失なわれゆく風景

多摩地区周辺の失われた風景。定点撮影。愚問愚答。

府中市郷土の森 再訪

2012年04月15日 | Weblog

<府中郷土の森 府中尋常高等小学校 5年2組教室 2012/04/08>

府中市の「郷土の森」は今年で開園25年周年ということです。
(ウィキペディアによると1987年4月4日開園。)
当ブログでは「府中市郷土の森開園前」というタイトルで
1982年の郷土の森(建設予定地)を取り上げました。
(このほか、民家園探訪でも訪れました)。
今年は1982年から30年経過したので、再度写真を撮りに行きました。
今回は、撮影地点の推定地を地図にプロットしました。


まず、1982年の写真撮影地点の推定地を示します。
赤で囲ったところが現在の「郷土の森」です(境界線は100%正確ではありません)。

<使用した地図は「国土地理院1:25000地形図 昭和52年1月30日発行」>

この地図の注目点として、
1.鉄道線路の記号は下河原線です。
 1982年時点では下河原線はもう廃止されており緑道(歩行者自転車道)になっておりました。
2.黄色い線で示したところは多摩川の旧堤防です。
3.多摩川右岸の「下水処理場」と書かれたところに煙突記号が2つあります。
 以下の写真に写っている2本の煙突がこれだと思います。

では1982年の写真を

<写真② 1982年>(写真③は省略します)
②と③は同じ場所で少し向きを変えて写したのではないかと思います。
ここでは一部が畑に使われていてその先に灌木がまばらに生え、
その先に旧堤防が写っているようです。
旧堤防の向こうの右手には残土か造成用の土が積まれています。
奥の丘陵には上記の煙突が2本。


<写真④ 1982年>
ここは緑道上なので100%の確度で撮影地点確定。


<写真⑤ 1982年>
旧堤防の上からおよそ南東方向を撮ったと思われます。
手前に水路が写っていて、その向こうで重機が工事をやっています。
2本煙突はこの写真より右手になります。


<写真⑥ 1982年>
旧堤防の上か、堤防の北側から、およそ北北西方向を撮ったと思われます。
現在の旧河内家住宅の南側あたりではないかと思います。
現存の建物が少なくとも2つ写っていて、撮影場所がすぐ確定できるかと思いましたが、
ちょっとてこずりました(地図に示した撮影地点と方向の確信度は90%くらいかなと思います)。


<写真⑦ 1982年>
「郷土の森と地殻活動観測施設の間の道路」と「旧堤防の南側の水路」が写っているので、
この撮影地点推定地も確度は高いと思います。
写真②に写っているのと同じ「盛り土」が写っています。


次に、1992年と2012年の写真撮影地点図を示します。
「○-2」は1992年4月12日の撮影(地点は青色の点)を示し、
「○-3」は2012年4月8日の撮影(地点は緑色)を示します。

<地図は『カシミール3D』から「国土地理院1:25000地形図」を使用>


<写真②-2 園内の建物「府中尋常高等小学校」の2階から 1992年>
1982年の写真②撮影地点付近からはもう多摩丘陵が見通せないので場所を移動しました。
2階に上がれる「府中尋常高等小学校」の窓から煙突を目安にして撮ってみました
(煙突は1本になっています)。


<写真④-2 1992年>


<写真⑥-2 1992年>
園内に残っている旧堤防からおよそ西方向を。
1992年の撮影時点では、1982年の写真⑥の撮影場所の手がかりが「旧堤防」しかなかったので、
とりあえず旧堤防の一部を写し込んでここで写真を撮ったようです。
しかし、写真⑥は上記のとおり場所、方向とも、ここではなかったようです。


<写真⑦-2 1992年>
1982年の写真⑦と同じ建物が写っていますが、撮影地点についてイマイチ確信がもてませんでした。
(2012/04/15 追記)
ちょとマニアックになってきますが、写真をよくみると、街灯のようなものが写っています。
もう一度現地に行ってみますと、それらしいものがありました。
(「三岡家長屋門」付近の南側にこの形の街灯が3つ4つ(さらに南方向にもっと)あります)
  
<左:写真⑦の一部、右:敷地境界に設置されている街灯 2012/04/15>
街灯と後ろの建物の位置関係からすると、この写真は園内で撮ったようです。
現在「三岡家長屋門」や「ふるさと体験館」「やすらぎ亭」があるあたりを
整備しているところではないかと思います。

<やすらぎ亭2階から南方向 右端は「三岡家長屋門」 2012/04/15>
1992年と2012年の写真撮影地点図の⑦-2の地点を変更しておきます。
(追記終わり)


<写真②-3 「府中尋常高等小学校」の2階から 2012年>
1992年の位置とすこしずれたかもしれません。
樹木の成長に20年の経過を感じます。


<写真④-3 2012年>


<写真⑤-3 2012年>
旧堤防跡から東南東方向を。
1982年の写真⑤よりも東を向いているのではないかと思います。


<写真⑥-3 2012年>
1992年の写真⑥-2とだいたい同じ場所です。


<写真⑦-3-1 2012年>
「郷土の森と地殻活動観測施設の間の道路」の北側から。
写真奥に多摩川と丘陵がありますが、樹木で覆われ見通しはききません。


<写真⑦-3-2 園内の「やすらぎ亭」2階から 2012年>
ここからも丘陵はほとんど見通せません


最後にまとめとして変遷を横に並べてみました。
1982年の撮影地点は正確に確定できなかったものもありますし、
また見通しのきく場所へと移動したりしているので
対比は参考程度と考えて下さい。
同じ地点、方向というには無理があるかなというものは段差をつけて表現しました。




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