旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

涙のML症例検討

2013-01-29 23:51:06 | 交友
HUSM(北大医学部)出身の金澤剛志君は神奈川の研修病院で腕を磨いています。

TFCというメーリングリスト(ML)で自分が経験している症例での疑問点を投げかけました。親の被爆、家族のがん、医療不信などがあり、アルコール依存で肝臓はかなり痛み、発熱、咳嗽の原因が何だろうと悩んでいるとのことでした。

MLでなくこっそり助言しました。症状の原因は難しいことではなく、機序はシンプルなものです。彼は親の被爆の影響があるのではと悩んでいる様子で、広島の先生が「影響はない」と明確に回答されました。

問題はアルコール多飲に走ってしまう背景です。そこに共感して、今後のゴールを少しずつ話し合うことがたいせつではとぼくから書きました。

さすが金澤君。メールによると患者さんの物語をよく聴き、背景をきちんと把握していました。患者さんからの信頼も芽生えつつあるのです。ぼくはうれしくて涙が出ました。

お返事では彼もぼくのメールに涙を流したということです。

学生時代はいろいろなご苦労がありましたが、それをバネにしっかり良き臨床医への道を進んでいるようで、ぼくのはうれし涙です。

春には北九州の病院に移るそうですが、金澤君の将来が楽しみです。