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あんなに感銘を受けた本なのに、45年も経つと内容が
思い出せない。読んだ時はただただ哀しすぎて、同情の想いがいっぱいだった。
しかし、人間は他人からの同情が一番嫌なもの。
薄皮一枚でやっと自分らしさを守っているので、心に余裕がなく、
ますます辛さを増幅しかねないからだ。そこで全ての希望を根こそぎ
絶たれたと早とちりしたら、自暴自棄になってしまうかもしれない。
「相手に対して、同情や憐れみの言葉は禁句」だと、渦中の人になってみたら理解できるだろう。
揚句は季語を蛍に、そうしたいろいろな想いを句に詠んだものである。
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例えば楽しい方向では、恋の句にも擬えられる。三橋鷹女のようなスパッと解るような鮮烈な
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恋の句が好きだけれど、私の様な凡女には詠めない。
自分自身がなんとなく解るような句である。
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