
こまつ座 第153回公演 「フロイス-その死、書き残さず-」 紀伊國屋サザンシアター 2025.03.20 18:00~
3月のrecriからのチケットは、この芝居。
こまつ座は、以前松下洸平くん主演の1回見たのみ。
なんとなく、反戦とか思想的なイメージを勝手に持ってて、今までチョイスしてこなかったんですけど。
この演目は、井上ひさしさんの本ではなく、彼の「わが友フロイス」を題材として、長田育恵さんが書き下ろした本ということ。
演出は栗山民也さん。主演は風間俊介さん。
フロイスといえば、戦国時代に日本に布教にやってきたポルトガルの宣教師。
私でも名前は知ってます。織田信長と面会したことも史実として有名ですよね。
フロイスはサビエルのあとを受けて苦労して日本にやってきましたが、日本人との文化や価値観、考え方の違いに
苦悩し、さらに戦国の世に翻弄された人。その生きざまを描いている舞台。
キャストは6人。セットは本当にシンプルで、だからこそキャストの演技が際立ったような気がします。光がきれいでした。
さて、内容ですが、
「歴史が、過去が、消え失せたはずの時間と記憶が
華やかによみがえる。
イエズス会の宣教師として1563年から36年間もの間、
戦国の世を見続け、
文筆の才能とその観察力を見出され
「日本史」を書き記したルイス・フロイス。
今もナガサキの地に眠るルイス・フロイスはヨーロッパを愛し、
そして日本を愛し、人を愛した。
「対等なるものは、対等なるものに対して、支配権を持たず」
と記したフロイスが
信仰と慈愛、差別と戦いの中、
みずみずしい目を持つ一人のパードレとして、
遥か異国で触れたものとは・・・。
フロイスを題材に、
信じること、人間の愚かさと愛おしさを描く――。
井上ひさしへのオマージュとして
栗山民也✕長田育恵の二人が取り組む
こまつ座待望の冒険的新作。」(公式より)
日本の長崎の島についたフロイス(風間俊介さん)。出迎えたのは修道士のフェルナンデス(久保酎吉さん)
ザビエルが帰ったあと、フェルナンデスが日本で布教活動をしていた。
彼は大村藩の殿様をキリスト教徒としていた。
これからフロイスとともに、さらに布教活動をしてすることにしていたのだが、
突如、攻撃を受け、小島?に逃げ延びる。
そこで漁師の惣五郎(戸次重幸さん)に捕まる。彼はかや(川床明日香)に見張りをさせ、自分が
取り立ててもらうため、上のものに告げにいく。そこで、言葉がわからないながら、かやと心を通わせる。
さらに、村の女たつ(増子倭文江さん)にフェルナンデスとともにキリスト教の神の教えを説いていく。
神を信じれば、みんな「ハライソ」にいける。そこには男も女も、身分の違いもない。
フロイスは、フェルナンデスから日本語や日本の風習を学ぶ。日本での布教活動には、本国とは違って、トップダウンが大事だと教えられる。
フロイスには理解できない考え方だったが、日本では女性をキリシタンにしても、夫に否定されると元に戻る。身分が上のものに否定されると布教は進まない。
なので、日本の一番偉い人に布教しないとだめだということになり、京都に行くことにする。
大村藩を命令で脱藩し、浪人となった道之介(采澤靖起さん)を護衛として一緒に、さらには漁師をやめて何かもうけ話をと考える惣五郎、そしてかやも
一緒に京都へ。
世は戦国の世。
日本のトップ、幕府の将軍に謁見すべく京都に上ったが、足利将軍が殺害されたり、天下人は織田信長となろうとしていた。
迫害を受けたりしながらも、布教活動を続けるフロイスは、ついに信長と対面。信長は好奇心が強いので、フロイスの話に興味を持つ。
フロイスに京都での布教を認め、キリスト教を保護した。そして大名たちもキリシタンとなった。
しかし、信長本人はキリシタンにはならない。彼は自分が神だと思っていたのだろう。
キリシタンに味方する形で、敵対する寺社を焼き討ちにしたりはしたが。
信長が討たれ、秀吉の世になると、一転キリシタンは弾圧される。布教はできなくなり、フロイスたちは長崎に戻る。
さらにキリシタン弾圧は激しくなり、日本人信徒ら26人がとらえられ、長崎で処刑されるのだった。
道之助は、神が本当にいるのかを問いながらも、争いに巻き込まれて切腹。
かやも、たつも、惣五郎も、みんな死んでいく。
フロイスはザビエルから委託されていた「布教の完遂」ができたと・・・・そこで幕
