もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

イキウメ「人魂を届けに」見てきました

2023-06-27 01:13:52 | お芝居

イキウメ「人魂を届けに」  シアタートラム 2023.05.27 13:00~&06.09 19:00~

イキウメは大好きな劇団。前川さんの紡ぎだす話にいつも感動する。
今回は新作ということで、めちゃくちゃ期待。

公式のあらすじ(?)は

「人魂(ひとだま)となって、極刑を生き延びた政治犯は、
小さな箱に入れられて、独房の隅に忘れもののように置かれている。
耳を澄ますと、今もときどき小言をつぶやく。

恩赦である(捨ててこい)、と偉い人は言った。
生真面目な刑務官は、箱入りの魂を、その母親に届けることにした。

森の奥深くに住む母は言った。
この子はなにをしたんですか?

きっと素晴らしいことをしたのでしょう。
そうでなければ、魂だけが残るなんてことがあるかしら。
ところで、あなたにはお礼をしなくてはいけませんね。
母はベッドから重たそうに体を起こした。

魂のかたちについて。」

 

場所は山奥の小屋のような家?
ストーブがあり、下手にはベッド。あちこちの毛布のようなものが・・・

4人の男性がストーブのまわりにいる。話しているのは浜田さん。
ビルの隙間の細い路地で二人が喧嘩をしているのを一人の男がみかける。狭い路地だから、自分しか目撃者はいない。
見かけた男は、仲裁に入るか、警察を呼ぶか。。と、そこに殴っていた方の男がやってきて
「彼とは友達でふとしたことで喧嘩になっただけ、嫌なものを見せてすまない」とお詫びにと1万円を無理やりつかませ、
二人で仲良く去っていく。見かけた男はその1万円を返す間もなかった
その1万円をどうしたか。。。彼は目撃したことを口止めされたわけで、後ろめたさを感じてしまう。そして1万円もらってもうれしくない。
そう、自分の魂を1万円で奪われたようだからだ、、、

暗転して

山奥の家。入り口から男性が入ってくる。彼は八雲(安井さん)といい、応対したのは、ここで暮らす棗(藤原季節さん)
八雲は拘置所の刑務官で、ここの住人の山鳥(篠井さん)に届け物があり、何日もかけてようやくここにたどりついたとのこと。

八雲は山鳥に、息子が事件を起こして絞首刑になったことを知っているかと尋ねるが、山鳥は知らないようだった。
八雲は息子が絞首刑になったとき、彼から黒い塊が落ちたのを目撃し、それを処分しろという上の命令に背いて拾い、箱に入れておいた。
すると、その塊がしゃべりだすので、みんな気味悪がり、山鳥のところにもっていくよう、命令されたとのことだった。
塊は彼の魂ではないかと。人魂を届けにこの山奥にやってきたのだと。

八雲はその箱を出す。魂の声は棗には聞こえるが、山鳥には聞こえないという。

この家は、お母さんと呼ばれている山鳥の家で、電気も電波も通っていない。郵便も来ない。自給自足の生活をしているらしい。
家にいる男性4人は、山鳥の息子ではなく、みんな森の中で行き倒れていたのを山鳥に助けられ、介抱されそのままこの家に居ついている。

その中に、陣という男がいて、八雲が驚く。彼は公安の人間で、八雲より後に出発したのに、先にここについていた。
陣は八雲のあとから出たが、迷子になり、山鳥に助けられてここにいるらしい。しかし一度、ここから出て行ったのだが、町には戻れず、
やはり山鳥に助けてもらったのだった。

他の3人の身の上話もそれぞれ語られる

お母さんこと山鳥も公務員であったパートナーの男性が、命を落としたという事実が明らかになる。

そして、八雲も自分の身の上の話を始める。息子が行方不明に。妻は心を病み、それを治すために詩を書くようになった。
その詩が素晴らしいことに気づいた八雲は、妻に内緒でコンクールに応募。賞を受賞する。喜んだ八雲だが、妻は怒って家を出て行ってしまった。
妻は自分の魂が奪われてしまったと思ったのだった。

陣は再び町に戻ると言って、ここを後にする。
八雲は山鳥に聞く。本当は死刑になった息子はあなたの実の子ではないんではないか。
しかし山鳥はちゃんと答えない。

ひとりの若者が、自分も町に出て行こうと思うと告げる。
山鳥は壮行会だと、鍋を作り始め。。。持ってきた人魂を鍋の中にいれる。八雲は止めようとするが
他のメンバーは気にしない・・・

八雲はしばらくここにとどまるという。
彼はこの先も、ずっと拘置所の刑務官として仕事をしていくことに決めたという
亡くなっていく人のものの(魂の?)キャッチャーに、「そんな人間に私はなりたい」

~幕~


なかなか難しい芝居だった。世界観がわかりにくいというか。。。
今の社会の枠組みから外れてしまうと、生きづらく感じるものたち。
そんな人たちを受け入れるお母さん。この世からの逃げ場を作ってくれてるお母さん。

だけど、そこに現れる、秩序社会の象徴のような八雲。
でも、その八雲にも生きづらさはあって。。。そんな八雲も受け入れるお母さん。

あの山奥の家は、現実世界も何もかも超越しているような、別の世界なのかもしれない。。。なんて「イキウメ」的に思ってしまった。

それにしても、人魂って本当にあるのだろうか。
最初に浜田さんが話した自分の魂を一万円分奪われた話につながり。。。
ここに集う人たちは、みんなある部分の魂をなくし。。。そこを埋めてくれるのが、お母さんの存在なのかな。

なんて、もやっとしながら見た芝居でした。難しいけど、こういう芝居やっぱり好きです。

客演の篠井さんは、本当にすばらしかった。
そこにたたずんでいるだけで、存在感が・・・抜群
落ち着いた語り口と微笑みが、周りを取り込んでいく・・・・ちょっと超越しちゃってました。

藤原季節さんは初めて拝見。イキウメの世界にしっかり溶け込んでいた。
目力が強い役者さんですね。また別の芝居で見てみたい。

イキウメのメンバーは何もいうことなしで。。。
安井さんは真面目な刑務官役で、どこにでもいるような普通の人を演じていたけど、
でも、実は陰を持つ人で、、、すごく深い感じがよかったです。

それから、、、浜田さんの声はホントに素敵、最初の路地の話をしていたとき、
聞き入ってしまった。ドキドキしちゃいました。

あと、公安の陣を演じた盛さん。
公安ということを隠しているのに、フッとばれてしまったり、町に戻ると出ていくのに、
結局この家に戻ってきてしまうという。真面目で堅い人かと思いきや、ちょっと抜けてる感が
なかなか合ってて、私は好きでした。。。


また、「イキウメ」の芝居見に行きたいな。来年もぜひ公演してほしいです。
あ!シアタートラムと「イキウメ」ってすごく合うな~と。次回もここでやってほしいです。

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