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俳優・勝地涼くんのこと。

『未来講師めぐる』(2)-1(注・ネタバレしてます)

2009-06-19 01:24:24 | 未来講師めぐる
〈第1回〉

・導入部でいきなり街中を走るめぐる(深田恭子さん)の姿。途中映像が早回しになるのとその際のちょこまかした効果音でコミカルさ(めぐる本人はシリアスにパニクっているが作品としてはコメディであること)を表現している。
走るめぐるの様子を追う間に公園で遊ぶ子供たちやストリートダンサーのの女の子の姿を挿入し、おじいちゃん(地井武男さん)の語りの形で「この子はキャバ嬢」「この子はヤクザ」などとおよそ映像と合致しない人物評をかぶせる。
この時点では何が起こってるのか全くわからない、しかし何かしら謎があることを予感させ興味をひきつける。ツカミは上々。

・「おじいちゃんおじいちゃん!」と叫びながら走り続けためぐるが、つまずいたはずみに自宅の壁を飛び越え庭の花壇?に飛び込む。思いっきり特撮な映像が嘘臭くて笑えます。花の密生の仕方もいかにも不自然で(笑)。

・「私はめぐる。吉田めぐる」ではじまるめぐるのモノローグ。この先ずっと続く定番オープニング台詞のはじまり(やはり宮藤さん脚本の『タイガー&ドラゴン』もキャラ回り持ちで定番オープニングパターンをやってましたね)。
こうしたパターンの繰り返しが『めぐる』の面白さの一翼を担っています。

・めぐるが勤める進学塾「大親切アカデミー(仮)」の看板が大写しに。(1)でも書きましたが、最初番組公式ページで「塾の名称がしょっちゅう変更になる」設定を知ったときには何かすべってる感をおぼえたんですが、これも毎回のお約束になることでしっかり笑わせて頂きました。パターン化することで愛着が湧くというか。
回を追うごとにこの作品にはまっていった、キャラクターの一人一人、ネタの一つ一つまで愛おしく感じられるようになったのは、ここに秘訣があったように思います。

・生徒の中学生(後から思えば今市くん)に「pineapple」の綴り間違いを指摘されるシーンでピコピコハンマーみたいなユーモラスで可愛い効果音が鳴る。こうした効果音も『めぐる』の魅力の一つ。
スタッフさんたちがこのドラマを愛情を込めて大切に作っていったのがよく伝わってきます。

・めぐるをつけ麺屋に誘う江口=エロビデオ先生(星野源さん)。ロッカーに体をもたせかけ右手をロッカーの上について左手親指で後方を指差す。
そのキザなポーズと喋り方で、もうエロビデオのキャラクターをわずかの間に体現している。星野さんの表現力と演出の匙加減に拍手。

・江口の台詞に高尾山先生(正名僕蔵さん)からのツッコミが。ここでの「上沼恵美子と黒柳徹子、どっちが人の話を聞いてるか」という高尾山発言に見られるような、ストーリーに何の関係もない、かつちょっと毒を含んだ台詞をさらっと会話の中に混ぜてくるのが宮藤流のユーモアですね。このしょーもなさが味。

・江口の話にろくに関心を示さず講師室に常設のお菓子置き場でキャンディを物色するめぐる。めぐるの食いしん坊キャラがさりげなく示されている。
ついでに全編通して活躍(?)するこのお菓子置き場が、講師室の場面で画面に花を添える効果をあげています。他にもぬいぐるみやカラーファイルなどの小道具がこの講師室をいかにも楽しい雰囲気に演出している。

・門伝塾長(武田真治さん)登場。こちらも動作や表情がいちいちキザですが、江口のような残念感がない。
でも素直にかっこいいというよりは「ちょっとずれてるヘンな人」という印象になっているのが上手いです。後々はっきりするように、それが塾長のキャラなわけですから。

・つけ麺屋に同行したがる塾長に、江口はあからさまに嫌そうな顔をしたあと「板橋(の店)なら入れますよ。地図書きましょう」と言い出す。そこまでして塾長を連れてきたくないか(笑)。いかに三人しか入れないにしてもねえ。
さっきのシーンに続けて高尾山先生が江口の計画をぶち壊すようなツッコミを入れているのが、反復による笑いを引き出しています。

