場によってはあらかじめ区分け・採番され、
受付で「この番号に張るように」と指定されるところもあります)
真っ平らで水はけがよく、今日みたいな悪天候の日にも、
水たまりや水の流れの通り道にならない場所、
暗くなっても安全で便利な場所を吟味して選びます。

テントを張ったらお昼ごはんです。

(シロクマ特製、鶏肉と野菜入り焼きそば)

例の橋が流されたため、
これより上は通行止めになったもよう。


(『明日には開通の予定』って書いてありますよ。すごいな!)

今日中に登頂する予定だった登山者さんたちはあきらめて下山していきました。

それにしても降ったり止んだりの雨。

(ガスガスになってきました)

かと思ったらこんな晴れ間も。


(左の雲の下に白馬岳のトンガリが。
山頂はさらに向こうで、ここからは見えないそうです)

晩ごはんは鶏肉と鶏だんごのお鍋。


(野菜ときのこもたっぷり)

今回は荷物の軽量化をがんばりました。
シロクマ相方はテントを買い替え、3キロもの軽量化に成功。
食料だってフリーズドライやインスタントが目白押し。
ふんだんに新鮮な野菜が食べられるのはこれで最後です。

今日はウォーミングアップくらいの行程でした。

問題は明日。


初めての雪渓、初めてのアイゼン装着!
休憩ナシ!(落石でこの10年で5人以上亡くなってます)
トイレもナシ!(行程全体で6時間、トイレがないのです)

不安でいっぱいですが、
大雪渓のはしっこを見て、胸の高鳴りも感じます。
そして、その肝心の橋は復旧するのか?

不安とワクワクでなかなか眠れませんでした。

続きます。

ご覧いただきありがとうございました。

八ヶ岳登山-後編-

2017-09-01 11:11:26 | ラン&クライム
朝です、朝。

3時半に目が覚めました。

あれ?
3時起床で4時出発ではないの?

「山頂が晴れるのが6時半からの約1時間らしい。
だったら5時からの朝食を食べて行こうと思う」

朝ごはん、食べられました!



(またバッフェでした。朝からホカホカの白いごはんが食べられる幸せ♫)


小雨のような濃いガスで包まれたまま、時間は過ぎていき、
登山者がどんどんチェックアウトしていくのを見送ります。

マメに予報をチェックするものの、
1時間ほどやってくるという晴れ間は、7時、8時と徐々に遅くなっていき…

「ダメだ。これ以上待てない」

6時前、出発。

ザックは山小屋に置いたまま、
レインウェアを着て空身(ザックなし、身ひとつ)で山頂を目指すことに。

本日の行程は、
1赤岳天望荘→赤岳山頂→地蔵尾根→行者小屋→(南沢コースで)→美濃戸→美濃戸口、
と、登頂後は往路と同じルートで出発地点へ帰ります。
違うルートの下山もあるけれど、
2日めの私の体力と技術では無理らしい。


(どよよーん。山頂どころか前をゆくシロクマ相方もかすみますよ)


(この傾斜はどうでしょう!足がすくみます)


(この向こうに頂上がある…ハズ)

頂上が見えてきました!


(ガスに包まれた山頂。それもまたオツ?)

6:35、登頂。



360°の大パノラマを夢見ていたのに、

この幻想的な風景はどうでしょう。



(まるで墓場。立派な墓標ですこと)

こんなに何も見えないんじゃ、長居は無用。
山頂より10分ほど手前にある赤岳頂上山荘にちょいと立ち寄って。


(収容人数300人ですって。こちらはお風呂なし)


さ、下山です。

ザックを預けた赤岳天望荘に戻ってお礼を言って出発。

急な岩場を泣きながら下ります。
岩場は登るより下りる方が怖いです。


(見上げるとこんな感じ)

これでも十分無理だよ。
行きはヨイヨイなのです。

特に濡れた岩は滑りやすいから危ない。

濡れていいのは花と緑だけ。
今日も山の花は美しい。


(キバナシャクナゲ。群落で咲いてました。
ちょっとコーラルピンクが入った花びらがかわいい)


(オヤマノエンドウ。岩のすきまにカーペット状に広がって咲きます)


(チョウノスケソウ。発見者、須川長之助さんの名前がついてます。
チングルマに似てるけどそうじゃないの)


(ピンクがミヤマシオガマ。手前の白いのはハクサンイチゲ。
白い小花はミヤマツメクサ←個体数が少なく珍種らしい)


お花畑も小規模ながらあちこちに見られるんですが、
高山植物ってシャクナゲ以外みんな小さいから、
ガスって写真に撮ると何だかよくわかりません。
その場に立ったものだけが楽しめる景色です。

雲を抜けると行者小屋が見えてきました!

