・火星宙域に到着した調査隊の指揮官はキム中将。なぜこんな危険な任務に志願したのか、という部下の質問に中将はスミルノフ大佐の名前をあげ、「出世欲に取りつかれた私の人生だが、人類の危機となれば一度くらい彼のように生きてみたいと思ったのだよ」。
ここで大佐の名前が出てくるのが胸熱。クーデターに参加したとの誤解に基づき、汚名を着せられたまま元々折り合いの悪かった実の息子に殺された(大佐は最後まで息子を守ろうとしていた)大佐の人生は客観的には幸せだったといえないかもしれないが、自分に致命傷を与えた息子の命を救おうとした(実際に救った)大佐の最後の表情は穏やかだった。
その生きざまがこうしてキム中将みたいな人にも影響を与えてるくらいだし。少し後にまた大佐によって人生がかわる程の影響を受けたある人物の立派な死にざまが登場します。
しかしなぜキム中将前髪がひとすじだけ長いんだろう。高級軍人らしくなくてちょっと意外。まあアロウズの最高司令官だったカタギリ(ビリーの叔父)も後ろ髪が長かったですけどね。
・「様子を見ても埒は明かない」と勝手に一機だけ先行するガデラーザ。しかし「放っておけ。これで敵の真意もわかる」と中将は容認。先にいい台詞言ったばかりですが、この人も結局最高司令官同様、デカルトは囮役という認識なんでしょう。
デカルトの方も自分に対する周囲のそうした見方を理解していて、そのうえで利用しようとしている。お互い利用しあうだけの、同じイノベイターでも刹那とその他のプトレマイオスクルーの間のような信頼関係を築けないこの人も何だか気の毒だ。
・ELSの攻撃をGNファングで迎え撃つデカルト。「このもののけどもがぁ!」
デカルトの台詞はちょっと時代ががってるというか大仰なものが多いのですが、とくに目立つ台詞がこれ。もののけという表現につい笑ってしまいますが、彼がELSをただただ怪物とみなしている、意思の疎通を図ろうとする気持ちが微塵もないことを端的に示した台詞なんですよね・・・。
ここからの戦闘シーンはとにかく動きが目まぐるしく迫力満点。明るい赤を基調とした光線の軌跡も美しい。
・「頭に響くんだよ!叫んでばかりで!」ファーストシーズンの時から思っていたのだが、ソーマ・ピーリスが使っていたような脳量子波を遮断できるパイロットスーツをなぜアレルヤやデカルトは着用しないのか。
当時の人革連が作れたものを人革連を内包する連邦軍、テクロノジーで彼らの上を行くソレスタルビーイングが作れないとも思えない。確かに超兵を生み出した超人機関を有する人革連はその点で開発にアドバンテージがあったかもしれないけれど。
まあデカルトの場合は脳量子波を利用しての囮役を期待されてるので脳量子波を遮断したら意味がないかもしれないが(小説版ではデカルトについて「脳量子波を遮断していた専用のパイロットスーツ」という文章があるので、あれでも着用していたらしい。あまり役に立ってないような)アレルヤは謎。別に脳量子波で誰かとコンタクトすることを望まれてたわけではないうえ、戦場でピーリスとかち合うたび戦闘不能に近い状態に陥ってたというのに。
・ガデラーザ以外のMSも善戦するものの、次第にELSに取りつかれる機体が増えていく。しかもMSに取りつかれるとあっという間にコクピットおよび中のパイロットまでが金属化してゆく。
これは恐ろしい。普通にミサイルやビームを撃ち込まれたとか実体剣で斬りつけられたとかで爆発炎上する方がまだしも覚悟が決まるというか、未知の生物に体が徐々に侵食されてゆくというのはとんでもない恐怖だよなあ。
・MSが取り込まれてゆくのを見てキム中将はELSを敵対勢力と断定する。「対話の可能性をさぐる」という名目通り、戦闘行為が始まってはいても、ここまでは一応完全に敵と見なすことはせずにいたわけですね。
ただ「対話の可能性」のあるデカルトにまるで対話の意志がなかった、むしろ最初から叩き潰す気満々だったわけで、その内心が脳量子波を介してELSにも伝わった(デカルトにELSの思いが「叫び」としか感じ取れなかったように細かいニュアンスはわからなかったろうが、強い敵意と拒絶の感情は何となく感じ取れたのでは)ことが事態を悪化させたような感もあります。