・「私がつけ麺を食べている間おじいちゃんの話をします」とナレーションしながら、「20年前」の表示とともにいきなりバブル期のディスコで踊るめぐるの父・はまる(船越英一郎さん)の姿に。「まちがえた。これは父です」とはまる関連の話題をいったん締めて本題の回想へ移っていく。
構成としては話の流れがスムーズじゃなくなってますが、早めにはまるの一癖ありそうなキャラを印象づける効果を上げています。

・ぼろぼろの浮浪者ルックでめぐるを訪ねてくるはまる。このとき連れてるホステス風の女性がいちいち腰に手をやって体をそらせるようないかにもなポーズをつけてるのが笑えます。

・父はまるの栄光と没落を描くめぐるの回想。わかりやすいバブリーさとその弾け方(笑)。わざとベタベタにしてあることで笑いを誘う。

・いろいろあってタイトルバックがやっと出る。コミカルなテーマ曲をバックにした、アニメと合成されたキャラクターのコミカルな動きがバカバカしくも可愛らしい。このオープニングにも回を重ねるごとに愛着が出ましたねえ・・・。

・講師室で赤坂くん(佐藤和也くん)の成績不振と流星高校受験について語りあう先生たち。
塾長の独特の節をつけた話し方が、説明台詞も鬱陶しくならずに聞かせる。会話に江口がからんでくるタイミングもグッド。

・生徒と普通にメールをやりとりすると話すめぐるに、江口は「中三て言ったら体も心も立派な大人の男性なんです」と危険性を力説するが、「大人の男性」という時に両手で作ってみせるラインが・・・(笑)。それは女体型だ。このシーンにツッコんだ人多かったろうな。

・「中三の性欲」の話から若者言葉「パねえ」の話に。公式サイトのブログ名(パねログ)にもなったこの「パねえ」、勝地くんが高校時代に使ってた言葉として宮藤さんに何気なく話したのが使われたそう。うーん影響力大きいぞ(笑)。

・塾の名前変更を検討する塾長が、模範的塾の名称をヘンなジェスチャー付きであげる。ドラマ放映開始前のメイキング番組によると、この場面結構苦戦したんだとか。
塾長は常にヘンなテンションでヘンな行動をする人なので、武田さんもさぞ大変だったと思います。

・自分が陰で「エロビデオ」をあだ名されているのを知って激昂する江口に高尾山が「江口ひでお」だから「エロビテオ」になるのだと図解する場面で、バックに「アーン」と女性の甘い声が入るのがベタだけどナイス。
「親しまれてるってことじゃないか。あやかりたいよ」と江口の頭上の空気(オーラ)を自分の頭にかぶせるような仕草をして手を合わせる塾長も笑えます。

・江口に私立中学の教師を辞めた理由をつっこまれた高尾山が「淫行ですが何か!?」と逆ギレする。この発言で一見地味な高尾山のインパクトが一気に増した(笑)。
しかし(女生徒への)淫行で辞めた教師を、若い女の子も受け持つ進学塾の講師として採用するのもどーよ。

・ユーキくん登場。意味なく「あはははは」と軽やかに笑いながらローラースケートで滑ってくる。ああなんて無駄に爽やかなんだろう。
しかし(1)でも書きましたがこのバイトの制服、足の細さと長さ(ローラースケート履いてるせいもあるけど)を際立たせていてナイスです。ゴミ箱に勢いよく突っ込んでゴミ箱の底から頭だけ出した状態になるのもベタすぎて(苦笑)。

・焼肉屋でのめぐるとユーキ。めぐるを呼び捨てにする課題に懸命に挑むユーキの「めぐる、何食べますか」に始まる、「いちいち頭に「めぐる」とつける台詞」連発が可笑しい。
この場面、声の調子や間の取り方、早口な喋り方、せわしなく水を飲み干す様子などでユーキの緊張を上手く表現していて、さりげなく名演技だと思います。

・ビビンバを注文したかどうかでユーキと店員がもめる。この時店員が口にした「アミンバ」ネタがまさか最終回で再び使われるとは。用意周到な伏線、というよりふと思い出して使ったんだろーな。

