「大飯原発3、4号機を運転してはならない」
という画期的な判決が、昨日、福井地方裁判所にてくだされました
ここに、判決要旨の全文があります。http://www.news-pj.net/diary/1001
素晴らしい内容です。是非多くの人に読んで頂きたいと思います。
一部抜粋させて頂くと・・・
個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なものであって、
その総体が人格権である…人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、
また人の生命を基礎とするものであるがゆえに…これを超える価値を他に見出すことはできない。
原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、
福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる。
福島原発事故の後において、この判断を避けることは、
裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しいものと考えられる。
日本列島は太平洋プレート、オホーツクプレート、ユーラシアプレート及びフィリピンプレートの
4つのプレートの境目に位置しており、全世界の地震の1割が狭い我が国の国土で発生する。
この地震大国日本において、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは
根拠のない楽観的見通しにしかすぎない。
本件原発に係る安全技術及び設備は万全ではないのではないかという疑いが残るというにとどまらず、
むしろ、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆弱なものであると認めざるを得ない。
被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、
極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。
コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、
たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、
これを国富の流出や喪失というべきではなく、
豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、
これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。
被告は、原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、
原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、
福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、
環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。
読みながら、そこに示された曇りのない思考と言葉に胸を打たれていました。
この意義を私たちもしっかり受け止め、玄海原発訴訟にも影響をもたらすよう声をあげていきたい。
そして、各地で同様の判決が続出することを心から祈ります。
しかし、早速、菅官房長官は「再稼働を進める政府方針に変わりはない」と言い、
関西電力は「判決文の詳細を確認の上、速やかに控訴の手続きを行う」とコメントし、
原子力規制委員会の田中委員長は「大飯についてはわれわれの考え方で審査をしていく」と述べました。
そんなことってあり?行政は司法の判断を尊重する義務があるんじゃないの?
と一瞬思ったけど、ありなんですよね~
地裁で勝訴しても控訴され、判決が確定するまでの間にどんどん既成事実がつくられていくケースは
ダム問題で十分学ばされました…
そのような現実はあるにせよ、やはり、昨日の判決は歴史的な素晴らしいものだったと思います。
テレビに映っていた「司法は生きていた」との垂れ幕にあらためて感動です。
この司法がさらに生き生きと輝くよう、私たち国民もしっかり支えていかなければ・・・