・航宙巡洋艦に接近するELSに対して大量の迎撃ミサイルを発射。しかし量で勝るELSはミサイルに取りつき金属化、巡洋艦に接地?してどんどん侵食してゆく。
キム中将は総員脱出ポッドに移動するよう命令を出すが、とりわけ大型のELSが飛来し、巡洋艦にがっつり取りついて一気に金属化を進める。悲鳴をあげながらどんどん金属の結晶に飲み込まれてゆくクルーたち。
中将は「認めん、これが現実だと・・・」と驚愕の目を見開きながら足から頭へと侵食されてゆく。この状況で悲鳴も上げず意味のある台詞を残せたこの人はさすがに指揮官だけあるというべきか。
・「母艦が取り込まれた・・・?」 デカルトの表情も声音も驚きだけでない悲しみのようなものがある。
周りの軍人たちとの間に信頼関係がなかったとはいっても、突出した能力を持ちながら脱走を企てるでもなくモルモット扱いになんだかんだ甘んじていたこの人は根っからの軍人であり、軍への忠誠心も帰属意識も強かったのだと思う。
自信を漂わせた冷笑でも苛立ちでも苦痛に呻く顔でもない、こんな人間的な表情をデカルトが見せたのは初めて。人間を劣等種よばわりしたり何かにつけ敵対的態度ばかりみせたりしてるこの人を嫌いになれないのはこういうところ。
・しかしすぐに平常心を取り戻したデカルトは「ここで死ぬ気はない、一網打尽にする!」と母艦およびもう二つの巡洋艦も次々に大火力で撃ち抜き、爆散させる。
この時「これは味方殺しではない!すでに彼らは・・・」と戦いつつ口にする。誰が聞いてるわけでもないのでこの台詞は自分自身に言い聞かせるためのもの。それだけ全員死んでるはずとわかっていても友軍を攻撃することに抵抗感があったんでしょうね。
それは仲間意識なのか一種の職業的倫理観なのか人命尊重的な方の倫理観なのか。個人的には職業的倫理観─軍人たるもの味方を意図して攻撃するなどとんでもないという認識が一番強かったんじゃと思っています。
・ELSにしつこく追われ、「この野郎ー!」と叫ぶデカルト。台詞がだんだん短絡的になってきた。難しいことを考える余裕が無くなってきたというか、何か追い詰められ感があります。
・前方に激しく射撃を行うガデラーザを側面からやってきたデカいELS(母艦を潰したのと同型のやつ)が抱きしめるように包み込む。ELS的には本当に抱きしめてるつもりだったりして。一気にガデラーザにも侵食がすすむ。うわあ。
・ひときわ強い「叫び」をくらったデカルトは激しく呻きながら両手で頭を抱える。ほとんど戦闘不能状態。すでにデカいELSに全面覆われているガデラーザにさらに周辺を飛び交うELSが密集してきて渦を巻くように球体状にガデラーザを包み込む。
小説版ではELSによって脳に受ける不快感を「無数の蜂や蚊に、四六時中まとわりつかれているような感覚」と評しているが、この場面は本当に巨大な蚊柱みたいに見える。これ中のデカルトはたまらないだろうな。
・そこにガンダムたち登場。「連邦の艦隊は・・・」という刹那の声はいるはずの艦隊の姿が見えないことを訝しんでるんでしょうね。そして蚊柱発見。「これは・・・!」。
艦隊の姿は見えず無数のELSによる蚊柱がある、中に何かしらの機体がいるのは察せられただろうから(「やつら一体何を!」というアレルヤの台詞からすると、アレルヤは何で渦巻いてるのかわからない=中に機体が包囲されてるとはわかっていないのかも?小説版だと「ダブルオーライザーのコンピュータがその中心にある物体を解析し、それが地球連邦軍の開発した新型のモビルアーマーであることを示す」とあるので刹那はわかってる模様)、ELSに取り込まれまくって連邦艦隊全滅という結論にすぐたどりついたでしょうね。
観客的にはガデラーザが完全包囲されてからすぐのタイミングなので、ワンチャンデカルト助けてもらえるかと期待が高まった場面ではありますが。
・毛糸玉から糸がほどけるようにELSが線状に分離してガンダム4機に向かってくる。ガンダム3機はそれぞれらしい戦い方で迎撃。しかし倒したそばからどんどん次がくる物量でまるで勝ちが見えない。
その中で一人攻撃せず前に出る刹那は例によってELSの叫びが響いてくる中に人間のうめき声も(おそらくは通信機能によってではなく精神感応によって。小説版だと「デカルト・シャーマンの叫び声が刹那の脳裏に響いた」とあります)聞きつける。
