<七曲の井>
七曲の井の場所については、ひとつ前の「八軒家の井」の項で地図にポイントをおとしましたので参照してみてください。
「七曲」というのは地名のことだろうと思っていたので、「まいまいず井戸」のことだろうと思っていました。現地の案内板の昔の写真(現在は井戸の補修工事をおこなったため、昔と形状が変わっている旨が書かれています)を見ると、地上部から、井口(こういう呼び方でいいのかわかりませんが)へおりる道のつけ方がジグザグで、この点がまいまいずとは違うということで納得しました。まいまいずは、道がぐるっとらせん状、七曲はジグザグ(七つに折れている道)であることからついた名前でした。
ただどちらも、すり鉢型の井戸という点では同じです。
<七曲の井に隣接してあるお堂>
これも「八軒家の井」の項で引いた、『狭山市遺跡分布調査報告第2集』には、この井戸が掘りたてられた時期は平安時代にさかのぼる可能性が高いこと、この時代には、このあたりに集落がない(この時代の集落跡が付近で見つかっていない)ので、この井戸は街道沿いの水補給所のような役割だったといったことが書いてあります。(後日正確に引用します)
<不老川 左:上流方向;右:下流方向>
七曲の井は不老川(ふろうがわ、としとらずがわ)のすぐ横にあるのですが、吉川國男「七曲井の発掘とその後」『多摩のあゆみ 第111号』p.40(たましん地域文化財団)(平成15年8月)によると「不老川は、七曲井と接しているものの、その水は七曲井には涵養していない。」とのことです。