私は信仰心とかまったくないので、キリスト教も仏教も含めて。
なので、神を信じればハライソに行けるというのも理解できないし、神の前には身分もないということもわからない。
でも、この時代に生きた人で、満たされない思いを持った人、ひどい境遇にいた人たちは、信仰によって救われようとしたのだろうと
いうのはなんとなくわかる。
京都に一緒に行った女性、かやは神を信じることで変化が起こると信じていたし、実際自分の運命は変わったのだろう。
ただ、芝居を見ていて、異国の戦国の世で、本当に神はいるのかとフロイス自身も悩んだのではないかと
感じました。途中、本国での彼の評価に、信仰心は普通程度というのがあったので。
でも、記録を残すことも使命だと思っていた彼は、日本の様子や布教活動をしっかりと記録として残したのでしょう。
フロイスのことだけなく、彼によって運命を変えられた、道之介やかや、惣五郎のこともしっかり描いていたから
物語は広がっていたと思います。
特に、漁師から商人になった惣五郎は、野心を前面に出していて、たくましかった。
キャストの感想
フロイスの風間俊介さん
去年の地球ゴージャスに続き、拝見したんだけど、とにかく滑舌と声がいいので
セリフはすごく聞きやすい。
セリフだけでなく、ちょっとした表情からも気持ちが読み取れて、とてもいい役者さんだなと
改めて思った。
低いゆったりとしたしゃべり方が、伝道者という役に会っていたと思いました。
かやの川床明日香さん
なんと初舞台だったそうで。全然そんな感じなく堂々とされてました。
透明感のある声がとてもよかったです。
惣五郎の戸次さん
存在感ありますよね。信仰というより商売。フロイスに、お金を稼がないと布教もできないと、言い放つのは
ある種の信念を感じて、ちょっとかっこよかったです。
他のキャストの方は、、、たぶん初めて、、、だったと思いますが、
皆さんとてもうまく、声も聞き取りやすくとてもよかったです。
その中でも道之助の采澤靖起さん
神は本当にいるのか。朝鮮戦争に出兵して命を落としたキリシタンなどを思い、フロイスに問う姿が
胸をうたれました。。。
3月のrecriからのチケットは、この芝居。
こまつ座は、以前松下洸平くん主演の1回見たのみ。
なんとなく、反戦とか思想的なイメージを勝手に持ってて、今までチョイスしてこなかったんですけど。
この演目は、井上ひさしさんの本ではなく、彼の「わが友フロイス」を題材として、長田育恵さんが書き下ろした本ということ。
演出は栗山民也さん。主演は風間俊介さん。
フロイスといえば、戦国時代に日本に布教にやってきたポルトガルの宣教師。
私でも名前は知ってます。織田信長と面会したことも史実として有名ですよね。
フロイスはサビエルのあとを受けて苦労して日本にやってきましたが、日本人との文化や価値観、考え方の違いに
苦悩し、さらに戦国の世に翻弄された人。その生きざまを描いている舞台。
キャストは6人。セットは本当にシンプルで、だからこそキャストの演技が際立ったような気がします。光がきれいでした。
さて、内容ですが、
「歴史が、過去が、消え失せたはずの時間と記憶が
華やかによみがえる。
イエズス会の宣教師として1563年から36年間もの間、
戦国の世を見続け、
文筆の才能とその観察力を見出され
「日本史」を書き記したルイス・フロイス。
今もナガサキの地に眠るルイス・フロイスはヨーロッパを愛し、
そして日本を愛し、人を愛した。
「対等なるものは、対等なるものに対して、支配権を持たず」
と記したフロイスが
信仰と慈愛、差別と戦いの中、
みずみずしい目を持つ一人のパードレとして、
遥か異国で触れたものとは・・・。
フロイスを題材に、
信じること、人間の愚かさと愛おしさを描く――。
井上ひさしへのオマージュとして
栗山民也✕長田育恵の二人が取り組む
こまつ座待望の冒険的新作。」(公式より)
日本の長崎の島についたフロイス(風間俊介さん)。出迎えたのは修道士のフェルナンデス(久保酎吉さん)
ザビエルが帰ったあと、フェルナンデスが日本で布教活動をしていた。
彼は大村藩の殿様をキリスト教徒としていた。
これからフロイスとともに、さらに布教活動をしてすることにしていたのだが、
突如、攻撃を受け、小島?に逃げ延びる。
