佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

石木ダム付け替え道路着工延期の申し入れ

2010-02-04 | 石木ダム
2月1日午後、石木ダム建設予定地の住民の方々と共に、石木ダム事務所を訪れ、
付け替え道路建設工事の中止を求める申し入れを行いました。

詳しいことは、「石木川まもり隊」のホームページや、2月2日の長崎新聞に出ています。

私は石木ダム建設に反対している者として当然工事の着工には反対ですが、
それ以前に一県民、一市民として、ダムの賛否とは別の次元で県の説明を聞きたくて参加しました。

なぜ今年度中に、つまり3月末までに着工すると決めたのか、
それを撤回できないなら、その理由は何なのか、それが知りたかったのです。

付け替え道路とは、ダムができれば、今使用している道路が水の底に沈み使えなくなるので、
代わりに新たな道路を建設して、通行できるようにするわけです。
つまり、ダムができた場合には必要だけれど、できなければ無用なものです。

今回の付け替え道路の費用は約2億円ですが、それがムダになるかもしれないのです。

石木ダムは昨年末、国交省による見直し対象のダムの一つになりました。
今年夏までに有識者会議が策定する新たな基準に沿って、本当に必要なダムかどうか検証しなさい、
と言われているダムです。

その見直しの結果、石木ダムは不必要と判断されれば、ダム建設は中止となり、付け替え道路も不要となります。

また、夏まで待たずとも、来月の県知事選挙の結果でも、その可能性は大いにあります。
7人の候補者中、石木ダム建設推進を明言しているのは一人だけ。
明確な反対も一人だけですが、他の候補者は、建設自体はあいまいな発言ながら、
強制収用はしない、話し合いで決めると言っています。

この発言を信用すれば、地元住民の反対が続く限りダムはできない、ということになります。

そのことを何度も問いました。

知事選の結果、ダム建設は白紙撤回されるかもしれないじゃないですか。
有識者会議による新たな評価基準に沿って検証した結果、ダム以外の方向へ転換するかもしれないじゃないですか。
現在申請中の事業認定が、もしかしたら認定されないかもしれないじゃないですか。

この中のいずれかが現実となった場合、ダムはできないんでしょう?
ダムができなかったら、付け替え道路はムダになるんでしょう?
ムダになった道路建設費は誰が払うんですか?
私たち県民市民でしょう?
私たちの税金でしょう?

そんな無駄遣いは止めて下さい。

ダム建設が確実になってから道路工事を始めればいいではないですか。
ダム計画が持ち上がってここにくるまで40年間かかったのでしょう?
あと半年ほど、なぜ待てないのですか?
なぜ、不確実な状況の段階で着工しなければならないのですか?

最後まで、明確な説明はありませんでした。

ただ、「我々は計画に沿って粛々と進めていくだけです」と繰り返すばかり。

そして、「仮定の話には応じられない。ダムが中止になったらなどと私たちは考えていない」と言いながら、
「新しい知事もきっとダムの必要性は理解されるだろう」とおっしゃるのです。

つまり、「ダムが中止になったら」という仮定の話は考えたくないが、
「新知事もダム賛成だろう」「事業認定申請は認定されるだろう」
「見直し基準が出されても石木ダムはその基準に縛られることはないだろう」
といった仮定の話は受け入れ、それに基づいて仕事をなさっているんですね。

ずいぶん都合のいい話のような気がしますが…。

付け替え道路工事費約2億円の負担割合は、
県が約6500万円、佐世保市が約4670万円の負担、
治水分として国土交通省が約6500万円、利水分として厚生労働省が約2330万円となっています。

平行線のまま終わった話し合いのあと、参加者たちの感想は、
「政権は変わっても、地方政治はかわらないなぁ」
「結局年度内に予算を使い切りたいだけなんだなぁ、必要性なんかどうでもいいんだよ」
「どうせ選挙のためだろう。票集めのために工事を発注するんだよ」などなど…。

皆さんはどう思われますか?

コメント (4)
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