カトリック菊池教会 


毎週の福音書と典礼にそって人生の素ばらしさを探る一言
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毎週の一言 1- 12 (聖ペトロと聖パオロの祝日)

2008年06月28日 | 神父様からメッセージ(A年)
イエス様のことを愛される皆様へ、

南風は南から吹く夏の風で、関東以北では「みなみ」、九州では「はえ」と呼ぶことがあります。もちろん普通に「なんぷう・みなみかぜ」とも呼びます。さわやかで暖かい順風で、船乗りに好まれるのです。これが梅雨のころに吹くと「黒はえ」、梅雨明けのころに吹くと「白はえ」と呼びます。
 さて、聖ペトロと聖パウロの祝日にあたって、わたし達は嵐に逆巻く波に悩まされた、聖ペトロの小さな舟を思い浮かべます。それはわたし達の愛する教会の姿です。しかしその小舟は南風のような風にも押されて、永久に喜びのあるところへ向っています。
今日の聖書の朗読はいくつかの場面を豊かに描写してくれています。確かにイエス様のことは皆が口にしていたと思います。イエス様の言葉も知られ、行いも皆の目に明らかでしたし、驚きばかりでした。それに気付いたイエス様は、弟子達や後に従う者たちに次ぎの質問をされました。「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」使徒ペトロは皆の心や、信仰をあらわしながら、次のように答えました。「あなたはメシア、生きる神の子です」このようにペトロの信仰の告白は、その時から風のように、川の流れのように私たちにまで及び、その流れを貴重な遺産のように受けた私達が後の者達にまた、送り渡す事になります。イエス様がペトロになさった質問は、今でも私たちに向けられています。そして、神様からいただいた今日の一日の中で答えるように勧められています。「イエス様は自分にとって何者か」と。
ペトロは何より深い信仰の告白を教えてくださいました。わたし達の人生において、その質問に対する答えは何でしょうか。
ローマへの手紙10・9でパウロは次のように述べています。「口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あなたは救われるからです」
今日は聖ペトロと聖パウロの姿を並べて見出すことになりました。二人は別々の道でイエス様を愛して従いましたが、しかし、かれらの道の歩みは一つのところで再び会うことになりました。それはイエス様のためには刑場となったローマでした。ペトロはイエス様のことを、知らないと言いました。しかしその自分を恥じ、深く悔い、真実の信仰に立ち返りました。そして、イエス様に赦されて、教会の頭として選ばれました。一方パウロは、全世界を駆け巡りイエス様の真実の姿とその心を告げ知らせました。今年は教皇様の呼びかけによるパウロの年になっています。わたし達もパウロの人生を見習って、思いを新たにする時になっています。パウロの改心、パウロの情熱は私たちにとっても参考になるのではないでしょうか。
この祝日が教えてくれるのは、信徒達の間に違う思いや違う行動があったとしても、一致できることがあるということ。それは、イエス様に対する愛です。そしてその愛のために、命を捧げるほど、人生のすべてを尽くすことです。
                           モヨリ神父

* 【注目】
毎月の第一と第二の木曜日、午前十時から信徒会館で、
聖書による「イエス様のたとえ話と奇跡について」の勉強会があります。