(真ん中にちっちゃく写ってるのがそれ)

9:40、行者小屋到着。

下りてきた赤岳山頂を振り返って見上げます。



晴れとるやないかー!!


(シロさんと木々のうしろにちょっとだけ八ヶ岳)

もののけ姫の住むような森をとおって、

(苔がむしむし)


「何してるのー?」と先を行くシロクマ相方が不思議そうに振り返るので、

(いえね、川の水量の多い真ん中部分にだけかかる橋って、
登山道ならではだなあ、と思って)

じゃぼじゃぼ川に入って橋に登って追いかけます。

ふもとの山小屋でトイレを借りて、

(八ヶ岳牧場の牛乳とやらで一服)

ひたすら歩いて歩いて、
美濃戸口に戻ってきました。

無事下山。

ずっと憧れだった八ヶ岳は、
その人気がよくわかる、
コンパクトながらも表情豊かな山でした。

やっと登りましたよ。
見晴らしのよい日にまた登りたいですね。

ご覧いただきありがとうございました。

八ヶ岳登山-前編-

2017-08-31 09:05:31 | ラン&クライム
7月中旬に八ヶ岳主峰、赤岳(2,899m)に登りました。

何年も前から登りたかった山です。

八ヶ岳って、
赤岳を中心に横岳、阿弥陀岳、権現岳、天狗岳、北横岳など、
峰々の集まりなんですね。

今回は赤岳だけ。
日程が1泊2日で、
私の体力と技術では縦走は無理なんですって。
夜行バスで早朝に登山口に降り立ち、
登って1泊したらピストンで戻ってきます。


1日め:美濃戸口→美濃戸→(南沢コースで)行者小屋→地蔵尾根→赤岳天望荘

2日め:赤岳天望荘→赤岳山頂→同じルートで下山


今回はなんと山小屋泊なんですよ!
ひゃっほーい!

赤岳は山頂近くにテント場がないのでした。

ザックが軽いから足取りも軽い軽い。


(8時前に出発。この標識に着いたのが9時過ぎ)


(ここに山頂が写ってるはずなんですが、ガスで何も見えず)

人気の山、人気のコースだけあって、ひんぱんに登山者に出会います。


(下山のご一行。4人めのあとに続くのは柴犬!
隊列を乱さず軽快な足取りの柴ちゃん、見事登頂したそうです。スゴイ!)




(行者小屋到着。高度は2,300から2,400mくらい)

今回は自炊もしないのでバーナーは持参せず。
持ってきたパンと野菜ジュースでサクッとランチ。


(地蔵尾根の方へ進みます)


(私の苦手な急なハシゴが続きます。
柴ちゃんだって登ったんだもの私も!)


(ガスが出てきました。ハシゴと岩場ばっかし)


(柴ちゃんだって登ったんだもの!
上にいる人との距離感で傾斜の強さがわかってもらえますかね?)

このあたりで、明日の予定について聞かされました。

「3時起床、4時出発で山頂を目指すからね。

朝食はあきらめるんだよ」


え?
え?
ええーっ!?

朝ごはんをあきらめろって、そんなヒドイー!

「だってたいてい山小屋は朝食が5時からなんだよ。
それじゃあ遅いんだよ」


いや!
いやです!

絶対いやだー!


(ハシゴもない岩場。右側はがけ)

この岩場で下山のうら若き美人さんとすれ違いざま、
シロクマ相方がいきなり話しかけました。

「朝食抜きなんて、どうってことないでしょ?」

「え?え?え?」


こらこら、突然すぎるやろ。
びっくりして足滑らせたらどうするねん。

「このひとが、明日は朝ごはん抜きで出発だって言うんですよ」と私がしょんぼりしながら説明。



「食べましょう!


