もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

NODA・MAP 第27回公演 「正三角関係」見てきました

2024-09-05 00:28:17 | お芝居
NODA・MAP 第27回公演 「正三角関係」 東京芸術劇場プレイハウス 2024.08.22 19:00~

NODA・MAPは最近、そうでなくてもチケット争奪戦が激しく、見に行くのが大変なのに、、、
今回は、松潤が主演ということで。。。激戦も激戦も大激戦。
野田地図先行はもとより、ぴあもローソンもイープラスも何度も何度も落選で。。。
(こういう時に限って、キューブの役者さん出てないから、キュービット先行もないし)
そしたら、一番最後の、ぴあNICOSカード先行で、ひっかかりました。。。やったー。

しかも、、、そんな最後の抽選だったのに、最前列(端の方だけどね)ってどういうこと?

ってことで、行ってまいりました。

いやあ、すごいものを見たなという感じかな。

野田さんの芝居にしては、テーマが早めにわかるようになっていて
(大体は2幕になってようやくというのが多い)、太平洋戦争、そして長崎に落とされた原爆だと察しがすぐについてしまった。
なので、単純な頭の構造をしている私には、わかりやすかったかな~

今年は、「イノセントピープル」の芝居も見たし、この前直人ツアーで広島に行ったときに、原爆ドームもいったりしたので
身近に感じていたことだったので、余計刺さってきたのかもしれないです。
原爆ドームの前で、ピースして写真撮る、白人のグループを見て、ちょっとやるせない感じになったりして
ワタシ的にはナーバスだったわけです。。。この話は。

お話は ドストエフスキーの小説「カラマーゾフの兄弟」の設定からなるということで、「カラマーゾフの兄弟」といえば、
吉田鋼太郎さんや市原隼人さん、斎藤工さん、林遣都くんのドラマのイメージが強くて・・・
あ~そういえば、高梨臨ちゃん出てたなとか、松下洸平くんがキーマンだったなとか、ついつい思い出しちゃってたんですが、
設定を借りたというところでしたね。

原作でいう強欲で成り上がりの父親フョードルならぬ、唐松兵頭を竹中直人さん。長男で真っすぐだけど放蕩息子のドミートリイならぬ、唐松富太郎を松潤。
彼は、花火師という設定。二人が取り合うグルーシェニカ・・・これはこの話ではで火薬の名前となっていて、富太郎はとくにこれを大事にしていたという
設定。だけどグルーシェニカという女性も登場し(長澤まさみちゃんが二役)、この女性をめぐる三角関係も・・・
そして、次男のインテリな科学者イヴァンならぬ、唐松威蕃を永山瑛太さん。彼は物理学者、三男の修道僧アレクセイならぬ唐松在良という聖職者を長澤まさみちゃんが演じている。

芝居は、富太郎が父親殺しの罪で裁判にかけられているところから始まる。
富太郎の弁護人不知火が野田さん。そして盟神探湯検事が竹中直人さん。
法廷には、次男と三男。それから小松和重さん演じる唐松家の番頭も出廷している。

裁判が進み始めると、空襲警報が発令され、人々は避難。そのたびに、富太郎は柱に手錠でくくり付けられる。
裁判のシーンと、空襲警報のシーン、そして三兄弟の話と、あちこち動くのでちょっとめまぐるしかった・・・

富太郎は花火で人を幸せにしたいという思いから花火師になった。次男の威蕃は、量子力学に目覚めて、物理学者になった。そして三男は聖職者になった。
富太郎はグルーシェニカという名前の火薬を軍に取り上げられて、花火を打ち上げることができなくなっている。その軍に協力して儲けている父親に対して
恨みを抱いている。そのため、途中途中で、ボクシングのリングが現れ、富太郎と兵頭が対戦。富太郎が父を殴り倒す。

裁判の証人として、池谷のぶえさん演じるウワサスキー夫人が出廷。彼女の証言によって、二人の関係が明らかになっていく。
二人の間の確執には、グルーシェニカという名前の火薬だけでなく、グルーシェニカ(長澤まさみさん二役)という女性もあったことがわかってくる。
富太郎には、村岡希美さん演じる生方莉奈という婚約者がいたにもかかわらず。。。である。しかし生方莉奈は弟の威蕃にも好意をよせていた。
三男は聖職者といっても、浦上天主堂で台所の下働きをしている。そして次男は新型爆弾(原子爆弾)の研究をしているらしい。

