旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

「日本の自殺」グループ1984年(文春新書)

2012-06-28 23:15:15 | 読書
わが国の年間自殺者数は1998年から3万人を超えています。

それ以上に問題なのは日本の「国自体が自殺しつつある」こと。それを予言した本がずっと昔に出ていたというのです。

「グループ1984年」はペンネームです。20数名の学者グループだそうです。この本の元になっている論文は1975年に『文藝春秋』に発表されました。

趣旨は「国民が利己的な欲求の追求に没頭し、難局をみずからの力で解決することを放棄するようになり、しかも指導者たちが大衆迎合主義に走ったとき、国家が自殺する」ということ。

モノの豊かさが人間の幸せに通じると信じて走ってきた日本。崩壊への道をしたすら走ってきたのです。

今、高齢者ケアの仕事には「モノカネの豊かさなんて人間の幸せには結びつかない」ことを周囲に身をもって伝えていく。そういう使命があるように思います。

認知症もうつ病も、そして自死さえも人間の生き方の多様性の中に含まれている。その一部に過ぎず、ごく自然なこと、病気と受けとめること自体が病的と思われてなりません。