「俺の声が聞こえるか?逃げろ、逃げるんだ!」 やはり刹那は球体の中に機体が取り込まれているのに気づいていた。しかし逃げるよう呼びかけるだけということは刹那にも具体的にしてやれることはないのね・・・。どう考えても逃げられる状況じゃないのになあ(コクピットがまだ無事だったとしてもあの包囲を抜けて脱出できるとは思えない)。
刹那の声が聞こえているのか頭を抱えて身をよじって悲鳴をあげるばかりのデカルト。その身体がどんどん結晶に覆われてゆく。あーもうこれ助からないやつだ。
・鼻から血を流し眼球を見開いたまま叫び続けるデカルト。ヘルメットは無事にもかかわらず顔面の皮膚を突き破って結晶の先端がつぎつぎ現れる。身体を外から取り囲むだけでなく、すでに体内にまで侵食したELSが身体を突き破って出てきた感じ。
そしてガシャンというガラスが砕けたような音。結晶ごとデカルトの身体が砕けたということでしょうか。他の人もこんな内から侵食されて死んでいったんだろうか?みんな外側から全身覆われる描写はあっても内から身体を突き破られる描写はなかったと思うのだが。イノベイターだからこそ?
・すべてが終わったことを察し刹那が「連邦のパイロット・・・」と辛そうに口にして一瞬目を伏せる。そういえば刹那はデカルトの名前も知らないままだったんですね。
刹那は彼が自分と同じイノベイターだと気が付いていただろうか。連邦軍にイノベイターとして覚醒した人間がいること、今回の火星調査隊に彼が参加していることはヴェーダを通してわかっていただろうし、通信回線を通じないで(たぶん)逃げろと呼びかけていたので気づいてたんじゃないかな。
イノベイターとして覚醒したゆえに他の仲間との間にも若干の懸隔を感じるようになっていた刹那にとっては初めての同胞ともいえる相手だったわけだが、それを失ったという感覚が彼にあるのか。たぶんイノベイターだから仲間という感覚はなく、ある意味種族は違ってしまったけど、何年も共に戦ってきた、志を同じくできるソレスタルビーイングの仲間こそが同胞だと思ってるような気がします。
・しかしデカルトの死を嘆く間もなくELSは周辺を飛び交う。刹那は「各機攻撃を中止!撤退しろ!ライザーシステムで高濃度GN粒子の意識共有領域を作る!」と指示をとばす。
全体の戦況に関わることを提案ではなく指示。スメラギの見解も待たずに。それだけ時間が切迫している証でもありイノベイターの自分にしかわからない感覚があるからということでもあるんでしょうね。
・刹那の言葉を聞いたスメラギが「そんな機体でトランザムを!」と驚きと不安の声を発する。「そんな機体」とは今ダブルオーライザーはGNドライブを搭載せず粒子貯蔵タンクのエネルギーで動いてる、本調子には遠い状態だからですね。
・目が金色に輝き、ライザーシステムを起動させる刹那。「おまえたちは何者だ?何を求めてここに来た?答えろーー!!」と絶叫する刹那。次の瞬間精神世界?で全裸状態でELSの意識に?飛び込んでゆく刹那は奔流のように押し寄せるELSの意識?に逆に押し流される。
現実世界においてはダブルオーライザーにELSが取りつき侵食が進んでゆく。頭を抱えて苦しむ刹那。これじゃデカルトの二の舞じゃないか。
フェルトの報告を受けてスメラギは「至急刹那を回収!急いで!」と指示をとばす。デカルトと違うのは刹那にはいざとなれば身体を張って助けに来てくれる仲間がいるということ(まあデカルトの場合は友軍の方が先に壊滅してしまったので、いざとなればデカルトのために身体を張る意志のある人間がいたのかもわからないんですが)。この時もティエリアとグラハムらの救援がなければ死んでいました。
・仲間たちが刹那を助けに向かうが相手の数が多すぎて近づけない。自然と背中合わせになる三者。
「ダブルオーの粒子残量が尽きます!」切迫したフェルトの声。モニターの残量表示は0。これはヤバすぎる。
左足、右肩、頭部とELSに引っ付かれているダブルオー。しかしガデラーザなどに比べると侵攻が遅いような気もする。ELSの方も友好的な呼びかけを発している刹那には期待するところがあって無理に取り込みにかかっていないとか?