・中学の頃デブだったから塾を辞めた、という話のところでデブッた男性がテーブルの前を通り過ぎる。こういうどーでもいいような小ネタの数々が妙にツボにはまります。

・ユーキのわかるようなわからないような話に「面白いからいいや」とにこにこするめぐる。笑い返すユーキ。もう見るからに頭悪そうなカップルですが何か微笑ましい。
こんな彼らの関係は多少の波乱はあっても基本的に変わりませんでしたね。

・ジュージューパラダイス店長藪中(佐藤二朗さん)登場。喋り方から雰囲気からウザさ満点。第一話の時点でよもやこの店&店長が毎回のように登場することになろうとは思いもしなかった。毎度のように店長と言い争いながら、それでもこの店に来るんだよなユーキ(笑)。頭下げたままぐいぐい迫ってくる店長の頭をユーキが押さえてるのも笑えます。

・女子トイレで「さすがにおなかいっぱいだー」とおなかをさするめぐる。能力覚醒への前振りシーンですが、それにしてもあの量を全部食べたんだ?さすがは食いしん坊キャラ。

・ユーキ43(田口浩正さん)登場。事前情報なしに見た視聴者には、ユーキの20年後の姿が見えてるのだとすぐにはわかるまい(第4回のアキラ=塚本高史くんみたいな老け方ならぱっと見てわかりやすいのだけど)。
しかしめぐるが彼を評して言う「太ってハゲてニヤニヤした」おじさん、という表現はあんまりな(笑)。そこまで太ってもハゲてもないような。まあ、今は可愛い彼氏がああなると思えばいささかショックではあっても見慣れてくれば十分可愛いオジさんという感じで、実にナイスキャスティングだと思います。
ちなみにユーキ43が田口さんになったのは、勝地くんがインタビューで「20年後はどんな風になってると思うか」との質問に「田口浩正さん」と答えたかららしいです。別のインタビューでは「20年後には田口さんみたいな俳優になっていたい」と答えたのがこのキャスティングのきっかけ、みたいな表現になってましたがどっちが正しいのやら。

・あやしいオジさん(実は未来のユーキ)に見つからないうちにと、そそくさと立ち去るめぐるとユーキの後ろで店員の女性が「10万もらった」とバンザイしてる。
これは台本によれば、はまるがこの日の会計を気前良く払ってくれていた(めぐるの誕生日だからと特製ビビンバを注文したのも彼)という意味らしい。編集段階でシーンをカットしたせいなんでしょうが、ちとわかりづらい。

・「エロビデオ先生」と二回呼びかけて無視されためぐるが、「エロ、ヴィデオ先生」と英語発音で呼びかけ直す。こういう下らない小ネタが大好きですホント。

・赤坂くんが心配だと言いながら、無意識に塾長の持ってるお菓子のお皿に手が出てるめぐる。どこまで食いしん坊。
さらに高尾山が1日遅れのバースデープレゼントだとスイーツのケースを差し出すが、あれ全部めぐる専用!?でもめぐるならあっさり食いつくしそうな気が。

・小5クラスの生徒たちがいきなり大人に見えた謎を解明するため、教室を飛び出して講師室に戻りシュークリームを頬張って駆け戻るめぐる。
授業中のはずなのに、このあからさまな奇行に対して高尾山も塾長も「よっぽど美味しかったんでしょう」「うれしいねえ」と完全野放し状態。確かに(先生たちにとって)居心地は良さそうな職場だけど、この塾から有名高校合格者が出ない理由がわかる気がする(笑)。

・動揺のままに塾を飛び出しユーキの元へ向かうめぐる。まずはおじいちゃんよりユーキなのね、とちょっと微笑ましい。
めぐるに向かってローラースケートで走ってくるユーキ43の足さばきがちょっと危うい。番組放映開始前のスペシャル番組で、勝地くんが「田口さんからあんまり上手にスケート滑るな、先輩つぶしかって言われた」と笑って話してましたが、なるほど。
でもこのよたよた感もユーキ43らしくてかえってナイス。

・ちなみにユーキ43の服は23歳のユーキと同じ「ダイアナ」の制服のまま。
他の生徒たちは皆年齢に応じた(その職業を表すような)服装に変わってるのに、なぜユーキだけ服は今のまま?と思ったら数話後に理由が明かされましたね。20年後もダイアナで働いてたのね。

(つづく)

 

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