10年も経って、やっと妹の死を語ることができるようになった兄。
その記事が出ていたのは、4月29日の西日本新聞。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/85176
その男性は、佐世保市の小6女児同級生殺害事件の被害者のお兄さん。
当時15歳でした。
この事件は、日本中に衝撃を与え、誰もが驚きと悲しみで途方に暮れていましたよね。。
ご家族の痛みと辛さを想像することさえ苦しくなりましたが、
新聞記者だったお父さんは、家族を代表して、その思いを手記などにまとめて伝える努力をなさいました。
が、被害者にお兄さんがいることは知りませんでした。
当然、その胸の内を考えることもありませんでした。
中学生だった兄は、妹の死を知っても、素直に悲しみに浸ることはできなかった。
父親を気遣って、自分がしっかりしなければ・・と思っていた。
「夜、布団に入ってから声を押し殺して泣いた」
翌年高校に入学したが体調を崩し、1学期で退学し、精神科や心療内科に通った。
なぜ、そこまで?
それは、事件前、妹から加害女児とけんかになっていると打ち明けられていたから。
「自分がきちんと対処していれば事件を防げたのでは」
自責の念を1人で抱え込み、苦しみ続けていたのです。
今はやっと乗り越えて、受け入れている。
お墓の前で妹に語り掛けることが、心の落ち着く大事な時間だと言う。
そして、これからは、自分の体験を人前で語っていく…と。
「僕は叫びたくても、叫ぶ場所すらなかった。
子どもは思っていることをうまく伝えられない。
周囲の大人は根気強く向き合って、心の整理をする手伝いをしてほしい」
そう。。
私たちの心や感性は、どんどん鈍化している。
傷つきやすい子どもの心に気づこうともせず、知らんぷり。
最近は子どもたちの大きな事件は聞かないけど、
イジメなどで苦しんでいるこどもは決して無くなったわけではない。