・刹那がいよいよ危ないと見たティエリアが背中合わせの状態を外れて一人先行。「セラヴィー!」の声とともに上のコンテナ部分をパージ。
「僕にも脳量子波は使える!」目が金色に輝く。ティエリアの脳量子波に引かれてELSは彼を追ってゆく。
一方パージされたコンテナ部分は人型に変形してセラヴィーガンダムリペアとなる。何が「セラヴィー」なのかと思ったらこういうことか。ここからのティエリアの活躍はすさまじいです。
・ラファエルにELSを引き付けつつ、新たな敵がほぼいなくなったダブルオーにセラヴィーを遠隔操作で近づける。
サバーニャとハルートが加勢してくれるのへ「刹那を頼む」「対話のためにも刹那をやらせるわけにはいかない!」と言葉少なに拒絶。その意図と覚悟を察した両者は、まずはロックオンが、つづいてアレルヤがラファエルに背を向けダブルオーの方へと向かう。
少ない言葉でも意志を悟って何も言わず、ティエリアを見捨てざるを得ない辛さを堪えてティエリアの思いを受け継ぐ。共に過ごし共に戦ってきた日々の蓄積を感じさせる場面。
・力づくでコクピットの部分を剥ぎ取ろうとするティエリア。ダブルオーの機体に触れたとたんにセラヴィーがELSに侵食され、その苦痛に悲鳴をあげ、さらにラファエルに取りついてきたELSからの苦痛にも悲鳴を上げる。
苦痛がダブルというのは想像するだにきつい。それでも作業を続けてついにコクピットブロックを掴みとって宙へと放る。
この時のコクピットの扱い方が“そっと”と表現したくなるような優しい動き。中に刹那がいるのだから当たり前ではあるんですが、そこまでの動きがいかにも力づくだっただけに(頑丈な機体から最重要パーツを剥ぎ取ろうというんだからこれまた当然)、そのコントラストで刹那への気遣いが際立ちます。
・コクピットをそばまで来ていたサバーニャがキャッチして(この仕草も優しげ)、援護するようにそばにいたハルートとともに離脱する。
「刹那を回収した。これよりトランザムでトレミーに向かう」とプトレマイオスに通信で告げるロックオンの声音が苦い。ティエリアを見捨ててゆくという意味ですからね。
二機が去ってゆくのを見届けたティエリアはすでに顔以外の全身をELSに覆われながらもうっすら微笑んで「トランザム」と一言告げる。その声とともに機体に取りついたELSごとラファエルは自爆。少し離れた位置でやや小さく爆発しているのはラファエルというかティエリアと連動しているセラヴィーだろう。
二つの機体を同時に操り、身体が動かなくなっても意志の力だけでトランザムを起動させられたのはイノベイドのティエリアならでは。無抵抗状態とはいえダブルオーの装甲を手で破壊してコクピットを引き出せたのも代々怪力が持ち前のティエリアの機体だからこそだろうし。
何より彼以外だったらここで完全死亡でしたね。イノベイドにして今や実体はヴェーダの中に生きる精神体、身体は半ば借り物のティエリアだから魂まで死ぬことはなかったわけで。
・ティエリアの犠牲にもかかわらず、なおもサバーニャとハルートを追ってくるELS。その時アレルヤが「ピーリス!」と一言叫ぶと逆方向へと引き返してゆく。ELSは脳量子波が使える二人の方を追ってゆく。
アレルヤが自分だけならともかくマリーまで犠牲になるような行動に出たことに驚いたが、マリーでなくピーリスと呼んだように、ハルートに乗っている時はマリーでなくピーリス、恋人ではなく一蓮托生の戦友という認識なんでしょうね。
