佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

素朴な疑問

2009-03-27 | 平和

ミサイル迎撃態勢を閣議決定(3月18日)

イージス艦、PAC3で迎撃態勢へ=日本海、東北中心に配置-防衛省(3月27日)

北ミサイル「破壊命令」 安保会議経て防衛相が発令(3月27日)


こんな見出しを見てギョッとしているのは私だけ???と思えるほど、世間は静かです。

TVをつけても、WBC連覇で熱狂する野球の話題とか、献金問題で迷走する政局の話題とか、
迎撃問題は決して大きい扱いではありません。

ネットを開いても、ソマリア沖自衛隊艦船派遣に反対する人々の声はあれだけ聞こえてきたのに、
この件で真正面から敢然と抗議する声は多くは聞かれません。

な~ぜ???
不思議で不思議でしかたありません。
私の頭の中に渦巻く素朴な疑問を記してみます。


まず第一に、北朝鮮はあくまでも「人工衛星」と主張しています。

毎日新聞によると、<人工衛星を打ち上げるロケットも弾道ミサイルも基本構造は同じ。先端に載せるのが人工衛星か爆弾かの違いです。人工衛星かどうかは「発射後に専門家が評価する」(ボロダフキン露外務次官)と言われるほど区別が難しい>と、素人向けに解説されています。

であるならば、どうしてそれを撃ち落とすなんて乱暴なことが許されるのか?
もし万一本当に人工衛星であったなら、他国の宇宙開発実験の邪魔をするってことでしょう?
もし、日本の科学者が苦労の末開発し、国民の貴重な税金を投入して造られた人工衛星をどこかの国が「あれはミサイルだ!危険だ!」って決めつけて撃ち落としたら、私たちは冷静でいられます?怒り狂いませんか?


第二に、それが本当にミサイルであったとしても、要は実験でしょう?
日本本土を狙って発射させるわけではないでしょう?
北朝鮮は国際宇宙条約に則って、発射時期や落下する可能性のある海域等を事前通告しているわけでしょう?

弾道ミサイルの実験は北朝鮮に限ったことではなく、去年はロシアやイランやパキスタンなどもしていますね。それらの実験に対し、他国が撃ち落としたなどということは、もちろんありませんよね?
もし日本が迎撃し、仮に成功したならば、国際社会はそれを許すでしょうか?


第三に、この行為はあきらかに憲法9条に違反していませんか?

武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と、日本国憲法第9条の1項で宣言しています。

これは、仮に隣国のミサイル実験を国際紛争の火種と解釈するならば、それを解決するには、
わが国は迎撃するぞと脅したり、実際に迎撃ミサイルで撃ち落としたりはしませんよ。あくまでも話し合いその他、武力を使わずに解決しますよ
・・・と言っているのではありませんか?

また、2項で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と言いながら自衛隊が存在しているのもおかしな現実だけれど、少なくとも自衛隊は国の自衛権に基づき、専守防衛に徹するということを国内外にアピールしてきたわけですよね。
それが今回、攻撃されようともしていないのに、迎撃ミサイルを発射するのはおかしくないですか?

実験が失敗して誤って日本の領土・領海に落下する事態に備え、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する方針を決め、浜田靖一防衛相が「破壊措置命令」を自衛隊に発令したということですが、
「(ミサイルが)不具合で落下する場合を具体的に想定すると、通常は我が国の領域内に落下することはない」と、河村建夫官房長官も今日の記者会見で述べています。
とても可能性の少ない飛行物体の落下に備えて迎撃ミサイルを配備するなんて、どう考えても異常な気がするのですが・・・私の感覚のほうが異常ですか?

私の感覚が異常でないとすれば、なぜマスコミはこのような自国の過剰反応を放置しておくのでしょう。

いえ、マスコミだけではありません。
国内の様々な平和団体の皆さんは、どうして批判の声を大にしないのでしょう?
もちろん、全くないわけではありません。でも、小さいままです。
野火のように大きく燃え広がる気配はないようですね。


我が家の窓からは、出番を待つイージス艦「こんごう」と「ちょうかい」の姿が見えます。

はぁ~


今はただ、北朝鮮の「人工衛星orミサイル」の実験が成功して、予定海域に無事落下し、日本が迎撃ミサイルを発射する事態が起きないことを祈るばかりです。。。

 

 

コメント (42)
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