これは、8月29日の新聞折り込みのチラシです。
佐世保市水道局製作です。
なんかヘンですよね?
「水を大切にする日」のキャンペーンチラシなら、
"節水を心がけましょう"と呼びかけ、その具体策を提示するのが普通ですよね?
例えば、水道を出しっぱなしにして歯を磨かないとか、
おふろの残り水を洗濯や掃除に使うとか。
あるいは、水道水はどうやって造られるか・・
降った雨が蛇口から出てくるまでの長い旅路を語ってみるとか。
あるいは、きれいな水が飲めなくて死んでいく人が世界にはたくさんいることを伝えるとか。
ところが、そんなことは全く書かれていません。
書かれているのは、ただただ佐世保の水源が足りない、
でも、石木ダムができればすべて解決され安心!
ということだけ。
水道局の本質がミエミエですね。
水を大切にしようなんて・・・ほとんど考えてない。
頭の中にあるのは石木ダムのことばかり。
何とかダムを造りたい。何とかその必要性を市民に訴えたい。
ただそれだけ。
でもね、こんなにデタラメなキャンペーンチラシは許せません。
事実に反する情報を刷り込み、市民の判断を誤導するものです。
「石木川まもり隊」は、「水問題を考える市民の会」と共に、今日、
水道局に抗議の申し入れに行きました。
私たちが特に強く抗議したのは、
「一日の水源使用量は105,000m3なのに、安定水源量は77,000m3しかない」という説明。
これを見たら、多くの市民は、一日に40,000m3近くも不足してるんだ・・・
それはたいへん、早く何とかしてほしい、渇水が起きる前に早くダムでも造ってほしい!
と感じてしまうでしょう。
でも、現実は違うのです!
昨年度の一日平均配水量は75,000m3にも満たないのです。
しかもこのうちの約10,000m3が漏水でムダになっているんですから、
それを差し引くと、本当に必要な水は65,000m3ほど。
安定水源が77,000m3もあれば、十分ですよねー。
「水を大切に」と市民に言う前に、水道局自身がその意識を強く持ってほしい。
それはイコール漏水を無くすこと。
そうすれば、ダムなど全く必要無し!
しかも、佐世保の水源は、77,000m3だけではないのです。
あと28,500m3もあるのに、それは不安定水源と称して、
水源として認めようとしないのです。
なぜでしょうね。実際に取水してるんですよ、毎日。
平成19年度の取水量の一日平均値を見ると、
当局が言う安定水源77,000m3から実際に取水したのは、約60,000m3で、
当局が言う不安定水源28,500m3から取水したのは約25,000m3でした。
こんなに取水実績のある水源をなぜ認めようとしないのか。
水道局に疑問をぶつけると、どうしても水利権の定義の説明になっていくのですが、
私たち素人には何度聞いても納得できません。
対応して下さった水道局の職員の皆さんは、私たちの抗議に最後まで耳を傾け、
2週間以内に文書で回答すると約束して下さいました。
明日から議会が始まるその準備で忙しいときに・・・
そのことにはとても感謝しています。
でも、やはり皆さんの悪質なキャンペーンには抗議します。
現実を無視した水需要予測からはそろそろ卒業してください。
市民には正しい情報を提供し、佐世保の水事情をよりよいものにするために、
共に知恵を出し合っていきましょう。