そこで漁師の惣五郎(戸次重幸さん)に捕まる。彼はかや(川床明日香)に見張りをさせ、自分が
取り立ててもらうため、上のものに告げにいく。そこで、言葉がわからないながら、かやと心を通わせる。
さらに、村の女たつ(増子倭文江さん)にフェルナンデスとともにキリスト教の神の教えを説いていく。
神を信じれば、みんな「ハライソ」にいける。そこには男も女も、身分の違いもない。
フロイスは、フェルナンデスから日本語や日本の風習を学ぶ。日本での布教活動には、本国とは違って、トップダウンが大事だと教えられる。
フロイスには理解できない考え方だったが、日本では女性をキリシタンにしても、夫に否定されると元に戻る。身分が上のものに否定されると布教は進まない。
なので、日本の一番偉い人に布教しないとだめだということになり、京都に行くことにする。
大村藩を命令で脱藩し、浪人となった道之介(采澤靖起さん)を護衛として一緒に、さらには漁師をやめて何かもうけ話をと考える惣五郎、そしてかやも
一緒に京都へ。
世は戦国の世。
日本のトップ、幕府の将軍に謁見すべく京都に上ったが、足利将軍が殺害されたり、天下人は織田信長となろうとしていた。
迫害を受けたりしながらも、布教活動を続けるフロイスは、ついに信長と対面。信長は好奇心が強いので、フロイスの話に興味を持つ。
フロイスに京都での布教を認め、キリスト教を保護した。そして大名たちもキリシタンとなった。
しかし、信長本人はキリシタンにはならない。彼は自分が神だと思っていたのだろう。
キリシタンに味方する形で、敵対する寺社を焼き討ちにしたりはしたが。
信長が討たれ、秀吉の世になると、一転キリシタンは弾圧される。布教はできなくなり、フロイスたちは長崎に戻る。
さらにキリシタン弾圧は激しくなり、日本人信徒ら26人がとらえられ、長崎で処刑されるのだった。
道之助は、神が本当にいるのかを問いながらも、争いに巻き込まれて切腹。
かやも、たつも、惣五郎も、みんな死んでいく。
フロイスはザビエルから委託されていた「布教の完遂」ができたと・・・・そこで幕
私は信仰心とかまったくないので、キリスト教も仏教も含めて。
なので、神を信じればハライソに行けるというのも理解できないし、神の前には身分もないということもわからない。
でも、この時代に生きた人で、満たされない思いを持った人、ひどい境遇にいた人たちは、信仰によって救われようとしたのだろうと
いうのはなんとなくわかる。
京都に一緒に行った女性、かやは神を信じることで変化が起こると信じていたし、実際自分の運命は変わったのだろう。
ただ、芝居を見ていて、異国の戦国の世で、本当に神はいるのかとフロイス自身も悩んだのではないかと
感じました。途中、本国での彼の評価に、信仰心は普通程度というのがあったので。
でも、記録を残すことも使命だと思っていた彼は、日本の様子や布教活動をしっかりと記録として残したのでしょう。
フロイスのことだけなく、彼によって運命を変えられた、道之介やかや、惣五郎のこともしっかり描いていたから
物語は広がっていたと思います。
特に、漁師から商人になった惣五郎は、野心を前面に出していて、たくましかった。
キャストの感想
フロイスの風間俊介さん
去年の地球ゴージャスに続き、拝見したんだけど、とにかく滑舌と声がいいので
セリフはすごく聞きやすい。
セリフだけでなく、ちょっとした表情からも気持ちが読み取れて、とてもいい役者さんだなと
改めて思った。
低いゆったりとしたしゃべり方が、伝道者という役に会っていたと思いました。
かやの川床明日香さん
なんと初舞台だったそうで。全然そんな感じなく堂々とされてました。
透明感のある声がとてもよかったです。
惣五郎の戸次さん
存在感ありますよね。信仰というより商売。フロイスに、お金を稼がないと布教もできないと、言い放つのは
ある種の信念を感じて、ちょっとかっこよかったです。
他のキャストの方は、、、たぶん初めて、、、だったと思いますが、
皆さんとてもうまく、声も聞き取りやすくとてもよかったです。
その中でも道之助の采澤靖起さん
神は本当にいるのか。朝鮮戦争に出兵して命を落としたキリシタンなどを思い、フロイスに問う姿が
胸をうたれました。。。
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