マリーも何も聞かず「了解!」と力強く答える声音が戦士としてのそれ。そしてティエリアの覚悟を見せられたあとだけにアレルヤもマリーも自分たちを犠牲にしても刹那だけは守らなくてはの思いなんですね。
もし仮に刹那を回収したのがハルートの方だったら、ロックオンが盾になって二人は苦渋の思いで離脱したことでしょう。というか、刹那の回収をロックオンが担当した時点で最悪ハルートが自分たちの脳量子波を餌に囮になる暗黙の了解があったのかも。
・ハルートが囮になったにもかかわらず、なおもサバーニャの方にもELSの追手が。ハロたちが防御壁を操作してくれる中何とか離脱を図ろうと苦戦するロックオン。しかしついに盾も破壊されてピンチ。
そこへまさかの援軍が。誰かと思えば飛行形態の機体がいくつか。ということはあの男か!との期待にたがわず現れたのはグラハム・エーカー率いるソル・ブレイヴス隊。
グラハムとソレスタルビーイングの共闘って何気に初めてですよね?敵味方なく連携したブレイクピラーの時もグラハムいなかったし。
ファーストシーズンとセカンドシーズンで二回刹那と戦を繰り広げてるにもかかわらず、この人はあんまり敵という印象がないです。民間人の生命を守るとかどうでもよくてただガンダムと戦うことで頭がいっぱいだったある意味戦闘狂なんですが。武士道マニアで正々堂々を重んじたり、部下思いだったりするからかな。
・他機を先行させたグラハムは飛行しながら人型に変形。おおグラハムスペシャルだ!他の機体もそれができるのかできないのか、と思ったらハルートの周囲を囲むように(援護している?)接近した4機もいっせいに人型に。
「敵との接触をさけて応戦せよ」とのグラハムの指示通りに、ソレスタルビーイングの3機があれだけ苦戦したELSにおそらくは一機もつかまることなく確実に屠ってゆく。ガンダムタイプの機体じゃないのにこの強さは何なのか。
多くはないがそれでもガンダム(4機)よりは多い6機の編成と機動性を生かして、一機が追われれば他の機体がそれを横から狙い撃ち、今度はそちらに向かおうとするのをまた別の機体が狙い撃ち、という集団戦法が見事にはまっている感じ。グラハムの指揮官としての有能さも窺えます。
・そして再び飛行形態になっていたグラハムの機体がまた人型に変形するさい強烈なGに耐えながらブレーキをかけELSの背後に回りこみ、機体を回転させながら粒子ビーム砲で一気にELSを屠る。
ガンダムは機体自体が一種チート的な強さを持っているのに対し、グラハム率いる部隊は常にグラハムを筆頭にパイロットの技量および肉体的な負担に耐えうる精神力(グラハムがGに耐える場面はこれまでも何度か描かれている)がその強さの根本にある感じがして実に格好良い。
一戦終えたグラハムが疲弊しきって肩で息しているようなのもリアル感がある。
・ELSは殲滅されたわけではなく、また蚊柱のように球状にまとまって渦を巻いている。その姿を遠巻きに見るソル・ブレイヴス隊。
「ええい、何を企んでいる!」と叫ぶグラハムのもとにソレスタルビーイングから通信が。音声のみで姿は見えないが、内容からいってもこの声はスメラギでしょうね。
・無事にサバーニャが着艦、刹那を保護したプトレマイオスは粒子攪乱ミサイルなるものを発射して、ELSを足止めする間に離脱。あらかじめ合流ポイントを教えてあったソル・ブレイヴス隊をも収容する。
プトレマイオスについて離脱するシーンを見るとソル・ブレイヴス隊は6機全て大きな損傷もなく無事。なまじ脳量子波を使ってない(使えない)からELSが積極的にたかってはこないにしろ凄いです。