空襲警報は相変わらず鳴り、そのたびに裁判は中断となる。戦争は激しくなっているようだ。
アメリカ軍は原爆を作り、それをどこに落とすかを話し合っていた。いくつかの都市が候補にあがり、8/7に広島で落とされた。

一方、裁判。結局、富太郎は父殺しで有罪になる。しかし、次男が研究している新型爆弾に点火するためには、富太郎の花火師としての
腕が必要ということで、釈放される。富太郎は長崎を旅立っていく。

8/9、空襲警報がやんで、人々がほっとして防空壕をでたとき、、、長崎に原爆が落とされた。
残った富太郎の独白。一人の男が一人の命を奪って裁かれる。でも、一人が大勢の人の命を奪ったことが裁かれないとは。。。この場合、だれが裁かれるべきなのだろうか



上にも書いたけど、今回は、早い時間に長崎の原爆の話だとわかったので、それを頭に入れながら、見たので
瑛太さんの役割も。。。それから池谷のぶえさんのセリフも、そういうことか。。。何となくわかるという点ではみやすかったです。

瑛太さんが研究していたのは、日本も秘密裡に開発していた原爆で、ただそれが完成する前に、先にアメリカが完成させ
広島と長崎に投下してしまった。だからアメリカが戦争に勝った。そしてその原爆を投下した人は、多くの命を奪っても
何も裁かれない。
ひるがえって、次男が先に完成させてたら、そして点火技術のことで、長男がアメリカに投下する役割を果たしていたら、日本が勝って、
そして長男は裁かれたのだろうか。
そう考えると、すごく奥が深いテーマだなと。。。思ってしまう。

舞台「イノセントピープル」では、原爆を開発していた研究者は、罪の意識から、命を絶ってしまっていた。。。
父殺しの罪、そして戦争時の罪。。。戦争という異常事態における罪の軽重。
今も、ウクライナで、ガザで戦闘が起きている。そういったことを踏まえての野田さんの提起なんだろうなと。

ただ、重いテーマではあるけど、言葉遊びも楽しかったし、アンサンブルはかっこよかったし、
布とかボールとかリボンとか小道具を使った演出はすてきだった。たくさんの人でいろんなこと、いろんな場面を表す切れの良さは
NODAMAPの醍醐味だなと、改めて思ったのでした。

キャストの感想。。。

富太郎の松本潤さん
松潤の芝居を生で見るのは初めて。
最初出てきて思ったのが、、、松潤太った?顔が大きくなった気がしたんだけど。
それと、1幕の最初からかなり汗かいてた。。。ステージ上は暑いんだろうか。
笑顔がない役だから、ずっとつらそうな苦しそうな顔で、、、カテコでも笑顔なかったのがちょっと寂しかったかな。
でも、力強かったし、富太郎のもつ苦悩をしっかり表してて、最後の独白もすごく良かったと思いました。
また、舞台に出てほしいな~(チケット大変だけど)

次男の威蕃の瑛太さん
NODAMAPにはよく出てるし、演技力はさすがでした。
量子力学の説明のときに、量子を表すカラフルなボールが飛び回る演出が好きだったな~
ノートに向かって数式を必死に書いたり、彼の頭の中が画面に現れたり。。面白かった。

三男の唐松在良役とグルーシェニカの長澤まさみさん
いやあ、素晴らしいですね。二役。早着替えもさすがでした。
舞台を見たことも何回もあるけど、やっぱりすごい役者さんだと思う。特にグルーシェニカが色っぽくて。。。
聖職者の三男とのギャップがまたすごかったです。
声がやっぱりいいんですよね。すごく通るよい声をしていると思います。

父親と検事の竹中直人さん
存在感ありますよね。声もとてもいい。
ふざける感じの時も好きです。
検事役も似合ってました。

それと。。。。ウワサスキー夫人の池谷のぶえさん
いやあ、存在感抜群ですよ。出てくるなり場をさらってしまうっていう。
いろんな小道具を使いながら、笑わせながら、セリフをしっかり言い切る。すばらしすぎです。
飼っている猫の名前が「ケラリーノ・サンドロヴィッチ」っていうのには、ケラさんの顔が浮かんできて、爆笑してしまったです。

村岡希美さんや小松和重さんも芸達者なんだけど、今一つの出番で、使い方がもったいないな~とつくづく思っちゃいました。


この時期に、こういうテーマの作品。。。キャストの演技もよかったし、
ほんとにすごい舞台を見たなと思いました。そして改めて戦争の悲惨さと平和の尊さを感じました。
被爆国であるからこそ、もっと発信しなければいけないことがあるなと、思いました。

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