ミコちゃんの徒然日記

日々の雑感など

燃へ尽きるまで

2008年06月28日 | Weblog
 凌霄花燃へ尽きるまで美しき

 源氏物語が紫式部によって書かれてから、丁度千年になるという。

平安朝宮廷の王子の人生を書いた、官能、恋愛小説で、

宮廷文化の中での恋物語は、女性なら尚更興味津々である。

文武に長けたハンサムボーイ光源氏は、東宮候補に入っていたが、

異母兄弟の兄(朱雀)が東宮になった。東宮の婚約者(朧月夜)とも

お先に失礼といった風に、恋人にしてしまうモテモテぶりは、

天性のプレイボーイだなと思わされる。沢山の恋愛遍歴の中でも、

18歳の時、父君(桐壺帝)の後添え(藤壺)にも光源氏の子供が生まれ、

禁断の恋もしていて、ただただ驚くばかりだ。藤壺は源氏とは5歳年上くらいである。

この時の子供は、後に朱雀帝が譲位すると、11歳にして次の帝(冷泉帝)になるが、

むろん源氏は自分が父であることを未だ言えない立場であった。

のうぜんかずらの花は、めらめらと燃え立つ飽くなき人間の

感情や激情のイメージを彷彿とさせる。

それは地に落ちても、夥しい量の花がそのままへばりつく様に

生々しく赤いという姿をよく見るからである。

さて「源氏物語」の一大長編小説は、光源氏というモテ男の一生を

中心に、今流行の韓国時代劇ドラマにも劣らぬ興味深い内容なので、

1000年も人気作品なのだと思う。

作者の紫式部は、紫の1字をとって「紫の上」という北山で見初める、

この上なき愛くるしい10歳の少女を登場させ、源氏が引き取って、

自分の好みの女性へと育て上げ、後に正妻にするが、源氏51歳の時に

病死してしまう。

また、禁断の恋は、母の面影を持つ藤壺だけではなく、異母兄弟の兄

朱雀院の娘、14歳の内親王を、親代わりに世話をして欲しいと兄から頼まれ、

断わりきれず引き取るが、紫の上より高い地位に置き正妻として、

「春の御殿」に住まわせる。この女性が「女三の宮」であるが、この時

源氏は40歳となっているので、その頃は余生であって隠居の年齢でもある。

「春の御殿」の他に、夏、秋、冬の御殿も勿論あるわけで、夫々に愛してきた

大切な女性達をこれら「六条院」に優雅に住まわせている。

夏の御殿には「花散里」を秋の御殿には養女「梅壺」を冬の御殿には

「明石の君」なのであった。

紫の上はストレスからか病死してしまうので、これは切なくも儚い終焉か。

でも幸せな時が長かったので、良かったと想うことにしよう。

紫の上を失って、すっかり気落ちしている源氏に追い討ちをかける

出来事が発覚し、ますます源氏の君はその光を失ってゆくのである。











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