【アフォガート】
「アフォガート」は、バニラ風味のアイスクリームやジェラートに飲料をかけて食べるスタイルのイタリアのデザート。「affogato」とはイタリア語で「溺れた(アイスクリーム)」の意である。
かける飲み物はエスプレッソが最も一般的であるが、コーヒーや紅茶やリキュールなどバリエーションが豊富で、かける飲み物によって「〇〇アフォガート」と呼び名が変わる。
日本ではバニラアイスにエスプレッソコーヒーをかけた「コーヒーアフォガート」がよく知られている。
『作り方』
あくまでアイスクリームが主役なので、注ぐ飲み物の量は少なくしたほうが良い。
「コーヒーアフォガート」にコーヒーをアイスクリームに注ぐ際は、溶けたアイスクリームによってコーヒーの味が薄まるため、コーヒーの香りや味を楽しみたければ濃い目のコーヒーを用いる必要がある。
好みで香りをつけたココアパウダーやシナモンパウダー等を少量ふりかける。
【ズコット】
「ズコット」とは、ルネサンス期、イタリア・トスカーナ地方、フィレンツェで誕生した丸いドーム型のセミフレッドのケーキ。
名称は15、16世紀の兵士のドーム型金属製ヘルメットを指す「ズコット」、またはカトリック教会の聖職者の半球型頭巾を指す「ズケット」に由来する。
16世紀中頃フィレンツェで、建築家・彫刻家であったベルナルド・ブオンタレンティがメディチ家のために創作したとされている。彼は氷に硝石を加える食品冷凍技術の発明者としても知られる。
半球形の形は敬愛するフィリッポ・ブルネレスの代表作であるフィレンツェの象徴であるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーボラへのオマージュとも言われている。
フランスのアンリ2世に嫁いだメディチ家のカテリーナ・メディチが、菓子職人とともにフランスに持ち込んだと言われ、現代のアイスクリームの原型の一つとされる。現代のアイスクリームとの違いはクリームに鶏卵を含まず乳製品主体である。
長く忘れられていたが、1950年代にフィレンツェの老舗洋菓子店「シエニ」が16世紀のレシピを復元し、復活させた。フィレンツェのリストランテ、トラットリアのデザートメニューとして登場するが、ティラミス、パンナコッタなどに比べ製法が複雑で時間がかかることから自家製である場合は少なく、また家庭で作られることも比較的希である。
『製法』
オーブンでパン・ディ・スパーニャを焼き、帯状に切り分け、半球形の型の内側にパン・デイ・スパーニヤの表面の焼き色をクーボラのリブに見立てて放射状に敷き並べる。
パン・デイ・スパーニヤにヴィンサント、アマレット、サンブーなどの酒精強化ワインやリキュールを染み込ませ、細かく刻んだヘーゼルナッツなど種実類やチョコレートを入れた生クリーム、リコッタチーズ、ヨーグルトチーズなどを詰め、パン・ディ・スパーニャでフタ開けるとして冷凍庫などで凍らせる。
型から取り出し、室温でセミフレッドに戻し提供される。粉糖、ココアパウダー、溶かしチョコレートなどで飾られる場合もある。