旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

前沢政次の病気(1)

2012-06-08 21:29:02 | 日記
まずまあどんどん進んでいるのが認知症。もの忘れがひどいです。きのうも介護支援専門員協会の欠席連絡を忘れ、その上、携帯を車の中に忘れて飛行機に乗ってしまう。それに先天性のあわて症。そして最近は大学勤務を辞めたのに、仕事が多く焦っているのでどうしようもありません。

周りはあれでよく診療ができると心配してくれています。確かに。

まあ、外来診療の時は、なるべく自分では集中力・集中力と念じつつ。トリプルチェックの厳重さ。後期研修医師、処方打ち込み作成・文書作成を担当するクラーク。彼女は患者さんの話をよく聴いてくれていて「せんせ。湿布もほしいって言ってましたよ」「きょうは下剤はいらないって言ってました」と忠告してくれ、最後のチェックは検査や処方箋を見直してくれる看護師。それでも患者さんの要望に合わないと会計担当事務からフィードバック。

これだけ守ってくれると認知症老医師でも、患者さんに危害を加えることはないのです。あああの、小さな失敗で済んでいるのはこれまでのところですが。これからは認知症も治してがんばりますぞ。でもさらに進行するかも。

さて、次なる病気はこだわり症。最近はえらくContexual Careにこだわっています。暴言もしばしば発します。「患者の背景や生活を知らずに薬を出すのは、鶏に餌を投げるようなものだ」「看護師よりも俺のほうが看護している」これじゃ、周りの看護師さんたちは「困ったわねえ。早く前沢を辞めさせねば」と作戦会議を始めている(これは冗談と信じたい)。

でも、ナイチンゲールは警告していますよ。
「人を愛するには、まずその前にその人を知らなければならない。知り合い、友情を抱き、しかる後に愛する、という順序でのみ人は愛に至るのである。
 そして病む人の考え方や習慣や生活などについてのきめ細かで正確な知識を持った上で抱く共感から生じる愛は、単なる感情などではなく、積極的で実りある熱情なのである」(「町や村での健康教育」1894年)

このへんは病気なのか、信念なのか?   患者さんはどう思っているのか、だれか聴いてあげてくださいませ。(注:ぼくは外来患者全員にそうしているわけではありません)