私は朝ごはん抜かない派です!」



えらいぞ、美人さん!


ガスが降りてきてカラダが濡れるのでレインウェアを着用。
濡れると寒さを感じる高度。


(2,500mを超えました。雲の中ですね)



(天気がよければ素晴らしい景色が楽しめる稜線もガスでさっぱり)


(コマクサの群生発見。濡れていっそう鮮やか)

14時、
本日のお宿、赤岳天望荘に到着です。
シロクマ相方の予定どおり。


(2,722mに立つ山小屋。こじんまり見えて収容人数200人!)

テントを張らなくてよい幸せを噛みしめます。

八ヶ岳は水が豊富なんですね。
宿泊者は渡されたプラスチックのコップにマジックで自分なりのしるしをして、
それでコーヒーとお茶、お湯が自由に飲めるのです。
チェックアウトまで何杯飲んでもOK!
すごいわー。


(1階は受付と食堂、いこいの場)

地下1階からがお泊まりスペースでした。


(個室もあるけど私たちはもちろん大部屋)

ひゃー!
ひゃー!
ひゃー!

初の山小屋泊、大部屋体験!

大部屋はいくつかのスペースに区切られており、
上下段に別れてました。


(私たちは上段で壁ぎわでした。ありがたい。
ぎっちり並ぶ寝袋。水色の足が私、隣の紺色のがシロクマ)

正確にいうと初ではありません。
閑散とした吉野(奈良県)の山小屋大部屋で、
私たちふたりだけってことが過去に一度ありました。
けど、
こんなにずらずらっと大勢が並んで寝るのは初めて!

もちろん男女混合。
着いた順、チェックインした順に番号をもらい、
壁に番号が書かれた位置の寝袋に寝ます。
そこが自分のパーソナルスペースのすべて。
寝て一畳どころではありませんよ。


さて、
探検しなくちゃ。

ここには信じられないものがあるのです。


階段を降りて、トンネルのような廊下を渡ると…



お風呂!


(男女交代制ごえもん風呂。女性入浴時間の最後にパシャリ)

こんな山の上に立つ小屋にお風呂って!
ほんとに水が豊富なんですね。

14:45の女湯終了時間まで何分かありますよ。

もちろん入りました。
4人の若いお嬢さんと湯船に浸かりましたよ。
どこでも話しかける関西のおばちゃん。
心もほぐれて会話もはずみました。

お湯が茶色いのはそういう水質なんだと思いたい。
何日めお湯なのかとか、何人入ったのかとか、考えたらアカンのです。

知らぬがホトケ
ごくらく、ごくらく。
いいお湯でした。

このあとの男湯にシロクマ相方は入らず。
昨今は登山人気とはいえ女性は少数派、
こじんまりと入浴を楽しみました。
対して男性は入浴待ちで大行列。
衛生面も考えるととても入る気になれないって。

夜にまた女湯→男湯となりましたが、
あの大行列を知った後だと私も入れないかな。

富士山も見える絶景ポイントを持つ山小屋ですが、
あいにくのお天気で夕焼けすら拝めずでした。

晩ごはんはバッフェ。
山小屋14時到着は遅い方で、4交代制の3番めだから待ち遠しくて。


(もりもり盛ります。この後お代わりも。今日はたくさん食べても大丈夫♫)

山で温かい食事がなんの苦労もなく食べられるなんて、
ほんとにありがたい。

ひと口ひと口、感謝の気持ちで噛みしめたいところですが、
腹ぺこなので一気にかき込んだ感じ。
部活後の中高生レベル。


山の夜は早い。

7時には眠りにつきました。
各方面から聞こえるいびきの大合唱に悩まされながら。

子どもの頃住んでいたのはいまの実家よりさらに田舎。
そこで毎シーズン聞いたカエルの大合唱を思い出しますよ。

明日の天気はどうも良くないもよう。
朝食は食べられるのか?
山頂には立てるのか?

後編に続きます。


ご覧いただきありがとうございました。